- different corner -
DiaryINDEX|past|will
| 2003年06月01日(日) |
飽きた。/壁のむこうから |
落ち込むのそろそろ飽きた。
もういいか。6月だし。
遊びいってこよ♪
BGM : New Frontier - Donald Fagen
時計が0時を過ぎた帰り道、 私は工場の壁沿いに歩いていた。 壁のむこう側に人の気配がした。 こんな夜中だというのに人がいるのだ。 たぶん、そんなに多くはない。
たぶん、この壁のむこうの人と会うことはないだろう。 会ってもたぶん、私が今彼らの横を 通り過ぎようとしていることは 彼らは一生知ることはないだろう。
今ここで「こんばんわ」といえば 「こんばんわ」と答えてくれるかもしれない。 もしかすると、壁のむこうから でてきてくれるかもしれない。
普通はそんなことしないだろうし私もそうしなかった。 でも、壁のむこうには人の気配がして、 声をかければ届くほどの距離に 誰かがいることがはっきりわかった。
もし、私が壁のむこうへ声をかけたときに 答えてくれた人がいたとしたら、 その時からその人はもうただの壁のむこうの人ではない。
思えば私は今まで、声をかけておきながら こちらに人が来る気配がすると 恥ずかしがって逃げてしまうことが多かった。
恥ずかしくて逃げたのだとしても、 その人がでてきたときに姿を消してしまっていたら いたずらだったと思われても仕方ない。 不信感をもたれても仕方がないのだ。
声をかけたらかけたで ちゃんとむきあわなければ、 気持ちなんてわかるはずがない。
むきあってもだめかもしれないけど、 最初からそれを放棄したら うまくいく可能性も捨てたのと同じだ。 相手にむきあう気があるかどうかなんて 相手を見る前からわかるはずがないのに。
私はいつも、いざという時に臆病だった。 壁のむこうから出てくる相手も 不安であることに気づいていながら、 姿を見せないまま逃げた自分を 相手が肯定的にとってくれることをいつも祈るだけだった。
こんなこと、いつまで続けるつもり?
声をかけるのをやめるのか、 ちゃんと相手がくるまで待つのか。 どちらかにしないと、また誰か傷つけるよ。
BGM : The Boston Rag - Steely Dan
|