雑感
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アルベルティーナでシーレ展が開催されていたので 見に行った。 シーレは1890年にオーストリアで生まれて、後にウィーンの 芸術アカデミーに入学。その頃から、独特の裸像を描き出した。 入学して間もない頃描いた人物画は、きっちりと頭蓋骨のバランスが 取れた、物差しで計ったような横顔だった。
なんてアンバランスな裸像を描くのだろうと思っていても、 初期にはしっかりデッサンを学んで、ちゃんとした絵を描くのだ なと思った。物差しで計ったような線はあまり魅力がない。 こういう基本を押さえて、最終的に行き着くところが、誰にでも 判別できる独自のスタイルなのだなと感心する。
高校生の頃、大阪のデパートで見た、プラハ国立美術館展の 代表作も見ることができてなつかしかった。 左膝を立ててポーズを取っている絵は誰もが一度は見たことが あると思う。 シーレの緑色を使った婦人画は、特に変哲もないのにエロチックで 一度見たら忘れられない。
シーレよりも、もっと人気のあるクリムトの絵は最近、ニュースになっているが、オーストリアギャラリー所蔵の5点が元の所有者の親族に返還されることになった。木曜に閣議決定されて、修復点検作業に入るため、昨日の日曜で 壁から外されてしまった。幸い、土曜日に見学に行って最後のお別れをしてきたところだ。いっきょに5点も大広間からなくなるのは寂しい限りだ。

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