天上天下唯我独尊

2015年07月22日(水) 脱走兵に手を焼く

今月の子守は4泊5日。
1箇月振りに会った赤ん坊は、後ろ足が使えるようになっており、ハイハイのスピードが格段に上がっていた。
んきゃきゃきゃ!と笑うとターボがかかる仕組みになっているらしく、興奮した時の加速が凄い。
そればかりか、掴まり立ちまでするように!まだ早いぞ!
益々目が離せなくなってしまうので、もう少しゆっくり成長して頂きたい。
それに脚が変形するのも困るし。男の子でもやっぱりO脚とか格好悪いじゃない。うちの主人がそれで、とてもみっともない。
そしてあろう事か、バウンサーが役に立たなくなった。
妹が赤ん坊を床にお座りさせたまま食事を与えていたので、
「何でバウンサーに座らせないの」
と咎めたら
「え、だってお姉ちゃんがバウンサーから下ろしたんでしょ?」
と答えるので、いやアンタが下ろしたんでしょと押し問答になり、バウンサーを確認するとベルトは嵌まったままだったので、赤ん坊が自力で縄抜けしたと判明した。
どうしよう、ベビーシート並みに肩からがっちり固定出来る椅子に替えなきゃならないのか。

妹が赤ん坊だった頃にはバウンサーなんて無かったけれど、これは赤ん坊を括り付けておくのに実に便利で、発明した人にはノーベル賞をあげてもいいと思う。少なくともオバマよりは受賞する権利がある。
食事の時は勿論、一人で風呂に入れなきゃならない時にも重宝する。
ハイハイ前の赤ん坊なら脱衣場に玩具と一緒に転がして置けば良かったが、あちこち動き回るようになるとそうも行かない。
タオルや着替えやおしめをきっちり準備しておいてから、赤ん坊をバウンサーに座らせ、録画しておいた「いないいないばあっ!」を再生。15分間でトイレと入浴を済ませる。
「おかあさんといっしょ」ならもう少し時間に余裕が出来るが、これは赤ん坊が興味を示さないコーナーもあるので、余り向かない。
再生が終わる頃にバスタオルを体に巻いて、居間に赤ん坊を迎えに行き、それから一緒に風呂に戻って赤ん坊を洗いにかかる。
この時期は暑いからか疲れが出るのか、結構な割合で、赤ん坊は洗髪中に眠ってしまっていた。
体が脱力しているので多少扱い辛いが、あちこち動こうとして邪魔をする事も無いので、寝てくれると割と楽である。

そんな訳で、「いないいないばあっ!」には助けられている。
ワンワンと一緒に司会進行を務めるゆきちゃんが、可愛いだけでなく、凄い。
ゆきちゃん自身がほんの一寸前までよちよち歩きだっただろうに、よちよち歩きの子供達と一緒に上手に番組をやっている。
私があの年頃だったら、周りの事なんて目に入らずに、幼児達にぶつかって転ばせて泣かせていただろう。いや大人になった今も大して変わらないか。
そしてこの番組を作っているNHK凄い。0歳児が夢中になる番組なんて、他に無いんじゃないか。
NHK受信料を払わない事を当然の権利のように言う人もいるが、少なくともこの番組を子供達に見せている親は、受信料を支払うべきである。
支払わないのは、給食費を払わない親と同じだ。



2015年07月21日(火) とあるレストランにて

妹宅に向かう途中、腹が減ったので、ふらりとレストランに寄った。
何の下調べもしなかったのでこんな所に店がある事すら知らなかったが、有名な牧場の直営店らしい。
なら味は間違い無い筈と思い、店に入ろうとしたら、入り口に客が並んで待っていた。
あれ、窓から見える店内の様子ではまだ空席があるようだけれど……と訝しんでいると、待っていたおばちゃん達が、「私達は1時半からだから、そうじゃなかったらどうぞ入っていいのよ」と声をかけてくれた。
後10分、1時半から何があるのか一寸気になったが、腹が減っていたのでさっさと入店してしまった。
しかし後で知ったのだが、13時半からなら特別メニューを特別価格で食べられるとの事。私が臍を噛んだのは言うまでもない。
下調べって大事だ。或いはおばちゃん達に訊けば良かったのだ。

その時点ではそれを知らなかったため、普通のメニューを普通に頼んでしまった訳だが、隣の席は、身綺麗な30歳ぐらいの母親と小学校低学年ぐらいの男の子の2人連れであった。
男の子は地面に着かない足を空中でブラブラさせ、頻りに母親に話しかけている。
しかし母親はろくすっぽ返事もせず、スマホを弄ってばかり。
料理が来ても箸を付けず、写真撮影をして文字を入力している。
男の子は母親の注意を惹きたくて、つい声高になるものだから、煩くて仕方無い。
これが店内を走り回るような餓鬼だったら容赦無く母親を叱り付けただろうが、そこまで迷惑を蒙っている訳ではないので、取り敢えず黙っておいた。
男の子が半分食べたあたりで、母親も漸くスマホを置いて、すっかり冷めてしまった食事に手を付け、男の子ともちゃんと受け答えするようになったが、何だかなあと思ってしまったのだった。
子供から見たら、母親が小さな器械に夢中で、自分の事なんか完全に無視しているのって、どう感じるんだろう。
傍から見て、とても不気味であった。


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