● 幸せのレシピ 監督: スコット・ヒックス 出演: キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/アーロン・エッカート/アビゲイル・ブレスリン
 主演キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、完璧主義な女シェフに訪れた人生の転機を描くハッピー・ストーリー!
NYでも1、2の人気を誇る高級レストラン“22ブリーカー”。店の評判を支えるのは、完璧な料理を振る舞う女料理長ケイトだ。厨房でもプライベートでも隙のない彼女に、突然人生の転機が訪れる。たった1人の肉親である姉が事故死し、9歳の姪ゾーイを引き取ることになったのだ。しかも数日ぶりに仕事場へ戻ると、彼女の聖域だった厨房には新たに雇われた副料理長ニックの姿が。今までの規則正しい生活を乱され、ケイトは困惑するが…。
自信と不安、寂しさの間で心揺れるキャリアウーマンを、『シカゴ』でアカデミー賞助演女優賞に輝くキャサリン・ゼタ=ジョーンズが好演。卵料理も作れなかったという彼女は、料理技術とプロ料理人の身のこなしを特訓。動きにムダがなく、凛としたシェフを堂々と演じきった。ライバル心むきだしの彼女を柔和な態度でなだめ、距離を縮めていくニック役には、キュートな魅力全開のアーロン・エッカート。また突然母を亡くしたゾーイ役には、『リトル・ミス・サンシャイン』でアカデミー賞助演女優賞に史上最年少でノミネートされたアビゲイル・ブレスリン。この3人のアンサンブル、画面を彩る料理たち、つややかなオペラの調べと、大人の女性の心をくすぐりまくるハッピー・ムービー!
| 2007年10月07日(日) |
ファンタスティック・フォー:銀河の危機 |
● ファンタスティック・フォー:銀河の危機 監督: ティム・ストーリー 出演: ヨアン・グリフィズ/ジェシカ・アルバ/クリス・エヴァンス
 異常現象を引き起こす銀色の閃光を追え、ファンタスティック・フォー!
Dr.ドゥームの野望を打ち砕き、すっかり有名人となったファンタスティック・フォー。世界中で異常現象が起こる中、アメリカはそのメンバーの二人、リードとスーの結婚式の話題で持ちきりだった。しかし挙式当日、NYで式を行う彼らの上を謎の閃光が駆け抜けた。これにより上空を飛んでいたヘリが墜落。“ヒューマン・トーチ”ジョニーが閃光を追うと、そこには銀色の未知の生命体――シルバーサーファーがいたのだった。
マーベル・コミック大人気シリーズの映画化第2弾。前作『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』でDr.ドゥームを倒して英雄となったF4。彼らの今回のライバルは、コミックシリーズはもとより、マーベル・コミック全体でも1、2の人気を争うキャラクターであるシルバーサーファー。世界に異変を引き起こすシルバーサーファーに対して、“Mr.ファンタスティック”ことリードら4人が立ち向かっていく姿を描いていく。それぞれの能力を活かしたアクションはもちろん、リードとスーの結婚やジョニーの心境の変化など、人間ドラマの部分も充実。前作以上にエキサイティングで心を動かされるエンターテイメントに仕上がった。
● ミス・ポター 監督: クリス・ヌーナン 出演: レニー・ゼルウィガー/ユアン・マクレガー/エミリー・ワトソン
 ピーター・ラビットの誕生に秘められた恋
ヴィクトリア朝の封建的な空気が残る1902年のロンドン。上流階級の家庭に育ったビアトリクスは、子供の頃からの夢であった絵本を出版しようとしていていた。主人公は、青い上着を着た愛らしいうさぎ、ピーター。新人編集者、ノーマンはビアトリクスの絵に魅了され、二人で制作した絵本はたちまちイギリス中に知られるようになった。いつしか愛し合うようになる二人だったが、ビアトリクスの両親は身分違いの結婚を許さなかった。
ピーター・ラビットの作者として知られるビアトリクス・ポターTMの人生を描く。上流階級の女性が職業を持てなかった時代に、絵本作家としての道を自ら切り開いた進歩的なポターをレニー・ゼルウィガーが楽しげに演じている。実際のポターは、晩年、湖水地方の保護活動に携わるまでは、孤独な人生であったと伝える伝記が多い。しかし、本作では暗い部分はなく、『ベイブ』のクリス・ヌーナンらしい、温かくて愛らしい作品に仕上がっている。緑の中でのびのびと創作するポターの姿は、今回、初めて製作を手がけたゼルウィガーと重なるかも。「ありがちな作品にしたくなかった」とヌーナン監督が語るように、アニメーションを導入するなど楽しさ一杯。
● 怪談 監督: 中田秀夫 出演: 尾上菊之助/黒木瞳/井上真央
 死んでも、愛し続ける。
婀娜(あだ)な姿と芸が評判の富本の女師匠、豊志賀は、ある日、街筋で煙草売りの新吉とすれ違う。「またにしとくよ」と軽くいなす豊志賀だったが「やっぱりもらっておこうか」と新吉を呼び止める。煙草売りを口実に新吉は、豊志賀の稽古場に足繁く通うようになり、雪の降る夜、二人はついに男女の一線を越える。しかし、その後、二人に不幸が重なる。実はこの二人、親を殺された娘と、殺した男の息子という因縁の関係だった。
三遊亭円朝の名作落語「真景累ヶ淵」を、『リング』などのヒット作で知られる、Jホラーブームの火付け役、中田秀夫が身の凍るような美しい映像で映画化。主演は、『仄暗い水の底から』の黒木瞳と、歌舞伎界の新旗手、尾上菊之助だ。江戸時代、庶民に大流行した落語。中でも三遊亭円朝の作品は、今でも「脚本家になりたければ、シェイクスピアと三遊亭円朝は必読」と言われるくらいのヒットメーカーであったのだ。実際には演じるのに8時間以上かかる「真景累ヶ淵」をおいしいところだけ取り込み、『怪談』として現代に再現。黒木瞳演じる豊志賀の艶やかなこと。そして、尾上菊之助の妖しい美しさ。幼い頃の「肝だめし」を思い出す1作。
| 2007年07月25日(水) |
レミーのおいしいレストラン |
● レミーのおいしいレストラン 監督: ブラッド・バード 声の出演: ?
 料理が苦手な見習いシェフと、一流シェフになりたいネズミがタッグを組んだ?!
すぐれた鼻と舌を持つネズミのレミーは、一流シェフになるのが夢。ひょんなことからパリにたどり着いた彼は、今は亡き名シェフ・グストーの幽霊に出会い、彼のものだったレストランへ導かれる。そこで料理の才能ゼロの見習いシェフ・リングイニが、店の大事なスープを台なしにしてしまうのを見たレミーは、思わず味を整えに走る。レミーの才能を知ったリングイニは、二人でパリ一番のシェフを目指す…!?
『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』『カーズ』などの優れた3DCGアニメを生みだしてきた、スタジオ「ピクサー」作品。料理の才能は天才的だけど、“キッチンの嫌われ者”のネズミだから…と、シェフになる夢をあきらめていたレミー。だが人間の協力者(というより操り人形?!)を得て、一気に夢に近付くが…?!たまらなく愛らしいレミー、アニメとは思えないほどおいしそうな料理たち、魅惑的なパリの街並みと、心躍るような映像の連続!ストーリーも子どもが理解できるシンプルさながら、大人の胸に訴えかける深遠なメッセージを内包していて“噛みしめがい”がある。さすがはピクサー作品、期待を裏切らず万人を楽しませてくれる。
● シュレック3 監督: クリス・ミラー 声の出演: �霤腸躙�/藤原紀香/竹中直人 /山寺宏一
 あのシュレックが父親&王様に?! おとぎの国のお世継ぎ騒動の行方を描くシリーズ第3弾!
幸せな結婚生活を送っていたシュレックとフィオナ姫。そこへ病気に伏せていたフィオナの父・ハロルド国王の容態が悪化したとの報が入る。見舞いにきたシュレックにハロルドは次期国王になるよう頼むが、王様になんかなりたくないシュレックは大慌て。王家の血筋である魔法学校生のアーサーに王を継がせるため、一路魔法学校へと向かう。一方すっかり落ちぶれたチャーミング王子は、王座を奪いとる計画を立て…。
大人気のシュレックシリーズの第3弾。1作目でフィオナ姫と結ばれ、2作目で彼女の両親にも認められ、幸せな日々を手に入れたかに見えたシュレック。しかしそこにおとぎの国のお世継ぎ騒動が降りかかり、さらにフィオナ姫のお腹の中に赤ちゃんがいることも発覚。そんなてんやわんやな状況のシュレックが、王様候補探しの旅を通して成長していく姿を描いていく。シュレック、ドンキー、長ぐつをはいた猫の3人の繰り広げるテンポのよい会話は抱腹絶倒。これまで同様パロディも豊富に盛り込まれている。新たにファミリーに加わったジャスティン・ティンバーレイク演じるアーサーの親近感のある演技も心地よい。大人から子どもまで楽しめるアニメだ。
| 2007年06月16日(土) |
舞妓 Haaaan!!! |
● 舞妓 Haaaan!!! 監督: 水田伸生 出演: 阿部サダヲ/堤真一/柴咲コウ
 クドカン最新作!舞妓はん大好き男が、情熱だけで奇跡を起こし続けるジェットコースター・コメディ!!
鬼塚公彦は東京の食品会社で働く平凡なサラリーマン。ただひとつ普通じゃないのは、修学旅行で京都を訪れて以来、熱狂的な舞妓ファンだということ。そんな公彦に転機が訪れる。念願の京都支社に転勤が決まったのだ!死に物狂いで仕事して、最高峰の壁「一見さんお断り」を強引に乗り越え、やっとの思いでお茶屋デビュー!だがそこでお茶屋常連の野球選手・内藤と出会った公彦は、内藤に異常な競争心を燃やし…?!
ドラマ「ぼくの魔法使い」の監督・水田伸生×脚本・宮藤官九郎が仕掛ける、超ハイテンション・コメディ。阿部サダヲ演じる公彦は「舞妓さんが好き」で「内藤に負けたくない!」一心で、とんでもない“偉業”を次から次へと成し遂げていく。とにかく展開が早く、まばたきしているヒマすらないので注意!公彦にフラれた腹いせで、舞妓になってしまう柴咲コウは涼やかで凛とした舞妓姿を披露。それに対し、小出早織はかわいらしく、はんなりとした舞妓に扮し、あでやかな競演で楽しませてくれる。また主人公以上に変わり身が早く、とんでもない男・内藤を、堤真一がイキイキと演じている。出場は少ないが、本作が遺作となった植木等の粋人ぶりも印象深い。
● スパイダーマン3 監督: サム・ライミ 出演: トビー・マグワイア/キルスティン・ダンスト/ジェームズ・フランコ
 闘うべきは自分の中に潜むダークな心
今やピーター・パーカーの人生は順風満帆そのものだ。スパイダーマンとしてはNY市民にヒーローとして愛され、大学では成績トップ、ブロードウェイ・デビューを果たした恋人MJとの関係も良好で、ついにプロポーズを決意する。ところが、謎の黒い液状生命体に取り憑かれ、復讐と憎しみの感情に支配されたブラック・スパイダーマンになってしまう。そんな彼の前にこれまでになく手強い敵サンドマンとヴェノムが表れる…。
誰にだって他人の助けが必要になるときがある。たとえスーパーヒーローであっても。そのことに浮かれた心は気づかない。ゆえに恋人も友情も、本来持っていた優しい心も失いかけるピーター。シリーズを通して親友ハリー、恋人MJも含めた3人の成長物語を描いてきたサム・ライミ監督は、今回、彼らにそれぞれの心の闇の部分を見つめさせる。憎悪、失意、焦燥、悔恨の情を経て課せられる最大のテーマは「許す」こと。そして新たな運命の岐路に立つ彼らの選択と決意を描く。1作ごとにスケールアップを図ってきた大ヒットシリーズ第3弾は、もちろん凝りに凝ったCGIで見せるサンドマンやヴェノムの闘いぶりも圧巻で文句なく楽しめる。
● クィーン 監督: スティーヴン・フリアーズ 出演: ヘレン・ミレン/マイケル・シーン/ジェイムズ・クロムウェル
 ダイアナ元妃が亡くなった時、王室で何が起きていたのか。ヘレン・ミレン、アカデミー主演女優賞受賞作!
1997年8月、パリでダイアナが交通事故に遭い、帰らぬ人になった。王家においてダイアナはいつも頭痛の種で、民間人となっていたダイアナの死は本来関係のないことであった。女王はコメントを避けるが、ダイアナを称える国民の声は次第に高まっていく。やがてダイアナの死を無視し続ける女王に、国民の非難が寄せられるようになる。若き首相ブレアは、国民と王室が離れていくことに危機を感じ、その和解に力を注いでいく。
誰も知らないが、できれば知りたいダイアナに対するロイヤルファミリーの本音。ダイアナの突然の悲劇からの一週間、良き君主であろうとしてきた女王は、人生を捧げてきた国民から怒りをぶつけられていることを知り、大きなショックを受ける。そんな女王の苦悩を救い、国民と和解させようとするのが、ブレア首相というのが面白い。威厳をたたえる女王だが、本作ではユーモアを失わないチャーミングな女性としての一面も強調している。女王はイギリス国民全員の「愛すべき母」なのだと言わんばかりに。この映画を観た後は、誰もが女王を好きにならずにはいられないだろう。2007年アカデミー賞でヘレン・ミレンが主演女優賞を受賞した。
● バベル 監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 出演: ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/菊地凛子/役所広司
 一発の銃弾が、孤独な心を繋ぎあわす…
壊れかけた夫婦の絆を取り戻すために旅をしているアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。バスで山道を走行中、どこからか放たれた銃弾が、スーザンの肩を撃ち抜く。なんとか医者のいる村までたどり着くが、応急処置がやっと。彼は英語がなかなか通じない村の住人たち、対応が遅いアメリカ政府に苛立ちを露わにするが…。同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコは、満たされない日々にいら立ちを感じていた…。
メキシコの名匠、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が放つ衝撃のヒューマンドラマ。モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に、異なる事件から一つの真実が導かれていく。複数のストーリーがひとつに収束していく展開は、『アモーレス・ペロス』〜『21g』をより発展させたものといえ、監督三作目にして、“イニャリトゥ流”の確立がなされたともいえよう。第79回アカデミー賞において助演女優賞にノミネートされた菊地凛子の存在感のある演技は評価するに値する。最優秀作曲賞を受賞したグスタボ・サンタオラヤのスコアも素晴らしい。
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