白馬鹿日記

2017年07月01日(土) 入院日記(回想)・6日目

というワケで今日から7月。
昨日に引き続き神経痛と点滴の針跡痛が少々。針跡痛は少々でありますが神経痛は中々に痛いです。ああ動きたい。動けない時にはそう思うのでありますが普段はああ怠けたいと切望し続けるワケでありまして馬鹿とナマケモノは最先端医療でもまだまだ治すのは難しい事であります。医療従事者の皆様の切磋琢磨に期待するばかりでございます。

週末のせいか気持ちスタッフが少なめの様であります。新規入院が無いからでしょうかね。救急は別でしょうけど勿論。ややのんびりした雰囲気の中で5分粥になったお食事をいただきます。食う話ばかりで恐縮でありますが、病人にとって食えるというのは回復の証でありますからね。他にあんまりやる事が無いってのもありますが。ご飯もそうですがオカズが徐々に固体化してくるのがやはり嬉しかったりいたします。胃の保護のために良く噛んで食えという事には異存は無いのでありますが、それでもお粥を30回噛むというのはほぼ修行とか苦行に近いモノを感じたりもいたしますからね特にワシみたいに自覚症状も無いラッキーな患者には。早期に処置出来て良かったという感謝の念は常に持っているつもりではありますけどね、感謝の念だけでは中々に難しいのでありますよ元々柔らかいご飯をひと口ごとに30回も噛むのは。

2日後の退院に備え、頭と無精髭を何とかしたいという気になってまいりました。もし使えるならと電動バリカンは用意して来たのでありますが、公共と言って良い環境のシャワー室で果たして使って良いモノかどうか。とナースに訊ねてみたところがゴメンナサイというお答えでありました。ま、仕方が無いですなこれは。理容室を予約しておけば良かった。失敗の巻。



2017年06月30日(金) 入院日記(回想)・5日目

というワケで後半戦スタート。
昨深夜は「ドクターコール」というやや緊迫したアナウンスで目が覚めました。ただゴロゴロしているだけの様に見えない事も無い入院生活ではありますが、やはりここは病院であります。戦っている方は戦っているのでありますよ患者もスタッフも。暇を持て余せるというのはここでは幸運かつ贅沢な事なのだなあと実感した出来事でありました。暇だからナースに構って貰おうなどという了見を起こしてはイケナイのであります。

本日も神経痛と点滴の針跡が痛みますがそれ以外は大変に快調であります。ご飯は今日は3分粥でありましてオカズもほんの僅かながら歯ごたえ噛みごたえのあるモノが混ざってまいりました。特にお昼のタイの煮魚は泣くほど美味しかったですハイ。生姜っぽさがほぼ皆無なのに生臭さが無いという事で湯通ししたり何だりと相当に手の掛かった品だったのでは無いでしょうか。美味しい食べ物は消化器系の患者にとっては何よりの心の支えになるですよ。朝の温泉卵はイマイチだったんですけどね実は。

散歩がてらに最上階の展望室へ。狭い部屋ではありますが眺めは確かに良いです。生憎の小雨ではありましたが快晴だと脱走したくなるかも知れませんのでむしろ良かったのでありましょう。でも外の空気は吸いたい気もしますねやっぱり。まあ横浜の街中の空気ですからンなに美味しいモノでは無いのかも知れませんがエアコンで同じ温度に調整された空間にずっといると何か体に良くないモノがある様な気がいたします。多分、空気を吸いたいというよりは風に当りたいのかも知れませんですな。

退院直前の最後の平日という事で費用の概算をいただきました。約17万円となっております。健康保険があるので実際にはこれの3倍くらいの額なのでありましょうが、入院8日+ESD+止血処置+附随する諸々と考えると妥当かやや安めと言って良いのでは無いかと。看護のプロが24時間近くにいてくれて、1日に2回も医者が具合を見に来てくれるんですからねえ。彼ら彼女らがここからどれくらいの配分を受け取るのかは知りませんが、労に報いるに充分な額である事を願う次第であります。



2017年06月29日(木) 入院日記(回想)・4日目

というワケで前半最終日。
結構な痛みを覚えて起床。と言っても胃では無く、前にもあった肋間神経痛であります。ナマケモノで鳴らしているワシでも流石にこれはというくらい動いておりませんのでこういう事になってしまうのでありましょう。痛てえ痛てえよ。回診の時にドクターに言うとどうしても我慢出来なければ鎮痛剤を出しますが少し様子を見ましょうという事に。万が一、胃に痛みが出た時に気付くのが遅れるとまずいとかそういう事なのでありましょうか。せめて湿布をくれぇタダでとは言わんから。

本日から食事であります。流動食でありましてエンシュア・リキッドでも出て来て終わりかと思ったらちゃんとお料理をいただく事ができました。軽い痛みはありつつも点滴のラインが無くなった軽快さを喜びつつお食事を堪能いたします。うん。美味えわ。初日にも書きましたがご飯が美味しいのはとても大事でありまして何より励みになりますよね美味いモノを食う為に頑張ろう、みたいな感じで。量も決して少ない感じはしませんでしたがメニュのカロリーを見ると確実に低めになっておりますのでこの辺は味付けとか組み合わせの工夫が生きているという事なのかも知れません。特筆すべきは昼食に出た水餃子の流動食でありまして見た目は薄茶とも言えない位の薄い色のペーストというかムースというかそういうモノなのでありますがその味と香りは間違い無く水餃子という。作り方教えてくれませんかね。ご飯に塗って食べたらものすごく美味しそうでありましたよ。

点滴が抜けて処置時に着ていたガウンを脱ぐ事が出来るので、早めにシャワーを浴びて着替えをする事にいたします。実にさっぱり。身綺麗に出来るならそうする、と言うのが病院内では唯一のオシャレになるのかも知れません。シャワーの後はやはり冷たいモノが欲しいので売店に買い出しに行き、ついでに有料の冷蔵庫を使うべくカードを購入いたします。まあ電気を食うモノですから有料なのは構わないんですけどねえ。200円/日はちょと高いんじゃないでしょうかね。

汗臭いパジャマを洗濯機へ。まあフツーにコインランドリーでありまして洗濯+乾燥で400円でありました。機材はやや小さめでありますがシーツや毛布を洗うことは間違っても無いので充分であります。全部で2時間と少々長め。シャワーの後で冷たいモノを飲みながら脱いだパンツを洗濯機に放り込んでご飯を待つという、入院後半の日常がはじまった日でありました。



2017年06月28日(水) 入院日記(回想)・3日目

というワケで処置翌日。
本日も禁食。午前中に採血をしその後で内視鏡検査室へ。出血状態の確認だそうでありましてこの日は車椅子での移動でありました。今日は鎮静剤は使わん、という事を聞かされていたので少々憂鬱でありますがまあ仕方がありません。久しぶりにうげえええぇぇぇぇを体感いたしましたが何度やっても慣れるモンじゃありませんですな。もうちょっとごっくんしてみましょうか、などと呑気に仰いますけどね、ンな余裕があるワケが無いざんす。しかし今日は前より苦しいなあ、昨日のストレスが喉に残ってるんじゃないのかなあ。などと目から涙を水鉄砲の様に吹き出しながら思ったりもいたしましたが、2度ほど空気を入れただけですぐに抜く事に。ををもう終わったのか。という事では無く少し出血してるので鎮静剤使って高周波で焼きますという説明でありました。最初から使ってくれぇ。無駄にうげえええぇぇぇぇを味わってしまいましたですよ。

車椅子で病室に戻していただき、16時までウトウトいたしました。ナースから少しなら水を飲んで良いというご指示をいただいたので、売店まで買い出しにまいります。軽くフラつきますがまあ仕方が無いですな。病人にしては元気な方でありましょう。ベッドに戻ってひと口だけ水を飲み、喉を潤すという感覚を堪能いたします。後はもう良くなる一方でありますからね馬鹿な事さえしなければ。

ちなみにワシが受けた処置は内視鏡的胃粘膜下層剥離術、通称ESDというモノだそうであります。これ、日本語なんスかねホントに。医療なんて基本的には世界共通で情報や技術を共有しつつ進歩していく分野では無いかと思うのでありますがそういう中で何でこういう妙な日本語化をするのかなあと思ってしまったりするワケであります。ドクターの皆様には分かり易い言葉なのでありますかね。まあ実際にお使いの方々にとって分かり易いモノなのでしたら良いのでありますが。



2017年06月27日(火) 入院日記(回想)・2日目

というワケで本日は禁食。
もう起きてしまえ、と思い携帯を見たら丁度7時でありました。時計は持ち物リストに入れるべきでしたね特にワシみたいに携帯に慣れていないヤツは。朝食の代わりに取っていただいた点滴のラインからブドウ糖を頂戴いたします。これ、変な感じでありますな。お腹は空かないし喉も乾かないし。他の患者さんのご飯の匂いが羨ましい気持ちはしっかり湧いて来ますけどね。11時以降は水も禁止。心情的に飲みたくはなりますが別に飲まなくても困る事はありません。トイレに行く以外は起き上がる事も無く、持参のタブレットで本などを読みつつその時を待ちます。

お呼びが掛かったのは1430時か少し過ぎた頃でありました。往時は歩いて内視鏡検査室に向かいます。何故か何度も体重を聞かれましたが別に嘘はついておらんですよ。若い頃なら痩せているとか締ってるという事にもなるのでありましょうがこのトシだと枯れてるとか衰えてもう筋肉付かないとかそういう評価になってしまいますので見栄は張らんです。横を向いてマウスピースを咥えるとすぐにスイッチを切る様に意識が消えました。そのまま術後まで、と言いたいところなのでありますが実は途中で一度意識が戻ったりいたしました。何かしゃべったつもりだったと思いますが口も喉も塞がれた状態でしゃべれるワケがありません。○○を○○追加、というドクターの声を聞きああこれは鎮静剤を追加するんだなあと考え終える前に再び気絶いたしました。勿論、痛みも不快感も全く感じはしませんでしたが。

ストレッチャーに移りますよ、という声で本当に目が覚めました。押される側に転がっているつもりなのでありますが身体があんまり動いてないみたいでありました。時計を見るともう18時近く。随分掛かったんだなあ、という事を理解するより早く病室に到着。どうもまだ完全には覚醒していない様でありますな。今日は終日ベッドで安静です、トイレに行く時はナースを呼んで下さいと言われましたが流石に起きてうろうろする気力も体力も無さそうであります。

漸く頭がはっきりしはじめた頃にドクター登場。説明に拠ると当初4か所切除する予定だったが3か所しか見つからなかった。最初に見つかった2か所以外は生検したわけでは無いので多分ただの荒れだったのだろうと思う。取るべき場所は綺麗に取れた。但し、大丈夫かどうかは切除した部分の病理検査を待たないと断言は出来ない、という事でありました。後から見つかった2か所というのは胃の上部でありまして、こやつらのせいで全摘の可能性が指摘されていた部位でありますればひとつ減ったのは朗報になってくれるかも知れません。いずれにせよ、今できる事は全てやったワケでありますればとりあえずは癌患者から胃潰瘍患者にカテゴリー変更したと思う事にいたします。残っていたらどうしよう、とか悩んでも何も出来ませんからね。


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うるま [MAIL]

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