皇帝の日記
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2011年12月23日(金) 夢の如し

黒澤明監督のドリームズという映画を観た。
ジャバ夫さんに、「明黒沢の映画は観ないと」と言われて。

ショートストーリーを集めた物だけど、テーマは一貫していたと思う。
自然は怖い物、から始まって、段々人間の方が怖くなって行って、最後には人間が鬼になる。
途中、人間の作り出した原発6基が次々爆発して、子供を抱えたお母さんが色の着いた放射性物質から逃げ惑って海に追いつめられたり、原発の職員が自殺したり、今観ても、というか今観るから「あー」ってなるシーンも。
最後のショートは、監督が年だからか、やや理想郷的な終わり方。

CGが全部になる前の、映画的表現も面白いので観て損は無いでしょう。

さて、そんなわけで歯医者さんに行って来た。
日本で20年以上診てもらっている歯医者さんが居るのだが、帰国の度に診てもらってはいるものの、やはりこちらで暮らして行くからには、アメリカにも信頼できる歯医者さんを見つけるべきでしょう。

イサムさん出産後前回行った歯医者さんは、守銭奴で全く信用できない歯医者さんだったので(やたらインプラントを勧めたり、虫歯でもない歯をほっくり返したふりをして治療費を請求したり・・)、今回は別の歯医者さんへ。

ジャバ夫さんに実験で行ってもらっていたので、今回は中々良い歯医者さん。
治療の必要が無い場合は、シンプルに「では6ヶ月後にまた会いましょう」という歯医者さん。
それが普通なんだけど。
アメリカの歯科、皮膚科、精神科には要らん治療をして金儲けしようとする悪の医者がうんざりする程多いのだ。

ほんで、二回も入院してるから薄々気がついていたんですが、良い病院では患者が治療に積極的に参加しないといけない。
「〜の薬を使うけど、どうする?やる?」とか普通に聞かれる。
判断を患者にも委ねて来る。
聞きもしないで、薬をバンバン使う医者は守銭奴フラッグ。

本来日本でもそうあるべきなのかもしれないけれど、割と「医者の言う事に口出しするんじゃねえ」って雰囲気が濃厚なので、患者は医療について、知らなくても良いって事になってるよね。

いや、だから私に聞かれても良くわかんないんだけど。
わからないときは、「つまりどういう事?」と聞くと、詳しく答えてくれるので、そこでひるんではいけない。
ノーと言える強いメンタルも必要。

皇帝には6歳で神経を抜かれる程駄目にした6歳臼歯があるのだが(つまり一瞬で虫歯にしてる。
その後歯茎を鍛えまくって、奇跡的に短い根のまま歯痛も無く今日にいたるまでけなげに咀嚼を助けてくれているのであります。
しかし被せ物をしているので、時々表面が虫歯になったりしてる。

でもね、神経がないので、虫歯になっても治療しても、痛くも痒くもないのです。
そう言う意味では、もう死んでる歯。

それがまた小さな穴が、被せ物と歯茎のわずかな間に出来てしまった。
でもだからって、簡単にインプラントにはしませんよ。
治せる限り治して、出来る限り使ってやりたい大事な歯。
俺の大事な生涯の伴侶。
抜かせやしない!

というわけで、抜糸しないで虫歯表面を削って、また詰め物をしてもらう事に決めた。

そして治療開始。
「麻酔できるけど、どうする?」とまた聞かれる。
麻酔だとー?
しゃらくせえ!!
神経無えっつってんだろうが!!

とは言えないので「未だかつて、この歯を治療した時に麻酔を使ったためしがない」と言うと。
「うん、たぶん大丈夫だろうね。でもちょっとでも痛くなったら手を挙げてね。すぐ止めるから」と言ってチュイーンと削りはじめる医者。

案の定、痛くも痒くもないまま治療終了。
その間たった5分。
よし。

「では6ヶ月後来てね」と名医に言われて退出。

やっとアメリカでも歯医者を見つけたよ。
これで何かあっても安心だ。
変死体で見つかっても、歯医者さんにレントゲン取ってもらってるから照合してくれる事でしょう。

歯は大事にしましょうね。


皇帝