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2003年04月04日(金) |
自信のなさは物事を複雑にする/何も手につかない |
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「あまりおいしくないと思うけど」
「……(苦笑)」
これは、母が新メニュー(?)を作ったときに必ず 私と母との間でかわされる会話だ。 「ほんとうにおいしくなくなっちゃうから 「おいしくないかも」とか言わないで」と何度も注意したせいか だいぶ頻度は落ちたけれど、私が一口食べたあとに 「まずくないじゃん」あるいは「まあまあかな」 あわよくば「すごいおいしいじゃん」と言うのを期待して 言っているのはあきらかだ。
そういうことを繰り返してきたせいか、自分の味覚と あわないと感じた場合(ようするにおいしくなかった場合(^^;) 「塩分を控えめにするといいかもよ」とか 「ごまいれてみたら」とワンポイントアドバイスをいれて 遠まわしにダメだしをするのがうまくなってしまった。
なぜこんな遠まわしな会話をしないといけないのかというと、 母は父に自分の食事を「おいしい」と 言ってもらったことがないに等しいのだ。 自分がおいしいと思って出したものでも 「まずい」といわれてしまうので、 自分の味覚にあまり自信がないのだ。
人の自信のなさには、それをなくさせる原因が必ずある。 だから、ただ「もっと自信だしなよ」と周りに言われても その原因をどうにかしないと自信のだしようがない。 だから、「あー、この人これに自信がないんだなあ」と気づくと、 どう誉めればいいのか考えるようになってしまった。
でも「こう誉めてほしい」と言われるわけじゃないのでたまに失敗するし、 親しくないうちに失敗するとそこで終わりになってしまうこともある。 それが一番のぞましくないので、 できる限り相手のことを知ろうと努力している。 でも、自信がない部分が多い人はなかなか自分を出さないし 突然深くなろうとすると疑われてしまうので(苦笑) 気長にやるしかない。
「こうすればいいじゃん」と言えればいいのだけど、 そんなことは本人が一番わかっていると思うし、 他人から言われても自分の意思がともなわなければ なかなか実行できないものだ。 だから、どうすれば「こうすればいいじゃん」に到達できるのか いろいろ考えて相手をほめるくせをつけるうち、 ほめ上手の称号をいただくこともある。(^^ゞ でも、実はそれはあまり素直に喜べなかったりもする。
先ほどの新メニューも、私のために作ったのではなく 父に出す料理の試食なのだ。 私はいきなり否定しないで 「こうすればいいんじゃない」というので、 本番にいく前のお試しや代役的な立場をさせられることが多い。 自分のためじゃないものを出されたり、 本当は他の人に言いたいことを聞いてあげたりするのは、 なれてはきたものの実はあまりいい気分じゃない。
いつもならいいけど昨日の私のように 他人に気遣いややさしさを配布できない場合もある。 私は根っからやさしい人間というわけじゃないので、 自分がダメな場合は他人に極端に冷淡になってしまうのだ。 それをダイレクトに出して失敗したことが 何度かあるので、牙をむく前に 「今ちょっとちょーしわるいんだ。ごめんね(はぁと)」 というようにはしている。 (そして日記に「相談したいなら 相談したい本人のところにいけ」と書いてみたり。はぁ。(^^;)
こんなことをしているけど、私ももちろん自信がない。 (「もちろん」って。。。) 今この人は何かを必要としているんだろうな、と思うと 声をかけてみたくなるのだけど、 相手に対する思いが強ければ強いほど、 それができなくなってしまうのが悩みだ。
好きな人の力になりたいと思うのが普通なのかもしれないけど、 二番手の立場が長かったし、 母が何をしても父に否定されるのを長くみていたせいか、 何をいっても自分の言葉ではだめなんじゃないかと思えるのだ。 他の人には「こうすれば」と言えるけど、 好きな人には「こうすれば」と思っても 私に言ってほしいんじゃないんだろうなあと思ってしまう。
だからそういうときは私はいつも 「自分が弱っているときに 声すらかけてくれない冷たい人」という相手にとって 一番のぞましくない人になってしまうのだ。しくしく。 本心はどうにかしてあげたくて仕方ないのだけど、 行動に出てなければ冷たいのと一緒だ。 そこで一歩踏み出せれば人生かわってたかもしれないけど、 たぶんずっとこうなんだろうと思う。(^^;
昨日も知人がすごく苦しんでるようだったので 思わず何かいいたくなってしまったけれど、やめてしまった。 その人とはずっと前から すごく仲良くなれそうな気がしたけど、 そういう人だからこそ、 私はそういうときに声がかけられない。 たぶんこれから先も、むこうから 声をかけてこない限りは何もしないと思う。
なんでそんなことするの、って思うかもしれないけど、 最初にも書いたとおり、自信をなくすには それなりに原因があるのだ。
私や私の周りの人が自信のなさを克服できれば、 物事はもっとシンプルになると思うし、 私も余計な気を回すこともなくなるだろう。 でも、そんなにすぐに解決できるものであれば、 誰もこんなに悩んだり遠回りなことはしないと思う。
うまくいかないね。
この気持ちをどうしていいのかわからないでいたけれど、 いつかやりすごせるようになると思っていた。 でも、とうとう何も手につかなくなってしまった。
先に進んでも何もない。 忘れなくちゃいけないんだ。
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