昨日、7月18日に姉が子供を出産した。 これで晴れて私も伯母さんである。
さて、この赤子。帝王切開で出産されたのだが、どうやら肺に水が入ってしまい、小児病棟に移されたと当日に母から聞いた。 流石に心配だったのだが、今日の昼、つい数ヶ月前に同じく帝王出産した同僚に話を聞いたら、「うちの子もそうだったよ。結構多いみたい。心配するほどではないわ」といわれ一安心していた。
私は明日、姉の病院へ見舞いに行くことにしていた。 ので、その時赤子が見れたらいいなぁと思っていたのだ。
さて、その日私は定時のチャイムと同時に仕事場を後にして猛ダッシュで駅へ向かった。 何故か。それは今日が金曜日だからだ。 このあいだから、すてきー!すてきー!と叫んでいたサイトのオーナーでヴォルアグ仲間、たぐりんさんから 「今日のアグニン、ずっこけるらしいっすよー!」 という素敵情報を得たからだ。 いつもなら、友達にビデオを借りる私。 だが、借り物のビデオを何回もコマ送りするわけにもいかない。 そこで、最後の15分だけでも自分でビデオを撮ろうと急ぎまくった訳だ。
で、何とか息を切らせながら帰ってみれば父母がいない。 おんや? と思いつつも気にせず(気にしろ)テレビに齧り付き。
きゃー! アグニー! 素敵ー! ヴォルまでずっこけてるしっ!!
なーんて、ご機嫌で見ていたわけである。
大体6時頃だっただろうか。電話がかかってきた。 父母からか?と思って電話に出てみれば、姉貴からだった。
なんと、赤子が調子悪く、内の近所の済○会病院に運ばれたのだというのだ。 なんですとぉ! こりゃ、アグニー! なんて言ってる場合じゃない!(ひでぇ伯母だ) 明日泊りに行くことになっていた友達に事情を電話し、ビデオをコマ送りする気にもなれず(当然だ)仕方ないので、昼から赤子についていっているらしい父母姉の旦那の為に飯を作ることにした。偉いな、俺(自分でいうな)
野菜炒めの下ごしらえがほとんど出来た頃だっただろうか。 心配で心配で、いつもより多めに切り刻んでおります!ってな野菜をザルに入れていた丁度その時、玄関の鍵が開く音がした。
帰ってきたっ!!!
もう、お帰りをいう心の余裕もない。 当然だ、まだ名前も決まっていなければ、私は顔も見ていないのだ。
玄関にようやく片足を踏み入れた父親に私は包丁を手にしたまま台所から飛び出して聞いた。
「どうだったのっ?!」 「かわいかったぁ〜v」
本気で包丁を投げそうになった。
「…………はぁ?(超低音)」 「いやなぁ、ガラス越しのまたガラス越しだから遠いんだが、もうかわいかったぞぉ! 今度はオペラグラスを持っていくんだ!」
んな事は誰も聞いてない。
結局、無事が判ってほっとした親父は、孫メロメロに戻ってしまったらしい。 気持ちは判る。すっごくよく判るが、私のこの心配した心は?! 看病し疲れてるだろう父母の為に、晩飯を作ってまっていたこの私の心は?! この怒りはどこにぶつければいいのっ!!!
包丁をぶるぶると握り締めた私はおもむろに受話器を持ち上げた。
ぷるるるぷるる
「はい」 「……明日、やっぱり泊まりに行く。絶対に行く。映画も見るんだ。ビデオだって見るんだ」 「……?」
えぇ。土日みっちりと遊んでやるわよっ!!! きぃっ!!!
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