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『人生、一度きりよ』
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風が強い。 我が家の周囲はなにもなく吹きっさらしなので、駅前に駐輪してある自転車がバタバタと倒れている。たまにスクーターも倒れている。おそるべし、我が町。
日記を書きながらふと横を見ると姿見があって、そこに猿さながらのわしが見えた。バランスチェアに正しく座れないわし。気がつくとヤンキーみたいな体勢になってる。背骨に悪いぞバランスチェア。 って、うまく座るコツもじつはつかんではいるのだが、あえてその技は発動しない。使えよ。
で、風邪ひいてて眠いから、ネルーッ!!!
のど痛い。風邪ひいた。 先週末の家人の症状とおなじじゃん。ヤバシ。 でもまあ熱もないようだし、家人ほどはひどくはならないかな。
さっきお風呂に入りながら、ふと花火大会のことを考えた。季節はずれだが、思いついてしまったものはしかたない。
私は花火大会が好きで、よく行く。といっても近所で開催されるものしか行かないから、ここ数年はだいたい「隅田川」「中川」「江戸川」の3つくらいだけど。 この中では「江戸川」がいちばん好き。 で、ヒマだったら行く。いっしょに行く人の都合がつかなければ、ひとりで行く。
5年前に江戸川にひとりで行った。まわりは家族連れや友達同士にカップル。ひとりで来てるひとなんて見つからなかった。まわりのひとたちがチラチラと私を見る。見んなよ。
始まるまでのあいだ、私は土手の上に腰掛けて、夕暮れを眺めていた。となりにはウンチク男が彼女にナニヤラどうでもいいウンチクをご大層にたれていた。玉屋と鍵屋のことなんて聞きたかねえよ。 私は鞄の中からMDプレイヤーを出してイヤフォンを装着し、スウィッチを入れた。「3・2・1」音楽が始まった。男の声も周囲のざわめきも、会場のアナウンスも消えた。そのまま、エンドレスでそのMDをリピートした。
花火大会の開催を私に伝えたのは、重低音の大地を揺らす振動。 3回目の「ここにいる」のとき、大きな白い花火が幾重にも開いた。
けっきょく最後までMDを聴いたままだった。 帰り道、イヤフォンを外すと、虫の声と女子高生たちの笑い声が聞こえた。
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