モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
2006年04月26日(水) |
鞭 -16(最終回)- エイプリルフールメール |
エイプリルフールにご主人様に送ったメールは2通。
1つは、くだらないネタメール。
もう一つは、自分のコトに関しての嘘つきメール。
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仕事の休みが変わりました。
土日は出勤しなくてはいけなくなり、休みは火・水曜となりました。
かといって、このご時世に私の実力では転職も難しいので、
辞令に従うしかありません。
もう土日にご主人様にお会いできません。
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というもの。
遊び気分で、なにか自分にまつわる嘘を書こうと 最初は思ったはずなのだけれど、
結局考えついたのはこれだった。
怒られること、分かってたけど、書かずに居られなかったその時の気持ち。
仕事の都合でこうなってしまえば、
私からご主人様に「さようなら」って言わなくて済むかな?と思って。
男友達のあの「今はもう○歳上とはつきあわない」という
一連の言葉が思い出されていた日々だったから、余計かも。
いつかは終わらなきゃいけないって知っているし、
そしてその終止符の言葉は、私から言わなきゃいけないだろうと、なんとなく判っていたし。
頭では判っていても、本当は言いたくなんてないのだ。
関係を終わらせるなんて、最後の日なんて、想像もしたくない。
ないのだけれど……現実は残酷。
だから、自ら手を下すのではなく、やむを得ずの状況が欲しい、とね。
それでそんな考えをしただけ。
ご主人様を全く頼ってないといったら、嘘になる。
精神的に辛かった先週、あえてご主人様断ちをし、連絡を取らないようにしていました。
お忙しいご主人様に、私のこんな状況で迷惑かけたくなかったから。
それが、あの時の私の精一杯。
極力、依存はしたくない。ご主人様は大切な存在だから。
かといって、全くご主人様のことを考えてないわけではなく、
心ではずーっと呼んでいたりするわけです。
だから簡単な挨拶メールひとつで、食欲が戻ったりしちゃう(苦笑)
遊びで、ケロロ軍曹のモアちゃんの四字熟語占い (正しいタイトル忘れ)をやったら、
出てきた占い結果が『孤立無援』。
見事に当たってるなぁ(笑)と思ってご主人様にメールしたら、
「麻瑚には私がいるだろ」って。
私が依存せず、迷惑かけず、
ちゃんと一人の足で立てるのはいつかな。くるのかな。
終わりの日には、ちゃんとありがとうございましたって泣かずに言えるのかな。
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そして。
激しかったsex。入れたまま少し休憩し、ポツポツとお話をしたように思います。
その後、私がまだ動けないというのに、無理矢理ソファまで呼び立てられ、おきまりの「ソファでフェラ→飲精」に至りました。
今回の記録は「思います」ばかりですが、本当に各所うろ覚えです。
3月逢瀬から、帰り途中でお茶しながら、
今日一日を反芻し、流れだけは手帳にメモするようにしています。
今回もそれをしようと思ったけれど、 思い返すだけで涙がにじんで、
鼻水じゅるじゅるになっちゃってました。
幸い、座っていたのはカウンター席。とはいえども、公衆の面前で……恥ずかしい。
「いや、ね、まだ花粉症で、鼻がね〜」(注:これは4/6の出来事です)
という雰囲気を醸し出しながら、滲む涙や鼻水を拭ってました。
今回、
怒られるより優しく赦されるほうが心にずんと来るということを経験しました。
ことの最中に「ご主人様、やさしい」と言ったら、
「私はいつも優しいだろ?」って自信満々に答えられちゃったけど。
「いつも」かは、どうかなぁ……?(笑)
私は、数少ない経験人数ゆえか、
自分が嫌いな人とは身体を重ねていないし、
もちろん男友達だって、他の人だって、
おつきあいというか、関係があった期間はその人が好きでした。
だからどのおつきあいを否定する気もないし、過去があったからこそ、
今のご主人様との関係や快感があるのだとも思います。
今まで、あっさりした人や女扱いが上手い人から「キミは面白いね」と好かれることが多く、
なおかつ、私は自分と同じ感覚の持ち主と勘違いされてしまうことばかりで……
相手の望む私でいるよう、自我は極力おさえつつ尽くす、
という形を取ってきたような気がします。
お恥ずかしながら、 私は今まで、
男性にぎゅっと抱きしめられたことって、ほとんどありません。
世の中には、ハグやキスを重視しない男性って、結構いるものです。
でも本当は、私ってとても甘えたがりだったのかもしれません。
だけれども相手をぎゅっと抱きしめたくても、相手に触れたくても、
自分からは手出しも言い出しもしませんでした。
そんな私が、気がつけば、若い女の子読者さんに
「麻瑚ちゃんって、甘え上手ですよね」と言われるようになってる。
甘え上手かなぁ?(苦笑)
……未だにそれはよく分からないけれど、
とにかくご主人様が、 そういう私を上手く引き出してくれているとともに、
誰も気づかなかった、私のそういう点
〜恥ずかしがったり、照れたり、はにかんだり、照れながらわがままを言う〜
を発見し、露呈させては喜んで下さっているのでしょう。
最近思うのだけれど。
私って「奴隷かな?」って。
なんかちょっと違うような気がしてきました。
奴隷というより
【意志を持った、ご主人様の所有物】
という感じなのかも。
いや、奴隷は「ご主人様のもの」なのだけれど、なんか少々違うというか……(苦笑)
「私は、ご主人様の奴隷です」というより「私はご主人様のものです」ということばが
ぴったりくるように思えます。
ご主人様はいつも咬む前に「痕をつけるぞ」としか言わないのですが、
この日は、今後の何か(この連載の出来事)を暗示するかのように
「痕をつけるぞ。これは、麻瑚が私のものだという印だ」とおっしゃったご主人様。
いつの日かご主人様の宝もののひとつに加えて頂けるような、
そしてご主人様が所持していて恥ずかしくない
「意思あるもの」でいられるよう、ありたいものです。
(おわり)
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2006年04月25日(火) |
鞭 -15- ひとつに |
やっとその体勢から解放され、ほっとしたのもつかの間。
喘ぎすぎてゼイゼイとした呼吸のなか、私が
「いき……できない……くるしい……」って言っているのに、
過呼吸でぼーっとしているのに。
私と肌をぴったりと合わせるように
ご主人様は覆い被さり、そのまま責め続けている。
このままだと、今度こそ過呼吸で失神しちゃうかも……
とその時、また今までと違う感覚が訪れました。
肌が溶け合ってどちらの身体がわからなくなる、というあの感覚とも違う。
だけれども、ご主人様の身体と一体になりたという、激しい渇望。
でも、一部が繋がっているとはいえ、別々の肉体。
それはままならない。
それがとってももどかしい。
どうしていいかわからない。
このまま、私の身体がご主人様の身体に入り込み、取り込まれて
ひとつになってしまえばいいのに。
そう、何度も何度も思いました。
どうしていいかわからなくて、腰に絡めた脚に力をいれ、両腕を背中に回し
ご主人様を全身で抱きしめながら、背中や後頭部をまさぐり続ける私。
時々、感情が高まって
「ごしゅじん……さま……」
って呼びかけてしまう。
ご主人様は「ん?」と答えてくれるけれど、私には伝える言葉がない。
何て伝えたらいいか分からない。
いや、伝えたいことなんてないのかも。ただご主人様の名を呼びたいだけなのかも。
sexは時化から凪へと自然に移行。
静寂の中、ご主人様が上半身を起こしました。
少し高い位置から私を見下ろすご主人様。
じっとその目を見つめているうちに、
寂しさと欲求が静かに静かに湧き上がり、それが私の重い口を押し開かせました。
「ご主人様……」
「ん?」
「ぎゅ……っ……って……したい」
私の最後のわがままにご主人様は苦笑すると、
もう一度身体を倒し覆い被さってくれました。
私は、今日最後のご主人様の重みをうけとめながら、ぎゅっ。
「でもね、ご主人様、
私、アナルだけは死守したんですよ」
と、この時すごく言いたかったけど、
さすがに言えなかったわ、さすがにねぇ……(笑)
そのかわり、「ごめんなさい」って再び告げた……と思います。うろ覚えだけど。
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