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小学生の頃だっただろうか。 私は母と交換日記をしていた。 幼稚園の頃から何かと保母さんの手を煩わせていたので いろいろ心配だったのかもしれない。 心配、といってももちろん私のことが心配なわけではなく、 世間体が心配だったのだけど。
それもある時をきっかけに途絶え、 私は自分で日記を書くようになった。 ある夜、眠りから目を覚ますと、母が私の日記や ノートをむさぼるように読んでいるのを見てしまった。 「何しているの」と言おうと思ったけど、 今日だけの出来心かもしれないと思って黙って目を閉じた。
しかし、それはその日だけではなく、 母は私が寝ているのを見計らって日記を読んでいた。 きっと母も悪いと思っているだろうと思って 追及はしなかったのだが、 その後母と大喧嘩をし、勢いで 「人の日記読んでるくせに」と言ってしまった。 母はそのときいろいろ言い訳をあたふたとしはじめたが、 そのうちに「親が子供のことを知るのは 当然の権利だ」と開き直った。 そのときから、日記を書くのをしばらくやめた。
それから10年ほどたち、Web日記を書くようになった。 しかし、やはり近しい人が見ているせいか いろいろと心配されたり日記の言葉に対する 不安をうちあけられるようになった。 そこでもやりづらくなり、逃げ込んできたのが このエンピツさんだった。 今では、ネット上の知り合いだけでなくオフラインの知り合いにも 私が日記を書いていることを教えていない。
先日、エディタで日記を書いていたら、 うしろからの視線に気づいた。 うたたねしていたはずの母が食い入るように 画面のほうをみていたのだ。 私が顔をそちらの方向にむけるとさっと目を閉じたけど、 正直言ってうんざりした。 そんなに見たいならこっちにくれば? 手紙も請求書も貯金通帳も全部見てるのに、まだ足りないの?
私は、母に対しては嘘はついていない。 言っても無駄だと思えることを言っていないだけで、 疑われるようなことは何もしていない。 母が見ているとおり、私はいつも「食事して、風呂にはいって、 仕事して、寝る」生活を送っているだけ。 でも、母は口から出た言葉よりも こういうものに書かれた言葉や伝え聞いた言葉のほうが 信頼できるらしい。 ある時も、近所のバーで父がふともらした愚痴を聞いてしまい、 母はさんざん父のことをうそつき呼ばわりしていた。
言っても無駄、というより 言わなくてもいいこと、と言えばいいだろうか。 どっちでもいいのだけど。 母は落ち込みやすい人なので、 不満があっても我慢できる程度のことは 言わないでおいているだけなのだ。
言ってもいいのだけど、言えば言ったで こちらが罪悪感を感じるほど嘆かれてしまうし、 言外のことまで勝手に想像されるので、 1しか言ってないのに10責めたことにされてしまうのだ。 とはいっても、三日すればまた同じようなことを しはじめるので、言うだけ意味がない。 そもそも自分が悪いって思ってないから、 改善する意思自体もとからないのだ。
「明日から気をつけるね」って 明るく改善してくれるならいくらでも言えるし、 悲しませるだけなら我慢したほうがいいって思うのだけど、 でももう、そのままでいいや、ってあきらめてる。 だからちょっとした不満をどこかで言えば大丈夫になれるなら そういう場をもったっていいんじゃないかと思う。 父も仕方ないとわかっているものの つい酒の席で言ってしまった、とその程度なのだろう。 その愚痴を母に言ってしまったバーのママもママだけどね。
その人のことがどんなに好きでも、 いつも100%好きでいつづけることって難しい。 だから不満を感じるとどこかに出したくなってしまう。 でも、そのちょっとした不満をどこかに出すことで 相手のことをまた好きでいられるのなら、 そんな場所があってもいいんじゃないだろうか。 嫌いだからそうしてるんじゃなくて、 好きでいたいからそうしてるのだ。 でも母は、私や父がそんな場所を持つこと自体不満らしい。
私は、あなた宛ての本音は全てあなたに聞こえるように 目の前で口頭で言ってるはずなのだけど、 これ以上何を言えばいいのだろう。 もう腹の中を探られるのはこりごりです。 口で言って信じてもらえないんだから、手紙でもだしましょうか? あんまり疑われたり探られすぎると、いい加減疲れます。
とりあえずこれからは、誰もいないときに書こう。。。(--;
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