皇帝の日記
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イサムさんは午前中の先生が1人、午後には日によって違う先生が2人の、計3人の先生に見てもらっている。 それと校長先生。
イサムさんをお迎えに行くと、各先生に本日のイサムさんはどんな様子だったかを、簡単に聞かされるのだが。 報告の長さは、その日の生徒の居残り具合で決まる。 つまり、迎えに行った時に他の子がまだ沢山居るときは忙しいので、手短に。 どのくらいの時間にどのくらい昼寝したのかとか、どのくらいお昼ご飯食べたのか程度。
残りの生徒がイサムさんともう一人くらいだと、もうちょっと細かく教えてくれる。 どの先生も必ず言うのが、イサムさんはあんまり他の子に興味が無いと言うこと。 他の子とお話ししたりしないし、先生ともあんまり一緒になんかしようとしないらしいのだ。
まあそうでしょう。 母ともあんまりお話ししないし。 一人で車のカタログ読み込んでる時間のが多いです。
先生達は当初、イサムさんが日本語を話しているからコミュニケーションが取れないんだ、と思ったらしく、「イサムは日本語でなんて言ってるの?」と良く聞いて来たが・・・残念、それは日本語ではなくイサム語。 母でも何言ってるかさっぱりだよ。
イサムさんが他の子と遊ばず、ストイックに塀から顔を出しては、通り過ぎる車のエンジン音を模写して「ぶーん、ぶーん」と言い続けているので、ついには他の子達が「イサムは何してるんだろう?」と皆で塀から顔を出して、「ぶーん。ぶーん」とマネをするので、近所の人が面白がっているそうです。
いつかイサムさんがおしゃべりするようになったら、イサムさんの見ている世界を説明してくれるでしょうか。 それとも、それは内緒なのだろうか。
さて、そんなイサムさんの最新の用語。 バス=はしゅ サイレン=うーうー アウディ=あでぃ
皇帝

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