日々是迷々之記
目次|前|次
2004年08月09日(月) |
さじ加減の難しさ・甘だれのもんだい |
半年くらい前から、友人のお誘いを受けとあるサイトで小さなコラムを書かせてもらっている。それは、ドラマやまんがの感想文とイラストなのだが、今月はそれがむちゃくちゃ難産なんである。
今までは自分でも好きだったドラマやまんがについてだったので、書くのは苦じゃなかった。むしろとても楽しく、原稿用紙2枚分くらいを10分くらいで書いていた。それが、今回は話題作の人気作なんだけれど、わたしにとってはものすごい駄作な漫画について書かなければいけなくなり、書き直しの連続なのである。
いやー、これはつらいっす。その漫画は「○○界に一石を投じる!!」みたいな作品なんだけど、私から見れば、主人公にどうしても感情移入できなくて、読み進めるのすら大変で、ついでに絵も好みじゃないし、ドラマ化されたその俳優さんまで好みじゃない(というか、顔を記憶できない平板な顔の人)なので、全面的にどうでもいい作品だった。
それでも書くのがプロというものなのは重々承知なのだが、どうもキーボードを叩く指が遅い。自分の意見を曲げる必要はないけれど、好きな人が見ても、途中で見なくなった人が見ても「あ、そうそう、そうなんだよね。」と思えるような軽い物を書くことが必要とのこと。私の書くトーンだと否定一色になってしまうようだった。ふがー。
というわけで、この2,3日はこれに悩み続けるような気がする。当たり前だけどプロの道は厳しい。いっそのこと好きなふりをして褒め褒め文を書く方が楽なのかもしれないが、それは絶対に誰にも響かない。名前を出す出さないに関わらず、大きくても小さくても、読み手に響く物、届く物を書きたい。それがあんまりない私のプライドのひとつかもしれない。
-----------------------------
せっかく今日は変な人に遭遇して、その人のことを書こうと思っていたのだが、重い話になってしまった。
忘れないうちに記しておくと、その変わった人=トミフェブ似のお嬢さんは回転寿司「あきんど」で、ねぎとろ軍艦に「甘だれ」をかけて食べていた。間違って、ではない。何故なら彼女ははまちのにぎりにも、たまごのにぎりにも、甘エビのにぎりにもしっかり甘だれをかけて食べていたのだ。
マヨラーならぬ、甘ダラーなんだろうか。オマケに、「蛤の赤だし」の「蛤」(はまぐり)が読めなかったようで、彼氏とメニューの写真を指さしながら、「これってカイって読むの?」とか会話していた。カイって貝かよ。「炙りトロ」なんかも悩んでいたようなので、そのうち寿司屋はぜんぶひらがなになるかもと思ってしまった。「おおとろ」「ちゅうとろ」ってなんか違う物みたいだ。
うーん、世の中にはまだまだ難しいことがたくさんある。
今日は5時に起きて、青春18きっぷの旅に出た。目的地は香川県。大阪から鈍行列車を乗り継いで、寄り道をしなければ4時間くらいで到着する。
4時間て!って普通の感覚だと長いと思う。が、そのゆっくりさが私にはぴったりだった。大阪を出て、兵庫県の真ん中(姫路くらい)まではうとうと眠りながら。それから目を覚まし、田んぼの景色を見たりしてぼんやりすごす。岡山駅からは四国に渡るため、快速に乗ったが、本州最後の駅でとなりの鈍行列車に飛びのった。そっちのほうが列車が古かったからだ。
4両編成でがらすきだった。窓が開くタイプで、しかも駅に着いてもドアは開かず、降りたい人が自分で開ける。何だか楽しい。
四国最初の駅で一応降りた。目的地は高松駅周辺だったので乗り換えようと思ったのだ。乗り換え時間が30分。駅の回りを散策しようと外に出たら、いい雰囲気だった。入道雲がもくもくしていて、でも、日陰は涼しい。大阪の邪悪な暑さとはちょっと違う。結局、駅の周辺地図を見て、さぬきうどんの店に片道30分てくてく歩いて行ってきた。
お店の人は、「よく歩いて来られましたね。」とよく冷房のあたる、景色のよい席を教えてくれた。私はそこで大根おろしの乗っかったぶっかけうどんと天ぷらを2種類食べた。高校野球を見ながら、うどんを食べ、私はとても充実感があった。帰りも同じ道を歩き、高松まで再び鈍行列車に乗り、今度は高松からフェリーで本州に渡り、帰ってきた。全部で14時間ほどかかったようだ。
行き当たりばったりで電車に乗ったり、降りたくなったら降りたり、という些細な非日常がとても心地よかった。毎日、ほぼ同じ道を同じ時間に走り、かわりばえのしない仕事をする毎日。私の神経は5ヶ月たった今でも麻痺することなく、脱線するチャンスをうかがっている。
あと青春18きっぷは4回分。9月10日まで使えるので、またどこかに行こうと思う。
会社で上司が長期療養のため休みになってしまった。何でも、体調が悪くなり、来週早々にも手術をするそうだ。多分一ヶ月くらいは休まれるようだ。ということで、毎日が忙しい。社員の人たちは9時や10時まで残っているらしいが、私はそんなに長時間、根性も体力も続かないので残業はほどほどである。
家に帰ってごはんを食べて、すぐ寝て、起きたら即出勤の繰り返しってどんなもんなんだろう。なんか、大いなる人生の無駄遣いというような気がする。自分の時間は生まれた瞬間から終わりに向かって近づいて行っているのに。
遠くに住む友達からメールが来た。皆、結婚して海外に住み、赤ちゃんがいる子たちだ。みんな大変そう&楽しそうで、とても充実している感じがする。一人の友人は、秋から大学に復学するそうだ。だんなが日本でいう正社員でなく契約社員。で、赤ちゃんがいるのに大学に復学できるというのは社会が豊かな証拠だと思う。うーん、生まれる国を間違ってしまった。
最近どうも働くことと得る物のバランスが取れてないことに気が付いた。会社勤めだと、休みが土日しかないわけだが、ふと思いついて今週末どっかに行こうと思っても予約ができない。それでもどっかに行きたければ、自力移動&野宿しかないってのも疲れる話だ。青春18切符で四国でも行って、夜はどっかのビジネスホテルでマッサージ椅子に座りながら、テレビ映画を見るのもいいなぁとふと思ったがそんなのムリだった。夏休みいっぱい予約が埋まっているのだ。
ということで、いつものように早寝遅起き、家でぼんやりしている。夕方になって日が陰ったら外出しようかなと思う。コレもある意味奴隷のように働くことと一緒で、人生の無駄遣いかもしれない。
|