退院から数日、主人の体調が良くなったようなので、三が日最終日には2人で初詣に行って来た。 車で遠出して、以前住んでいた所の大きな神社に。 神社の入り口前には行列が出来ていて、何で並んでいるのかなと思ったら、手水の順番待ちであった。 手水場は小さくて、一度に2〜3人しか使えないのだ。大きいのを設置してくれれば良いのに……と不満に思いながらも、省略せずにちゃんと手と口を清めてから境内に入る参拝客のマナーに感心した。 昨年散々だった主人のためにお守りを購入し、御神籤には興味が無いのでスルー、他人様の願い事の書かれた絵馬を見ると、なんと! リラックマの絵馬がある……イマドキはこんなのもあるのか! 「これ買って!」と主人に頼むも、お願い事を書いたらここにぶら下げて行かなきゃならないよ?と言われて思い悩む。 リラックマ絵馬は欲しい、お願い事もしたい、しかし持ち帰りたい。 だがこれ以上、家の中にリラックマグッズを無尽蔵に増やすのも如何なものかと思ったので、我慢した。 新年初の我慢! しかし、今冷静になって考えると、それなら絵馬にお願い事を書いて来れば良かったのだ。 新年から判断を誤っているなあ、私……。
主人が入院した時、4人部屋には先客として、じいさま2人がいた。 話好きで競馬好きのじいさまと、おっとりした感じのじいさま。 最初は3人で過ごしていたが、暫くすると4人目がやって来た。 この4人目のジジイが曲者で、重症のようで横になったままなのだが、ずーっと「イテテテテテテ」「ウーンウーン」「アイタタタタタ」「チクショー」と言っているのだ。ずーっと! 壊れた蓄音機かよ!と滞在時間の短い私ですら喉まで出掛かったのに、これを延々と訊かされる同室者は堪ったものではないと思うのだが、誰一人として文句を言わないって凄いと思った。 それだけならまだしも、ある時、競馬好きじいさまがテレビを付けたまま用足しに行ったら、ジジイが 「ったくテレビ付けっ放しでうるせえんだよ! ここはお前んちじゃねえっての!」 とブツクサ言っていたらしい。 えっアンタのエンドレス「イテテテテテ」の方がよっぽど煩いよ……と主人は吃驚したが、口には出さなかったという。私ならきっと考える間も無く口から飛び出てしまうだろう。 このジジイの件もあって私は個室移動を提案し続けたのだが、主人は最後まで首を縦に振らなかった。堪え性の無い私には理解出来ない。
年末年始は職員の人手が少なくなる事もあり、よっぽど重症でなければ「お家でお正月を」という建前のもと、入院患者達は家に帰される。 主人の病室では、ジジイを残して3人が退院となった訳だが、ジジイ1人で4人部屋を個室のように使う訳ではない。職員の手間を省くために、どこかの4人部屋に移動させられる事になる。 退院間際の競馬好きじいさまは、ジジイに 「こうやって誰かの話し声がする部屋ならまだいいけれど、残った患者達だけ集められるから、話しかけても誰も返事してくれないような人工呼吸器に繋がれた患者ばっかりの部屋に移されるよ、きっと」 と、じわじわと自分で敵を取っていたそうである。 じいさま、やるなあ!
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