どーでもいいが、アメリカナイズされたてめえの病院では、手術の時には「メス」ではなく「ナイフ」であり、産婦人科も「ギネ」ではなく「オービー」である。というわけで、昨日から始まった産婦人科の話。
をしようかと思ったが、やっぱやめる。
「忙しいが充実した日々を送っている」などとぬかす研修医は嘘をついている。少なくとも自分に対して。それとも、よっぽど恵まれた環境にいるのか大バカなのかマゾかどれかだ。きっとマゾなんだろう。しかもきっと、大事な事に目を瞑り続けているとしか思えない。
そうか、やつらは単に鈍感なだけなのかも知れん。てめえにははっきり言って耐えられない日々が続く。この職業を続けていけるのか全く自信がなくなってきた。
恵まれた環境。素晴らしい指導医。研修医に対して寛容な地域性。求められる事は与えられ、研修医としての環境としてはありえないほど幸せなはず。だが、それ以上に現場は過酷である。
今日は子宮内死亡した胎児を取り上げた。初めて経験するお産が死産。胎児は死んでいると分かっているのに陣痛に苦しむ母。生まれた直後、母は「赤ちゃんに会わせて!」と叫んだ。胎便に塗れた赤ちゃんを抱かせた。母親は、何時までもいとおしそうに泣かない赤ちゃんの頭を撫でていた。
オーストラリアの乾いた大地を疾走するトラックの車内。 「ところで相棒、バックミラーにかかってるこの銀色のメダルは何なんだ?」 「いや、ちょっとしたお守りみたいなもんさ」 「おい、ちょっと待てよ。これ、本物の銀じゃねえか!」 「そんな目で見るなよ。昔、あるスポーツの大会でもらったのさ。そう、俺はオリンピックに出たんだ」 「オリンピック? 冗談よしてくれ。あれは選びぬかれたスポーツエリートだけが出られる大会だろうが。お前みたいに一日中トラック転がしてる奴がどうやってオリンピックに出るんだ?」 「それもそうだよな、ハハハ。」 「わははは」 しかし、遠い地平線を見る運転手の青い瞳には、ある一日の光景が焼きついていた。ありあまる資金で高級ホテルに泊り、薄ら笑いを浮かべながら会場に現れる東洋人のチーム。彼らのほとんどが一年で百万ドルを稼ぐプロの選手だという。 若いオージー達は燃えた。そして、全力で立ち向かい、ぎりぎりの勝利を掴みとったのだ。ほとんどの人間が野球というものを知らないこの国では、誰も彼らを賞賛しなかった。しかし、胸の奥で今も燃え続ける小さな誇りとともに、今日も彼はハンドルを握り続ける。
人生の中で、最も過酷な一ヶ月だった。 こんなにも過酷な仕事があるとは予想もしていなかった。 本当に辛い。この仕事やっていけるのだろうか。 ま、なんとかなるか。
今日は北谷にラーメンを食べに行こうと思ってバイクを走らせたら、途中ですげえスコールに遭って全身びしょびしょになってしまった。なんてこった。しかも雨宿りするところが道中にないし。どこまで行っても森の中。やっと見つけたバス停に体を休めると、全身ががたがた震えた。結局ラーメンは食えず。雨が止んだ後に、生暖かい風に吹かれて帰宅。明日から新しいローテが始まるので勉強しておこうと思ったのだが、もはや無理だった。
帰りに恩納から眺めた海は相変わらずどうしようもないくらい美しかった。 なんだか一か月分のストレスが吹っ飛んだ気がした。
どろどろに疲れた身体を、スコールが洗い流してくれたのだろうか。 この一ヶ月で火照りきった身体を冷やそうとニライカナイの神様は考えたのに違いない。この一ヶ月は本当に辛かった。いつか自分の糧になるだろうと信じて過ごしたが、本当にその日は来るのだろうか。
最近涙もろい。なんでだろう。
歯科医師国家試験の結果が今日発表されたが、なんと合格率ががくんと下がったらしい。医師国家試験の合格率との相関性がなぜか見られるので、今年の医師国家試験の合格率も・・・。ガクガクブルブル。
楽勝じゃ! などとたかをくくっていたが、けっこうびびって来た。マジで何も手につかない感じ。ひたすら2ちゃんねるとかを見るのみ。引越し準備すすまねー! ぱしっと気分入れ替えていまからばりっと準備しようかな・・・。ガクガク。。。
引越しの荷造りをしていたら、「カムイ伝」を見つけたので久しぶりに読み返している。日置藩ってどこなのか探してみたら、架空だったのね。
カムイ伝をマルクス主義と読み替えたここは面白かった。個人的には、第二部は第二部で好きなのだが。しかし竜之進よ、カマ掘るなよ・・・。
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