2015年10月09日(金) |
ナヴァロ&ポインター著「FBIプロファイラーが教える『危ない人』の見分け方」 |
ふらりと立ち寄った本屋で、偶然目に留まって衝動買いしてしまった。 ハードカバーで税別2,000円もするが、その価値はあったと思う。 翻訳が微妙な箇所もあるが、断言しよう。 これは良書である。
日本では性善説が蔓延し、人を信じる事が美徳であるように言われているが、それじゃ駄目だと私は常々思っていた。 世の中には、信じて良い人間と、信じるべきではない人間が存在する。 著者の一人、ジョー・ナヴァロの言葉を借りれば、
「世界には2種類の人間がいる。 カップに飲み物を注ぐ者と、それを飲み干す者だ」
という事になろう。 自分の目の前にいる人間はそのどちらなのか、どうやって判断すれば良いかを、この本はわかり易く教えてくれる。 犬養毅は「話せばわかる」と言ったそうだが、相手によっては話し合いなど無意味どころか、余計事態を悪化させる事もあるのだ。 そういう場合はどうするか。「逃げるが勝ち」なのだ。 余計なお節介の大好きな善意の第三者が、 「あの人にも事情があるのよ。支えてあげて」 と言うのに流されてはいけない。 自分の直感に従って決断し、危険なものから身を遠ざける、これが自分と家族を守るために必要な事なのだ。 私がこれまでもやもやと考えていた事を、はっきりと明確に文章として記してあったので、読んでいていちいち頷いてしまった。 殺人鬼ほど危険ではないにしても、不愉快な気分にさせられる人物、一緒にいても楽しくない人物、攻撃的で心を傷付けて来る人物というのが、あなたの近くにもいるだろう。 友達は多い方が良いとか、顔が広いのは良い事だという風潮だが、果たしてそんな人物を自分の友人リストに載せていても、自分の心は喜んでいるだろうか。
・自己中心的 ・情緒不安定 ・パラノイア(偏執狂) ・プレデター(捕食者、略奪者)
親切にもチェック・リストまで用意されており、これらの人物には近付くな、関わるな、出会ったら逃げろ! というのが著者の教えで、出来ないとか無理とか四の五の言っていないで、そいつが親だろうが子供だろうがさっさと行動しろやという話であった。 でもそんな危険な人格を野放しにされると迷惑だから、親や子だったら逃げる前に処分して欲しいなというのが、私からのお願いである。
一言一句が尤も過ぎて、ついつい音読してしまっていたら、読み聞かせなくてもいいからと、何故か主人に拒否された。 平和過ぎる日本でぬくぬくと暮らしている性善説信者にこそ、是非とも読んで欲しい一冊である。 そして目を覚まして欲しい。
2015年10月08日(木) |
映画「Frozen」 |
2013年公開の、アメリカのディズニー映画である。 日本では翌2014年に公開された「アナと雪の女王」を、遅ればせながら観てみた。 最初は日本語吹き替えで観るつもりだったが、冒頭部、長老の台詞の日本語訳が気に食わなかったため字幕版で。 (だって、"Listen to me, Elsa"が「よく聞け、エルサ」だよ? そこは「よくお聞き、エルサ」じゃないのかね。私は英語はわからないし、ましてや翻訳の事なんて全く知らないが、仮令同じ意味でも、どの言い回しを選ぶかというのは大切だと思う。吹き替え版の翻訳をした人は、よっぽどセンスが無いのだと思った。字幕版は単に「エルサ」と呼びかけるだけだったが、そっちの方がまだマシである) 序でに言うと、邦題のセンスもどうかと思う。 そのまんま「フローズン」よりは良いとしても、どう見たってこりゃ雪の女王じゃなくて氷の女王じゃん。
内容は微妙であった。 所詮子供向けファンタジーなので、突っ込みどころ満載。 だがいちいち突っ込むのは野暮と言うものらしい。ファンタジーだから。 しかし雪国育ちとしては、ファンタジーとは言え、雪と氷の世界に温度を感じないのは如何なものかと思うのだ。 半袖で雪遊びなんてしたら、風邪引くよ! 素手で雪球作ったら、霜焼けになるよ! 南極でもないのに、息が白くないのはおかしいよ! 何じゃこのアニメは、マイアミの人間にでも作らせたのかよ、と文句タラタラで見ていたら、 「シオンはファンタジーに向いていないよね……」 と主人に言われた。そうね。 とは言え、絵は美しかったし、音楽も良かった。 特に「Let It Go」。昨年あれだけ大ヒットしたのも納得である。 しかしやっぱり翻訳が……。 エルサの口の動きに合わせた和訳を考えなければならないので、大変な苦労があったとは聞くが、あの和訳での歌を散々聴いた後でアニメを観ると、イメージと全然違っていた。 松たか子或いはメイJ版だと希望に溢れる歌のようだったが、実は「もうどうにでもな〜れ」という投げやりな歌だったというね。 それとこれは、会ったばかりで人となりのよくわからない人と、何か知らないけれどビビビと来たからって婚約するもんじゃありませんよという、若い女の子向けの教訓を含んだ話だったのかね。 ある意味、運命の出会いを全否定して、自由恋愛を推奨する物語であった。 ま、出会いはどうでもね、最終的に幸せになれればいいんですけれど。
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