1箇月ぶりの子守。 妹と甥っ子が実家に行くと言うので、その手伝いのつもりで前日に乗り込んだのだが、最寄駅に着くと既に強風が吹き荒れており、これ明日の移動は無理なんじゃないの……という予感で一杯。そう言えば、夏休み丸々実家で過ごす予定だった幼馴染も、台風の予報を受けて、一日繰り上げて東京の自宅に戻ると言っていた。察するに、今回の台風は相当ヤバいらしい。 無人の妹宅に着くとすぐに仕事中の妹に連絡して、今から保育園に甥っ子を迎えに行ってそのまま実家に連れて行くから、お前は台風が通過した明後日に来いと言ったら、台風が来る事を知らなかったらしい……ニュースも見ていないとか。それって社会人としてどうなの。 取り敢えず妹の合意は取れたので、甥っ子の荷物を纏めて私のスーツケースに突っ込み、タクシーを呼んで、保育園に寄って甥っ子を拾い、駅に向かった。
道中甥っ子は眠らなかったけれど、泣いたり騒いだりする事も無く、比較的お利口さんにしていた。というか、最初はなかなか私と目を合わせようとしなかった。忘れた訳ではなさそうだが、久し振りの対面で警戒していたのか。 ただ、紙おむつの飽和おしっこ量を超えてしまったようで、ズボンまで濡らしてしまったため、車輛の隅っこでこっそり紙おむつとズボンを替えた。だからケチらずに良いのを穿かせろって言ってるのに。 実家の最寄駅からはタクシーで。実家の玄関前に到着すると、父の車を見付けた甥っ子が突然、「じーちゃ!」と叫んだ。そうだねじいちゃんの車だねえ、と言うと、じーちゃ!じーちゃ!と大興奮の甥っ子。運転手さんも思わず笑っていた。
今回の甥っ子 ・直射日光が当たると「まぶしー」と言う ・1箇月前までは「マンマン」だったのが、ちゃんと「アンパンマン」と言えるようになってた。「バイキンマン」も ・歌のリクエストが増えた。「ちょうちょ」と「かえる(のうた)」の他に、新しく「とんぼ」も。 「♪おーおーおーおーおおーおおおおーおー(レーソーレードーシラーラシラソーミー)」と歌ってやったら、違う!と怒られた。長渕じゃないんなら、ちゃんと「とんぼのめがね」と言ってくれないと ・立ったまま同じ位置でグルグル回る事が出来る ・絆創膏は相変わらず嫌い。そればかりか、虫刺されの薬も嫌がって泣くように。前回までは平気だったのに……。 寝ている時に塗ろうとしても、眠い目を抉じ開けて「イヤ、イヤ」と逃げる。以前、薬を塗った後で絆創膏を貼ったのが失敗だったかー ・甥っ子がトイレの前で「トイレ、トイレ」と言っていたが、確認するとおしめの中にはうんこが入っていたので、「はいはい、うんこだったのね、おしめ交換しようね〜」と交換した直後、私が先に個室に入ってしまったため、甥っ子は間に合わずにドアの外で放尿していた。「トイレ」って申告はおしっこの事だったのね……。 泣く甥っ子には悪い事をしたが、私が間に合わずに漏らすのもどうかと思うので、これはもう仕方無いとしか言いようが無いだろう ・数を数える。わかっているのかは不明だが、先月まで全て「いーち、いーち、いーち」だった事を思えば、だいぶ進歩している ・重い。抱っこしての階段の上り下りはもう限界である。膝が辛い ・私が化粧をしていると、「ん、ん」と言って、自分にもパタパタしろとねだる。パフで顔を撫でてやると満足する。 マスカラを付けていると、「め、め」と言って、自分にも付けろと言う。「じゃあお目目瞑ってごらん」と言って、マスカラを塗る真似をすると満足するが、お前マスカラなんて必要ないぐらいに睫毛が長くて目がパッチリしてるだろうが! なんか悔しい
実家には数日滞在するつもりだったが、翌日大変な連絡が入る。
1週間の子守終了。 ここ何回かは隔週で出張らなければならなかったが、次回まで1箇月ぐらい休めるので嬉しい。 暫くは羽を伸ばして思いっ切りぐうたらする所存。
妹の仕事が忙しくて大変なので、今回も公共交通機関で、甥っ子を連れて実家に身を寄せた。 乗り換えの時に、歩きたくないからスーツケースの上に座らせろ、そして押して運べと言う(喋れないけれど、そう指示する)のでそのようにしてやったら、急な方向転換でバランスを崩してスーツケースから落ちた。 でも泣かない。保育園で鍛えられているからか、案外強い子である。 実家では、家の中で遊んだり散歩に行ったり。一応絵本やクレヨンも持って来たけれど、疲れさせてぐっすり眠って欲しいとの思惑から、なるべく体を動かす遊びをさせていたが、付き合うこちらも一緒に消耗するという諸刃の剣。 家の中で、冷房の効いた居間で遊んでいるうちは良いのだが、何故かそこを出て遊ぶのが困りもの。暑いよ……。 甥っ子は実家に身を寄せている間、夜は祖父母である私の両親と川の字になって寝るのだが、階段を上って布団を敷きっ放しの寝室に行っては、そこでマット遊びをしたがる。 監督として見張っているだけならまだいいが、私にも一緒に遊べと要求する。仕方が無いので布団の上でゴロゴロ転がる。そうしているうちに眠くなるので、甥っ子も眠ってくれないかなと思うのだが、私が眠りかけて動かなくなっていると、怒って頭の下に手を入れて起こそうとする。 今度は東向きの出窓の棚部分に攀じ登り、腰を下ろして、「ここ、ここ」と自分の隣に座れと指示する。ええとそこは午前中のこの時間帯、家の中で最も暑い場所なんですが、なんで選りに選ってそこなんですかね……と思うも、甥っ子は滝のような汗を流しながらもとても楽しそうである。 仕方ない付き合ってやるか、と腰を下ろした瞬間、「やっぱ無理。暑くて無理」と弾けるように立ち上がってしまった。障子では太陽の光を防げない。勿論甥っ子は怒ったが、無理なものは無理なのである。 丁度2階に上がって来た母に後を任せて、私は居間に引っ込んだ。あの子に付き合ってたら、こっちが汗疹だらけになってしまう。
散歩で近所の公園を通りがかると、綺麗に草が刈られていた。実家のある古い住宅地では少子高齢化が進んでいて、今ではここで遊ぶ子供もいないのだ。そう言えば、私が子供の頃よりも、遊具が減っている気がする。 草ぼうぼうの時は甥っ子が遊びたがっても「蚊がいるから駄目ね」とスルーしていたが、折角誰かが刈ってくれたので、遊んで行く事にした。甥っ子は滑り台に一目散。 途中まで滑り降りたが、真ん中でべったり付いたまま乾燥した鳥の糞を指差して、「ばっちっち」と言う。どうせ汗まみれなんだから服なんて汚していいよ(暑さと疲労のために投げ遣り)と思ったが、適当にティッシュで擦り取ってやったら、満足したようでやっと下まで降りた。だが慎重派なので、勢い良く滑り降りる事は出来ずに、恐る恐るブレーキをかけながらの滑り台遊びである。 逆から上る事も出来るようになっていて、成長を感じた。そして天辺に辿り着くと、得意気に叫ぶ。近所迷惑。 帰りに、無人の広場で、庭で採って来た椿の実を投げて遊んだ。 甥っ子が投げた実が乾いた側溝に落ちたので、自分で拾いなと甥っ子を下に降ろしたら、面白がって側溝の中を走って行ってしまった。呼んだらちゃんと戻って来たけれど、子供には楽しかったらしく、わざと椿の実を側溝に落とすようになってしまった。それを阻止する私との攻防が繰り広げられたが、お仕事の車が広場にやって来たので撤収。
今回の甥っ子 ・「あちい」を覚えた。「熱い」と「暑い」の両方。 湯舟に浸かって「あちい」と言って、窓を指差して「ん、ん」と私を見る。「暑いから窓を開けろ」の意味 ・「もも」「デザート」も覚えた。桃を見ると大興奮する。自分の口に入ると信じて疑わず、大人が食べるのを見て泣いて怒る。お前さっき食べたばっかりだろ…… ・セロテープを気に入ってしまった。金具で手を切るといけないので、自分でやっちゃ駄目ねと言ったら、ちゃんと持って来るように。適度な長さに切って渡すと、ペタペタと床に貼り付けるので、床がセロテープだらけに。しかし、もし断ったら自分で切ろうとして手を怪我するだろうし、ジレンマ。仕方ないので、なるべく目に付かない所に隠すしかない。 時々裏表がわからずに裏返しに貼ろうとして、上手く貼れなくて癇癪を起こす ・相変わらずよく食べる。カレーの皿も、迷わず大きい方を選ぶ。それ、私のなんだけど…… ・「お祖父ちゃん大好きな人ー」と言うと、「ハイ!」と手を挙げるが、「お祖母ちゃん好きな人ー」と言うと、無反応。「お祖母ちゃんの作るごはんが好きな人ー」だと「ハイ」と言うのに。因みに「お祖母ちゃん嫌いな人ー」と言うと、それは駄目だと察しているようで、明後日の方を指差して誤魔化す ・虫刺されの薬を塗ってやると、「ここ」「ここ」と刺されていない所にも塗って欲しがる
私はと言うと、クタクタに疲れて戻って来たというのに、体重が減っていないのは何故だろう。 多分この体重計、壊れているんだわ。新しいのを買わないと。
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