両親を施設に入れるミッションが終了したので、東京に寄って幼馴染と会う心積もりでいたのに、母親が忘れ物をしたために実家に引き返さねばならないという事態が生じたのが一週間前。 施設に引っ越すから準備しとけよって言ったのに、2週間以上あったのに何してたの?馬鹿なの? 妹宅からは東京を経由して帰宅するつもりで、もう一度実家に戻る事は想定しておらず軽装だったため、公共交通機関の中は私には涼し過ぎて、風邪を引いてしまったのであった。 先月姪っ子からうつされた風邪がやっと治ったと思ったらこれだよ! こんな事なら人目も憚らずにデザートピコとかいうモコモコの部屋着を引っ張り出して着れば良かった。 結論:人目を気にしたら負け
幼馴染にはキャンセルのメールをしたものの梨の礫だったので、一応電話を入れたら、メールに気付いていなかったとの事で逆に謝られてしまった。 取り敢えず怒ってシカトされていた訳ではないようでほっとした。 電話だけでもこれだけ盛り上がれるのだから、実際会ったら話が止まらないだろうな……。 それほどに我々は会話に飢えているのだ。
やっと両親を施設にぶち込んだ。 まだ実家の片付けやら色々と始末が残っているが、取り敢えず一区切り付いたという事で、妹夫婦の豪邸にて祝杯を挙げていたところ、義弟が 「お父さん達には永生きして欲しいね」 と口走ったので脊髄反射的に 「えっ何で?」 と訊いてしまった。 吃驚したような困ったような顔をして二の句が継げない義弟の代わりに妹が、 「だってほら、折角施設に入ったばっかりなんだしさ」 と言ったので、 「嗚呼なるほど、入所金が勿体無いもんね」 と一応肯いてみせたのだけれど、どうやら義弟はそういう意味で言ったのではなかったらしい。 「何かさあ、未知の生物を見るような目で見られちゃったよ!」 と自宅にいる主人に電話で訴えると、 「そりゃね。ドビーちゃんも僕もシオンがどういう奴か知っているけれど、彼はそうじゃないだろうからな。 まあこれで晴れてドビーちゃん家には出禁だね」 と言われる始末。 何なのよう、まるで私が悪いみたいじゃないの。 つーかもう十分永生きしたでしょ。呆け老人がこれ以上生き永らえて、限りある社会のリソース食い潰してどうすんのよ。 そもそも私は昔からこういう考えなのだ。 無駄に永生きし過ぎる老人の記事を読んで、安楽死制度(尊厳死制度でもいい。この際呼び方なんてどうでもいい)は必要であると結論付けた高校生の頃から全く変わっていない。たとえそれが自分の親であっても自分であってもだ。 「さっき、私の発言に狼狽えてたわよね、アンタの亭主」 と後で妹に言ったところ、 「ホラ、彼の周りって保育士とか介護士とか、弱者に寄り添う仕事の人が多いからさ……お姉ちゃんみたいなタイプには今まで遭遇した事が無かったから」 という回答が返って来た訳だが、弱者って何かね。 私に思想信条の自由と言論の自由は無いのかよ!
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