雑感
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今シーズン初めてのオペラは初めて見る「仮面舞踏会」
オペラはイタもの、ヴェルディとプッチーニと思っている クチだけど、この作品は見る機会がなかった。 プッチーニの、背中をそっと撫でられたような甘やかな メロディにうっとりする一方で、ヴェルディの、人間性を深く 掘り起こしたような音楽が深みのある声で奏でられるのを 聴くと、オペラの世界に足を踏み入れたことへの幸せを 感じる。
上品で、おごそかに襟を正してシンフォニーを聴くよりも 舞台の上で起こる人間ドラマを見る方が自分の性に合って いるようだ。
昨夜は国王役のテノール(シコフ)が体当たりで歌い、 伯爵のバリトン、伯爵の妻のソプラノもそれぞれ よかったので質の高い舞台だったと思う。
それにしてもオペラ作品の嫉妬の沸点というのは低いなあと 思う。オペラのモチーフというのは不倫ものが多く、そこ から派生する愛情や憎しみが展開し不幸な結末へと導かれる。 ひたむきな愛情を示す一方で裏切られたと悟ったときの 行動が殺人をも犯しかねない危うさをはらんでいる。 「指輪」のブリュンヒルデしかり、「カルメン」のドン・ホセ も墓穴を掘ったし・・・
緩い対人関係しか築けない自分としては感情の沸点の低さに 人間らしさを感じて少しいいなと思ってみたりするのだが。
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