基本的に、大阪の事は大阪人が決めればいい事だと思うが、やはり二重行政の無駄はなくすべきだ。 橋下大阪市長が提示した「大阪都構想」は、構想自体は良かったのだが、問題点を改善出来ないままに住民投票に突入してしまったのが失敗であった。 まず、「大阪都」というネーミング。「都構想」なら仕組みとして理解し易いが、「大阪府じゃなくて大阪都になっちゃうの?」という疑問を置いてけぼりにしてしまったのは、非常に拙かった。 名前など二の次で、まずは二重行政の無駄をなくす事を優先させ、きちんと「大阪府は府のままで、システムを変えるのです」と説明しておけば、余計な反発を招く事もなかっただろう。 それと、区割り。「あの区とは絶対一緒になりたくない」という周辺区民は少なくなかった筈。例えば、関西事情に疎い私ですら知っているほどの悪名高き西成区とか。 二度手間にはなるが、「区割りは後で考えるとして、まず都構想の可否を決めましょう」だったら、結果は違っていただろう。 思うに、橋下市長は急ぎ過ぎた。せっかちなのか。面倒臭くなって、さっさと白黒付けようぜと言う気分だったのか。 もっと腰を据えて戦略を練れば、勝てた戦だったのに。 勿体無い事をしたなあと思う。
市長は任期を満了したら、政界を退くという。 スッキリした顔で会見に臨み、悔いは無い様子だったが、風を巻き起こしはしたものの、結局中途半端で終わって残念である。 せめて、不正があったという噂を払拭すべく、監視員の元、開票作業をやり直したらいいのに。 未練ではなく、市長の仕事として、責任を持ってそこまでやって欲しいと思う。
2015年05月13日(水) |
京極夏彦著「死ねばいいのに」読了 |
朝方の地震ですっかり目が覚めてしまい、無駄に早起きしてしまった。 久し振りに大きな揺れで、建物がミシミシするほどだった。 原子力系の施設さえ無事なら、揺れようが津波が来ようが、別にいいんだけれどね。
そして久し振りに本を読んだ。 今週になって体調が上向いて来て、ジョーバに乗れるようになったので。 なかなか読み進まない本の時はジョーバに乗る気も失せたので、本選びは大事だと思った。 その前に読んだのは野沢尚「魔笛」と伊坂幸太郎「首折り男のための協奏曲」だったが、どちらもハズレで、買ったからには勿体無いから最後まで読む!という姿勢の私にしては珍しく、途中で投げ出してしまった。 野沢尚の他の作品は面白くて一気に読んだし、伊坂幸太郎の本を原作とした映画も面白かったが、文章になると話は別なのか、どうにも駄目だったのだ。 気を取り直して今回読んだのは、京極夏彦。 京極堂シリーズではないので、それほどくどくなかったし(但し比較の問題)、ほど良い感じで読めた。 「ほど良い」というのは、そこまで夢中になる事無く、ジョーバに乗りながら毎日15分か30分感読むには丁度良いという事である。これがグイグイ引き込まれてしまうような本だと家事に支障を来たすので、それはそれで困るのだ。 特に何かの教訓が含まれる訳でもない、一寸不気味な感じのする話だった。 でも悪くない。 少なくとも、京極堂シリーズのようなイライラ感は無かったので、私は割と好きだ。
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