雑感
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2002年11月08日(金) 仮面舞踏会

今シーズン初めてのオペラは初めて見る「仮面舞踏会」

オペラはイタもの、ヴェルディとプッチーニと思っている
クチだけど、この作品は見る機会がなかった。
プッチーニの、背中をそっと撫でられたような甘やかな
メロディにうっとりする一方で、ヴェルディの、人間性を深く
掘り起こしたような音楽が深みのある声で奏でられるのを
聴くと、オペラの世界に足を踏み入れたことへの幸せを
感じる。

上品で、おごそかに襟を正してシンフォニーを聴くよりも
舞台の上で起こる人間ドラマを見る方が自分の性に合って
いるようだ。

昨夜は国王役のテノール(シコフ)が体当たりで歌い、
伯爵のバリトン、伯爵の妻のソプラノもそれぞれ
よかったので質の高い舞台だったと思う。

それにしてもオペラ作品の嫉妬の沸点というのは低いなあと
思う。オペラのモチーフというのは不倫ものが多く、そこ
から派生する愛情や憎しみが展開し不幸な結末へと導かれる。
ひたむきな愛情を示す一方で裏切られたと悟ったときの
行動が殺人をも犯しかねない危うさをはらんでいる。
「指輪」のブリュンヒルデしかり、「カルメン」のドン・ホセ
も墓穴を掘ったし・・・

緩い対人関係しか築けない自分としては感情の沸点の低さに
人間らしさを感じて少しいいなと思ってみたりするのだが。




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