| 2004年06月05日(土) |
例えば同じ涙を知る。 |
人は、迷わずにはいられない。 人は、間違わずにはいられない。 人は、探さずにはいられない。 どちらに進めば正解なのか。 本当にこれで合っているのか。 本当に誰かに必要とされているのか。 わからない。 わからないから突き進み続ける。 弱いから。 間違っていると思っても、エサが見えていたら進んでしまう。 それが、悪いこととは思わない。 むしろ、そう在るべきだと思う。 その弱さは愛しむ弱さで在るべきだ。 私は、そんな、ヒトの弱さを愛している。 迷ってこその人間だと。 私も、迷い続ける。 無様に、不細工に、迷っては間違い、涙を堪えて笑うのだろう。 強がっていることは、秘密にしたい。 なんでも出来る自分で居たい。 間違ったことなんてないかのようなフリをして居たい。 例えば、私が好きなほど相手に好かれてなかったとしても、『いいのよ、私が勝手に好きなだけなんだから』なんて。 そんなの、強がりだ。 好かれた分だけ好かれたい。 欲しがっている分だけ欲しがられたい。 出来ることなら同化したい。 全てを手に入れて、自分だけのモノに。 それが本音。 どす黒く渦巻いたまま、吐き出されることのない本音。 実は、そんな本音を一番自分が嫌悪してるんだ。 だから、より、自分を隠そうとしてしまう。 自分が認識する『自分』は決して他人に誇れるような自分じゃないから。 隠して、押し込めて、何重にも何重にも厳重に梱包してしまった自分はとてもコンパクトだ。 だからきっと、見失う。 『本当の自分』『建前の自分』『〜な自分』自分、自分、自分。 全部、自分なのに。 一番汚い自分を自分で隠してるから、どうしても現実との差異に耐え切れなくなる。 好きな人になればなるほど、見られたくない自分。 それはきっと、迷宮でかくれんぼするようなもので。 見つけて欲しいんだと。 そして、許して欲しい。 誰でも、そうなんだよって。 みんな、思ってるんだよって。 見つけ出して、抱きしめて欲しいんだと。 勿論、それは、生半可なことじゃなくて。 迷宮でかくれんぼなんかしたら、ミイラ取りがミイラになってしまうことも有り得るわけで。 だから、ハナから諦める。 自分だったら、きっと探しに行かないから。 そんなリスクを背負ってまで、見つけ出さなきゃならないヒトかどうか、天秤に掛けてしまう。 そして、きっと自分可愛さに見捨ててしまうんだ、って。 そしてそれは、同時に相手の中の自分の存在の軽さに結びつく。 私が行かないんだから、きっとアナタも来てくれないよね。 そう、勝手に思い込む。 思い込みは鎖になって、自分をきっと雁字搦めにしていくんだろう。 泥沼にずぶずぶ落ちていく感覚。 空を飛べるなんて思ってもいない。 望んですらいない。 ただ、私は地上をアナタと手を繋いで歩きたかったのに。 気付いたら、私は一人だ。 一人、暗闇で泥沼に落ちて行く。 もがいてももがいても、抜け出せない。 暗闇だから岸に向かっているのか、中心に向かって沈んでいっているのかすらわからない。 底が、見えない。 足がつかないことがこんなに恐怖だったなんて。 でも今更戻れない。 着ていたお気に入りのワンピースが、泥水を吸い込んでべったりと身体に張り付いているから。 悪魔に魅入られたのかもしれない。 なんだか、沈み込むことすら、快感に思えてきた。 いつか来る泥沼の底には、嘘みたいに綺麗な宝石箱が落ちていて、その中にはきっと本音が隠されている。 ぼんやり光っているそれに手を伸ばしても、沼の底では開くことすらままならないのだろうけれど。
・・・こんなことをつらつらと考えた。 別に、今の自分の環境に即しているわけじゃない。 でも、こんなこともあったなぁと懐かしく思い出した。 あの時、きっと私は誰かに助けて欲しかったはずだ。 だけど、実際誰も私を助けられなかった。 問題に終止符を打ったのは自分だった。 結局、自分がどうしたいかだけで結論を出した。 相手は傷ついただろう。 相手のことなんか、ちっとも考えていなかったから。 あの時、私は何を求めていただろう。 今回も私は役に立ちそうにない。 助けられるもんなら助けてあげたい。 でも、私じゃだめだ。 それだけはわかる。 アクションを起こそうとも思わない。 自分は、非力だから。 そんなに、私は、出来た人間じゃない。 でも、味方にはなれる。 何があっても、傍を離れないことはできる。 逆を言えば、そんなことしか出来ないのだけれど。 どんな結果になろうとも、味方でいようと思う。 私は、信じているから。 出した結果が、全てだと思うから。 自分が納得して出した結果なら、それでいいと思う。 誰にもそれは責められない。 むしろ、誇るべき選択であるはずだ。 あの時、私は味方が欲しかった。 たった一人でいいから、『アンタ、間違ってないよ』って言って欲しかった。 だから、何かが起こった時は、心からそう言ってあげようと思う。 『大丈夫、アンタ間違ってなかったよ』って。 それから、泣こう。 私が、勝手に、だけど。 嬉し泣きでも悔し泣きでもなんでもいいから。 それしか出来ない自分が、本当に歯痒いけど、『(誰かを救ってあげたいとか)オマエ、そんなに偉い人間やったん?』って言われてから、それもそうかと思うようになったから。 アクションは所詮一方通行だから。 ならば、それが、せめても相手の負担になりませんように。 祈りが願いとなって叶うといい。 みんな、みんな。
今君に流れるのが、悲しい唄なら。
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