解放区

2012年02月03日(金) 節分/初牛

午前中で仕事を終えて、昼から伏見稲荷に出かけた。初午に合わせて、今年から布袋さんを購入することにしたからである(ここ参照)。

きっかけはiphoneの「京都検定アプリ」だった。最近は暇なときにこのアプリで勉強することにしているのだが、たまたま先日に出た問題が、この伏見稲荷の初午に布袋さんを買うことについての問題だった。長らく京都にいながら全く知らない習慣であったため、非常に気になったわけだ。そこで今年の初午にあたるこの日にたまたま時間もあったため、伏見稲荷まで出かけることにした。

午前中に鬼のようにインフルエンザを診て、バイクで伏見稲荷へ向かった。途中にどこかでラーメンを食べようと考えていたのだが、伏見稲荷に向かう道すがらふと思い出した。「なか房」の伏見稲荷店のことを。

伏見稲荷は多くの人で賑わっていた。てめえもその中に混じって二礼二拍手一礼をキめ、この日のみのアイテムである「しるしの杉」をゲットした。その後細動をぶらぶらと歩いて布袋さんを求めたが、なんとどこにも置いていなかった。

そんなはずはないのだが、少なくともメジャーなことではないらしい。てめえの予想では道行く店全てに布袋さんがずらっと並んでいる様を勝手に想像していたが、それは大いに間違っていたわけだ。

てめえは落胆を隠せず、とりあえず腹も減ったことだし、予定通り「なか房」に向かうことにした。ラーメンを注文して待つ間、もはや相棒として手放せなくなったiphoneにて布袋さんについて調べる。ところでなか房のこの支店だが、この日が節分+初午だったせいか、昼時を外していたが大変繁盛していた。素晴らしい。

さて。iphone君の答えでは、高畠商店というところにはおいてあるとのこと。食事を終えたら再度攻めてみることにした。

食事を終えて支払いをしようとしたら、おっちゃんに声をかけられた。どうやらてめえのことを覚えており、わざわざこんなところまで来てくれて、みたいなことを言われ思いっきり狼狽してしまった。「今日はお参りに来たので・・・」などと適当なことを言って店を後にした。本当はもっといろいろと聞きたいことがあったのに。まあええわ、今度行く口実にしてやる。

それからあらためて高畠商店に行ってみたが、案の定布袋さんは売り切れていた。てめえの勝手な印象としては、その日に飛ぶように売れたわけではなく、そもそも買う人がほとんどいないような感じを受けた。おそらくそうなのだろう。もはや初午に布袋さんを買うなんて行為は、検定の問題の中だけになってしまったのだろう。

店の方は「予約にさせてもらってまして、1か月ほどかかります」と、とても申し訳なさそうに言った。せっかくなので予約することにしたが、初午の日に買うことに意義があるのでは。まあかたいことは言わない。そもそも売っていなかったのだし。


それから急いで自宅に帰ると父の帰宅時間に何とか間に合った。


夕食は恵方巻きと鰯に赤だしの味噌汁をつけた。恵方巻きを見て父は「今年は北北西やったな」と言った。記憶障害のある父が今年の恵方を知っているはずないだろうと思い、そうやったね、などと適当に言っておいたが、後で調べたら本当に北北西だったので驚いた。



2012年02月02日(木) インフルエンザについて

今朝も氷点下だった。寒すぎて布団から出る気がしないが、父の朝食の準備をしなければならないので何とか気合を入れて布団から出る。

父がデイケアに出かけたら、自分の支度をして職場へ向かう。いつもはまっすぐに職場へ向かうのだが、今日はあまりの寒さに途中でなか卯に寄りうどんを食べた。グローブをはめているとはいえ、バイクで冷気に晒された両手は感覚を失いかけており、箸を持つのも怪しかったのでしばらく熱い丼で両掌を温めうどんを食べた。

今日もインフルエンザ祭だった。次々と発熱の患者がやってきては、診察を行いインフルエンザ検査用の綿棒を鼻の穴に突っ込んだ。インフルエンザかどうかは話をちゃんと聞くだけで大体わかるのだが、それでは納得しない人が多いので検査をするしかない。毎日インフルエンザの人をたくさん見ているとインフルエンザかどうかはわかるもので、今日もほとんど外れなし。検査というものは自分の予想が合っていることを確認するためにするものである。最近はあまり予想が外れなくなってきたが、それでもたまに予想外の結果に驚くこともある。

それにしても、検査しすぎでしょうと思う。てめえも若いころは、自分が必要だと思う検査しかしなかったが、当然患者受けは悪かった。結果はほとんど同じなのにである。もう面倒くさくなったのと丸くなったので最近は顔色を見ながら検査している。ほんまに声を大にして言いたいが、今の日本の制度では外来では検査はすればするだけ儲かるので、検査をせずに診断するのは儲からないしリスクを抱えるだけでしかない。何とかならんものだろうかねえ。

あと、インフルエンザの薬に期待が大きすぎる。これも説明するのが面倒臭くなったのでそれなりに薬を出している。抗インフルエンザ薬の全世界の消費量の7割は日本である。このことはもう少し考えた方がいいのではないだろうか。

先週の外来に中学生の発熱の子が来院した。話を聞けば典型的なインフルエンザの症状で、しかもクラスが学級閉鎖になっているという。もう検査しなくてもインフルエンザの診断でよいと思うのだが、それでは親が納得しない。検査したところ、予想通りインフルエンザ陽性であった。

症状としては発熱だけで、食欲もあるとのことで、正直病院など来ずに家で寝ていた方がよいレベルだ。治療に関しては解熱剤だけで帰すことも多いのだが、インフルエンザへの香かもよく副作用もさほどないので最近は若い人には麻黄湯を処方することにしている。タミフルは異常行動が多発したので10代では禁忌となっており、リレンザも要注意となっている。10代の子に出せるのは漢方薬ぐらいしかない。

というわけで、上記説明して麻黄湯と解熱剤を処方して帰そうとした。「リレンザは出せませんか?」と母親が聞いてきたので、いつものように「要注意薬ですし、効果も解熱を早めるだけで合併症は防ぎません。解熱を早めるのは麻黄湯の方が早いという報告もあり、副作用のリスクも考えると全くお勧めできないし、自分や自分の家族なら絶対に処方しないレベルです」と説明した。今もこの考えに全くブレはない。上記でも述べたが日本で全世界の7割が処方されているというのは異常である。日本以外の国はこれらの薬を使用せずにインフルエンザを治療しており、それで全く問題は生じていない。

納得していただいたと思っていたのだが、これだけ説明したにもかかわらず納得していただいていなかったようで、その後別の小児科にかかってリレンザをゲットされたらしい。なんだかとても複雑な気分である。もしそれで何か起こっていたらどうするつもりだったのでしょうか。インターネットもあるこの情報社会で、てめえが言っていることがまっとうであることは調べればすぐにわかることなのに。子供がかわいそうである。

ホンマは節分の話を書く予定だったがインフルエンザの話で盛り上がってしまった。なんてこった。なので続きは明日へ。



2012年01月31日(火) 臨時往診

今朝は布団の中まで忍び込んでくる冷気で眼が覚めた。昔はどちらかと言うと暑さの方に弱かったのだが、基礎代謝が落ちたせいか今は寒さにとても弱くなってしまった。なんてこった。

往診担当の先生が休まれたので、急遽てめえが往診に行くことになってしまった。あまり経験がないのでびびってしまったが、要は外来でやっていることをご自宅でやればいいだけの話だと思い直した。

結論から言うとこれは良い経験だった。いつもはてめえのホームで仕事をしているが、その方の家に出向くということは、その方のまさしくホームに行くということだ。それぞれの生活の背景を垣間見ることができてなかなか意義深かった。

しかも最近は京都の街中の建築物にも興味があるのでまさしく一石二鳥だ。いろんなご自宅にお邪魔して、いろんな家があることを勉強できた。そういう意味でもなかなか面白かった。

今後の医療は、病院から在宅加療へと向かっていくだろう。すでにそういう方向で動き始めているが、制度が整えばそちらの方がいいだろうということがより実感できた。てめえもできれば畳の上で死にたいからな。路上でもいいが、病院のベッドの上だけは勘弁してください。



2012年01月30日(月) カレンダーを使う

朝起きると雪がうっすらと降り積もっていた。今朝は氷点下だったようで、まったく家から出る気がしない。なんとか気力を振り絞って出勤したが、ここ数日は厳しい日々が続くな。

iPhoneのカレンダーに決まった日程を入れていっているのだが、入力が面倒くさいことこの上ない。PC上でこれができないかどうか調べてみたら、これが簡単にできるのだな。

デフォルトはOutlookとの同期なのだが、てめえはoutlookは使わない。のでHotmailのカレンダーと同期することにした。実は今回調べるまで、hotmailにカレンダー機能があることを知らなかった。

ちょっと手間取ったが、なんとか設定終了。たちまち同期するようになったので感動した。これは素晴らしい。PC側で入力できるととても楽だ。細かい設定はできないがてめえはいまのところこれで十分。さらに機能が必要になったらその時に考えればよい。

hotmailのカレンダーが使えれば、どこでも入力することができる。人のPCからも可能だ。当面はこれで使ってみる。


iPhoneはてめえの脳みそ代わりになりつつある。思いついたことはすぐにメモできるし調べたいこともすぐに調べられる。もう元の生活に戻れないし戻るつもりもないわ。



2012年01月29日(日) 今年の目標

例年あまりこういうことはしないのだが、書いておいた方が「ちゃんとやらなければいかん」感が出ると思うので、自分のために書き残しておこう。


・京都検定に合格する。

結果が先日返ってきた。3級は自己採点通り69点で、1点足らず不合格。試験に関してはいつもぎりぎりで合格してきた人生なのでとても悔しい。70点でも100点でも合格は合格だが、69点でも0点でも不合格は不合格だ。まあ何の実害もないのでいいのだが、この悔しさは忘れないでおこう。ちなみに同時に受験した2級は45点だった。全然あかんやん。

iPhoneアプリで京都検定のアプリを発見したのでさっそくゲットし日々勉強している。今年も2級と3級を受ける予定。もちろん両方とも合格するつもり。


・産業医の資格を取る。

講習を受ければ誰でもとれる資格なのだが、講習に参加するのが難しい。てめえの場合は父をどこかに預けなくてはならないわけだ。まあそれが何とかなったとして、本当の問題は講習の受付に間に合うかどうかだ。

実は去年も申し込みをしようと考えていたのだが、受付の日に速攻で定員が埋まって申し込みできなかった。今年はコンサートのチケットを取るが如く申し込み開始時間に速攻で申し込むしかない。

なぜ産業医の資格を取るのかだが、産業医や検診の仕事など幅が広がるからというのが一つ。

もう一つは、この仕事を続けてきた中で、結局健康な人間にアプローチしていくのが王道だと悟ったこと。いわゆる予防医学だが、医師にも医学教育にもその観点が驚くほど抜けている。極端な話、医師は誰も健康のことは知らない。病気を治すことではなく、健康でい続けることが医学の本質である気がするのだ。

病気というのは結局のところ、感染症や遺伝病など一部の病気を除くと、その人の生活習慣で生じるのだ。たばこを吸っていれば肺にあらぬ負荷がかかるため肺がんや肺気腫になる。アルコールを多飲すれば肝臓や胃や食道にあらぬ負荷がかかる。正しく油を取らなければ血管の病気、つまり脳梗塞や心筋梗塞になる。朝食を食べれば胃に負荷がかかり胃がんになる。動物性たんぱくをとれば悪性腫瘍をはじめとするいろんな病気になりやすくなる。

ただしそういう仕事に需要がないのも真実だ。病気になる前から正しく問題意識が持てる人がどれだけいるかということだよな。てめえはさんざん病気になった人を見てきたので気付くことができたが。


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