2025年05月18日(日) |
高校総体奈良県大会3回戦 香芝−畝傍 |
全国高校総体は夏のカップ戦であり、奈良県大会もトーナメント方式なのは以前から変わらないが、以前はトーナメントの仕組みに難があり、強豪校が力の足りない高校と1回戦からぶつかり、大差のゲームが多かった。それが昨年から実力の接近した高校同士でぶつかり、シード校は3回戦から登場する方式に代わった。これにより接戦が大幅に増えて、勝った高校にも負けた高校にも得るものが多い大会になった。
さて、連日の疲労がたまり、この日の観戦を迷っていた。当初関西学生リーグを考えていたが、この日は観戦環境が劣悪で落ちた体力には厳しい。関西は、というか日本のフットボール環境はまだまだ貧しい。このあたりの環境の改善は私の世代だけでなく、続く世代にも頑張って勝ち取ってもらいたい。
で、奈良大会を1試合だけ観ることにした。奈良県1部リーグ同士のカードがあったのである。上位に付けている畝傍と、今のところ全敗と大苦戦している香芝の対戦である。畝傍は元Jリーガーの谷口先生が自陣からビルドアップする丁寧なサッカーを実現させている。対する香芝は前任の米原先生の時代に都会的なショートパスで強豪になったが、米原先生は生駒に転任したのち、私学の大阪府の金光大阪に行ってしまった。金光大阪の運動量スタイルと米原先生が香芝で実現したスタイルはまるで違うし、金光大阪は岩松先生の運動量スタイルを変えていないが、とにかく合わない印象の金光大阪に入った。
高校総体奈良県大会3回戦 香芝高校−畝傍高校 5月18日 10時 ヤタガラスフィールド東 人工芝 晴
香芝 十六十四 十八四番八番十七 十九六番十五二番 一番
畝傍 十六十一五番 十番 十五八番 二番三番四番六番 一番
立ち上がり、双方繋ごうとする。ただ香芝の守備が甘い。警戒すべき畝傍のセンターフォワード11番を離してポストを許し、空中戦も競らずに頭に当てさせている。だからトップ下10番も飛び出せる。両ウイングもサイドを走れるし、上がり目のボランチ8番を誰も見ていない。さらに畝傍のセンターバックは競るシーンでも畝傍11番に負けている。一方香芝のセンターフォワード14番は長身じゃないこともあって畝傍のセンターバックに負けている。畝傍は守備で狙いどころがしっかりしていて、前からのプレッシングはハマるし、後方はしっかりマークできている。香芝は繋ごうとするし、ある程度の技術もあるが、プレッシングを交わすすべがない印象である。9分、畝傍16番が左を破り、中に入れて左寄りから蹴り込む。ポジション的に10番か?0−1。11番はちはやと呼ばれている。24分、香芝16番→9番。9番は良く動いてフリーになろうとする。このままではいけないということで前半のうちに香芝ベンチが動いた。守備がルーズなのが問題だが、前半途中にはなかなか動けない。が、28分、畝傍、右で細かいパス回しで8番が飛び出して裏で受け右パスに走り込んだ10番が必死についてきたDFの前でキーパーニア下を潰したのを見てニア上に叩き込む。0−2。畝傍は11番が勝てるから2列目3列目から飛び出せるのか、香芝が飛び出した選手を見てないから飛び出せるのか?前半は0−2で終了。
後半も様相は変わらない。8番の飛び出しが畝傍の攻撃に厚みを加える。7分、畝傍、左に飛び出した10番が角度のないところから左クロスか?狙ったか?キーパーの上を越えて決まり0−3。ここで香芝は動く。4番→3番。4番はボランチだったが3番が左サイドバックに入り、19番がセンターバックに回る。センターバック6番がボランチに上がる。↓の布陣
九番十四 十八六番八番十七 三番十九十五二番 一番
この交代の意図はマークをしっかりすることと、6番が中盤でしっかり拾えるようにすることだろう。これが功を奏した。畝傍が疲れたこともある。畝傍も集中は全く欠いていなかった。18分、香芝の左コーナーキック、14番の右足が正確にニアに合い、ヘッドで逸らしてゴールに突き刺さる。1−3。 畝傍も交代を交える。10番16番15番→7番9番19番。↓の通り。
七番十一十九 九番五番 八番 二番三番四番六番 一番
守備的にシフトした。しかし中盤のデュエルで劣勢に。香芝も中盤で競り勝てれば繋げるチームだから。そして後半33分、距離のある左寄りの香芝のフリーキック、14番が入れるとゴール前でヘッドで競り勝ち、2−3と追撃。分かり易いエースの14番のキック精度が光った。しかし3点目はならず、畝傍が逃げ切った。 香芝の選手交代は当たったが、手を打つのが遅かった。バックラインに手を打つのは勇気がいると思うが……。3失点は大誤算だったかもしれない。畝傍の3点目はたぶんラッキーゴールだったし。試合をトータルで観れば畝傍の勝利は順当だった。香芝は今季の不調がチーム全体的に弱気にしてしまったのだろうか?
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