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2003年04月26日(土) Questions and Answers/ray of sunshine


−ねえ、わからないの。
 どうして、みんな私を傷つけたり怖がったりするの?
 私、ずっと正直だったし、何も隠さなかったわ。


−私もあんたが怖いよ。
 矢を受けてもにこにこしてるし、
 何しても死なないんだもん。

 自分の心をさらけ出すのを怖がるやつのほうが多いんだから、
 目の前にそうやってるやつがいたら、
 倒してみたくなるもんだろ。
 みんな、無防備でいるのは損だって証明したいんだから。

 でも、あんたは倒れない。
 むこうは防具をつけてても負けてるのに、
 自分が同じ状態になったら
 すぐに負けるのがわかってるから、
 怯えちゃうんじゃない?


−なんか、ひどい言い方〜。(笑)
 まるで私、ゾンビみたいじゃない。


−正直で人を信じすぎるやつは
 ゾンビと同じくらい不気味で怖いってことだよ。
 自分の何を見てるのかわからないし、
 自分の嘘がどのくらいばれてるのか
 怖くてたまらないのに、
 ずっと自分のほうを見つめながら近づいてくるんだから。


−……そうなんだ。


−それに、正直な言葉っていうのは
 臆病者にはかなり痛いもんなんだよ。
 こっちがやさしく投げているつもりでもね。
 むこうはどうキャッチしていいかわからないから、
 構えることすらできないでいるうちに
 そのままの速度で思い切りぶつかっちゃうんだよ。

 正直に接しつづけた結果、相手が自滅してったのを
 何回も見たからわかるでしょ?


−自滅って。。。ひどいなあ。


−自滅でしょうが。。。
 臆病者が答えられないようなことばかり言ってるから
 やつらはあんたと一緒にいるだけでつらくなるんだよ。
 自分の不誠実さや弱さのほうが問題なのに、
 あんたへの恐怖を敵意とすりかえることで
 自分を正当化してる人もいるみたいだけどね。


−私がここにいるのは迷惑なの?


−違うよ。迷惑じゃない。
 ただ、恐怖心を乗り越える時間がほしい。
 その時間さえもらえれば、あんたのほうを
 見られるようになると思う。
 今みたいにすぐに心で抱きついてくるんじゃなくて……。(苦笑)
 ちょっとずつ近づいてきてくれれば、たぶん大丈夫。


−それは、どのくらいかかるの?


−わからない。
 でも、無理して待つ必要はない。
 他に待つべき人はいっぱいいるはずだから、
 待つのにあきたらむこうにいっちゃっていいよ。


−わかった。そうする。たぶん、飽きないと思うけどね。


−どうして?


−それは、もう少しこっちのほうに来てくれたら教えてあげる。


−……やっぱり怖いな。(笑)


−そう?(笑)






窓のむこうからさす、
あの陽射しに気づいたのは、いつ頃だろう。

目を閉じても、白い光と
ほのかな温かさが自分をとらえて放さない。
あまりにもまばゆすぎて、
自分の手足の鎖すら見えなくなることさえある。

陽射しが当たらないように体の位置をずらすと、
たった一つの窓から
さっきまで私がいた場所に
スポットライトをあてるかのように
光がまっすぐに届いているのが見えた。

強いけど、やさしい光。
漂うほこりでさえも、金色の粉が
空気にちりばめられているかのように見えてしまう。
なんてきれいなんだろう。
その光が当たった場所にできた
見たこともない程の暗い闇にさえ、
温かさを感じてしまう。

あの陽射しの下で眠れたら、
とても気持ちがよさそうだ。
だけど、一度その温かさを知ったら、
天気がよくない日はとても悲しくなりそうだ。

陽射しからこんなに体を遠ざけているのに、
部屋がいつもより温かくなっているのを感じる。
それだけで、今は十分だ。

曇りの日や雨の日でも大丈夫なように、
日が落ちるまでの間、
ここにいてあの美しさを心に焼き付けよう。

檻の中から出られないのはわかっている。
今そこで眠って体が冷えていく悲しさを得るよりも、
少しでも長くあの陽射しを見つめていたい。
そして、少しでも長くあの闇を見つめていたい。

それ以上は、望まない。
あの陽射しもあの闇も、
ずっとここに留めておくことはできないのだから。


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