鼻くそ駄文日記
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2002年03月07日(木) ぽかぽか陽気

つくしの子が
こわごわと
外に出ていく

黄砂混じりの
風が吹く
三月の日

春の川に
浮かぶのは
カジカの卵

新しい命が
生まれる
大雨のあと

君は泣きながら
死んでやるさと
電話で叫んだ
君の涙の意味が
わからない
わからない
ぽかぽか陽気

蛙たちは
泥だらけで
春を迎える

休める季節が
終わって
戦いの日々

外に出るのは
生命への
挑戦状だね

暖かい季節が
ぼくらを
待ちかまえてる

君は泣きながら
だめになりそうと
電話で荒れた
そんな君なら
だめになればいい
だめになればいい
ぽかぽか陽気


2002年03月06日(水) となりに

冗談めかして
いたずらっぽく
ここまでしても
ひかないよね
と確かめていたけど
さすがの君も
唇を奪われるのには
驚いたみたいだね

金も未来も明日の就職も
何もないぼくらだけど
でも
君がいてくれたら
それだけでいい

外はうっすら明るいよ
新聞配達の原チャリが
表の道路を走ってた
夜は終わりかけていたけれど
ぼくらの夜ははじまったばかり

君がとなりにいてくれたら
それだけでいい


2002年03月05日(火) ゴキブリラブストーリー

ぼくはゴキブリと
つきあってる
あの子の黒光りに
ぞくぞくしたんだ

霧のような雨が降る
あの子はうれしそうに
ぼくの部屋を走り回る
湿気が好きなんだね

あの子は毒なんか
持っちゃいないよ
あの子は他人を
痛めつけたりしない
だけどみんな
ぼくのあの子を
嫌ってる

あの子はすばしっこくて
自由にどこへでも行ける
空だって飛べる
命を賭けて生きているから

エレベーターホールで
マンションの管理人さん
手に殺虫剤
ぼくの部屋のドアの前
待ってくれてた
あの子の死体

君のようにぼくも
いつか空を飛びたいよ
君のようにぼくも
命を賭けて生きたいよ


2002年03月04日(月) 明日こそは

総理大臣の
髪型まねて
今日から
クラスの人気者
出世街道
まっしぐら

説教好きの
中年さらって
自尊心を
ぶっ壊せ

机のひきだし
鼻くそ並べて
腹が減ったら
ねぶって
しょっぱい

明日こそは
まともにやろう
明日こそは


2002年03月03日(日) はくめい

薄い光
暖かい布団
冷たい君の足
心地よい

最後のチャンス
ずっと抱けなかった
今宵こそは

朝が来た
君は寝た
意気地のない心
空に溶ける


2002年03月02日(土) 文学青年

後期の大江健三郎
引用ばかり
知識見せびらかし
自慢親父と大声で叫ぶ

趣味が読書だなんて
冗談としか思えない
だけど読書と
真面目に語り
ナードじゃないと大声で叫ぶ

評論家の言葉を借りて
叫び続ける文学青年
普段は真面目だ文学青年
シャブなんか見たことない文学青年
それじゃだめだろ文学青年

カタカナ言葉を得意に語る
ラテン語詳しいのに
英語はしゃべれない
演繹法と帰納法しか考えが浮かばない

女なんか知らないくせに
甘いロマンスだらだら書いてる
そうですのとしゃべる女
いけませんわと困る女
男しか出てこない小説書けよ

痛い女にもて続ける主人公は
ズバリ作者だ文学青年
自分の世界で満足文学青年
世界中に説教したい文学青年
それじゃだめだろ文学青年


2002年03月01日(金) 桜散る

春の匂い
頬に涙
だらしないね
男の子なのに

歩いてみるよ
菜の花の道
君は約束
守ってくれるかい

君が遠い町へ
行ってしまう日が
一日一日
迫っている
春に散るのは
桜だけじゃない

外は大きく
春二番
派手に飛ぶよ
君と夢

あの町で君は
恋に出会うよね
距離X時間
心冷めさせる

君がぼくのことを
忘れてしまう日が
一日一日
迫っている
春に散るのは
桜だけじゃない


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