サッカー観戦日記

2008年10月11日(土) 全日本ユース(U−18)選手権準決勝 作陽−浦和 名古屋−東京

全日本ユースは関東開催になってから早い段階では足を運びにくくなった。鳥取や富山・長野などと比べて時間的にはあまり変わらないが、関東ということに引っかかりを感じるのだ。客が入ってないのは分かるが、持ち回り開催ではない主要な全国大会が関東でばかり開催されていないか?もちろん関東で行われるからこそ盛り上がるのだが、さびしい現実だ。

例年当日に移動して観戦する準決勝だが、今回は前日に移動して、埼玉の親戚宅に泊まった。当日は時間的余裕を観て、中央線西国分寺駅まで車で送ってもらうはずが、まさかの大渋滞。結局前半40分になってようやく到着した。スコアは1−1。



全日本ユース(U−18)選手権 
作陽高校−浦和レッドレッズユース
12時 国立 晴れ ピッチ並み

作陽           浦和
−−−−−岩崎� 檗檗檗檗仝狂��◆檗欹緻遏檗檗盜盒�
村上−−−佐藤−−−中村� 檗檗飮嚇帖檗歸鎮隋檗檗�
−−−苫田−−亀井−−− −−−−−浜田−−−−−
松田−山部−安良田−木下 永田−菅井−−山地−岡本��
−−−−−山本�◆檗檗檗檗 檗檗檗檗歇禿帖檗檗檗檗�

作陽
GK 1 山本智也(2年・ハジャスFC)172/58 5 木下淑晶(3年・鳴門市立第一中)175/70 4 安良田恭平(3年・アヴァンサールFC) 3 山部晃(3年・ハジャスFC)173/60 13 松田恵登(3年・エストレラ姫路FC)170/62 MF 12 中村翔(1年・FCフレスカ神戸)173/63 10 亀井巧実(3年・ハジャスFC)171/60 17 苫田暁哲(3年・イルソーレ小野FC)165/57 11 村上綾(3年・イルソーレ小野FC)167/57 FW 6 佐藤龍希(3年・三加茂町立三加茂中)166/57 25 岩崎優(1年・ディアブロッサ高田FC U−15)181/66

浦和(前所属表記なしは下部組織出身)
GK 1 柴田大地(3年・FC四日市)180/75 DF 25 岡本拓也(1年)173/673 山地翔(3年)181/74 4 菅井順平(3年)172/63 6 永田拓也(3年)169/58 MF 5 浜田水輝(3年・サンタクララ・スポルティング・ラッカスU−16)185/80 10 田仲智紀(3年)170/61 8 山田直輝(3年)166/64 FW 7 高橋峻希(3年)169/68 14 原口元気(2年)177/63 9 阪野豊史(3年)180/75

メンバーは後半開始時。ハーフタイムに一人代わっている。浦和は山田・高橋・浜田・永田のトップ昇格が後日発表された。2年生の原口は小学生のときから2冠を獲得するなど有名な選手。

さて試合は後半。作陽は4−2−3−1なのだが、佐藤はシャドーストライカーよりも中盤よりのポジション。豊富な運動量であらゆる局面で顔を出し、チームの潤滑油となる。主役を張るタイプではないが、チームに一人は欲しい好選手だ。1トップ岩崎はまだ1年生で、ボールをキープできず苦しい展開だが、作陽はサイドのスペースを埋めて逆襲速攻を狙う。1トップは本来レギュラーの3年生がいて、なかなか好選手らしい。一方の浦和は足元のパスが多く、繋げてはいるのだが、崩せてはいない。後方に下げたり、ドリブルで仕掛けたり、ハイボールを入れたりといった、変化がなかった。また作陽の組織力が高く、安良田が前に出て潰したり、ディレイしたり、引いたりの判断が抜群だった。浦和・阪野はイマイチだったが、ケガしていたらしい。9分、作陽・木下に警告。突破を倒したが、むしろその後の遅延行為が響いた。前半を見逃したので、試合全体のストーリーが追えず、メモを取る意欲が薄れた。しかし観戦意欲は十分だ。26分、浦和・阪野→磯部裕基(1年)165/55。それまで3トップは阪野が明らかにCFだったのが、流動的になる。27分、浦和DFのクリアを作陽・佐藤が拾い、ターンでDFをかわし左の村上へ、GKと1対1だったが、インサイドで狙ったシュートをGK柴田セーブ。決定機。これが決まっていれば、作陽ノシナリオどおりにゲームだった。35分、作陽・安良田に警告。セットプレーの際相手のシャツを引っ張った。39分、作陽・中村→7吉田凌亮(3年・ディアブロッサ高田FC U−15)179/80。結局得点は決まらず、10分ハーフの延長へ。

延長前半9分、山地→石沢哲也(2年)172/63。浜田がCB、山田が1ボランチに下がり、2列目に入る。延長後半5分、浦和はゴール前に入れて、石沢がヒールで落とし、原口がノートラップで左足強烈ミドル!すごいシュート。1−2。直後に作陽は苫田→24浅田有佑(1年・フレスカ神戸)177/73。安良田がボランチ、木下が右CB、浅田がRBのスクランブル布陣。8分、浦和・原口→葺本啓太(フキモト)(2年)172/60。終了間際、作陽・吉田が浦和GK柴田にぶち当たり警告。そのままタイムアップ。

個々の能力では明らかに浦和のほうが上だったが、作陽が緻密な戦略で苦しめた。到着した前半40分なんて、一方的に浦和が攻めていて、何点入っていてもおかしくない展開だった。しかし後半作陽は選手交代で流れを変え、浦和の個人能力の高さを封じた。決定機も作ったし、勝機はあった。延長で原口のスーパーゴールの前に沈んだが。浦和は個々の能力では関東トップ。チーム戦術もまずまずのレベルにあった。勝ったのは順当な結果だ。



さて、私は以前から進学校が勝てるサッカーとは何かということを考えていた。例えば清水東は立派な進学校だが、私の考えるそれは東大合格者数が全国トップ10前後の超進学校だ。私はサッカーは超進学校でも勝てると思っている。一日2時間の練習時間があれば、可能だと思っている。これが野球やバスケだと、1日5,6時間も練習が可能なスポーツだから困難だろう。特進クラスと体育クラスに分かれているような、「文武別道」のような学校ならともかく。

技術的にも体格的にもスピードでも並みの素材を勝たせるには、もう優れた戦術指導者によるチーム戦術の徹底的な研磨しかない。バックラインを下げすぎず、上げすぎず、相手のサイドをケアしつつ、逆襲速攻を狙い、相手によっては激しいプレスで中盤を支配し、素早く攻め切る。強力なポストプレーヤーがいる年はどんどんあてていく。こういうチームが総体予選でベスト8から16くらいに入ってくれればと思っている。決して不可能なことではない。「超進学校」とまでは行かないかもしれないが、愛媛の愛光学園は中予地区で優勝したことがあるし、函館ラ・サールはよく全道大会に出てくる。

作陽は4−2−3−1をベースに相手によって戦い方を変えてくるチームだ。これはサッカーの理解度が高い、クレバーな選手を揃えて初めて可能となるサッカーだ。高校選手権で準優勝したときも、優勝してもおかしくないチームだと思った、最後は盛岡商の走力の前に敗れたが。作陽が全国制覇すれば、全国の進学校に希望とヒントを与えると思うし、今後も頑張って欲しいチームの一つだ。



全日本ユース(U−18)選手権 
名古屋グランパスU−18−FC東京 U−18
14時30分 国立 晴れ ピッチ並み

名古屋          東京
−−−奥村−−アル−−− −−−岩淵−−山浦−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
矢田��岸寛−−小幡�^訛次’瀑皚�江口� 歛膣咫飮該�
本多−西部−−岸光�ゞ睚圻^ど��∧申亅�畑尾−久保田
−−−−−岩田−−−−− −−−−−井上−−−−−

名古屋
GK 1 岩田敦史(3年・若鮎長良FC3種)182/76 DF5 本多勇喜(3年・スポーツクラブ岐阜VAMOS)173/62 20 岸光(1年)181/66 MF 2 金編勇佑(1年・FC小松)176/65 3 西部将成(3年)182/73 4 磯村亮太(3年)181/70 8 矢田旭(2年)168/64 10 岸寛大(3年)173/65 21 小幡元輝(1年)160/66 FW 7 奥村情(3年)167/60 9 アルベス・デリキ・タケオ(3年・スポーツクラブ岐阜VAMOS)178/66

FC東京(前所属の深川はFC東京 U−15 深川のこと。むさしも同様)
GK 1 井上亮太(3年・深川)180/71 2 阿部巧(2年・深川)165/62 4 畑尾大翔(3年・三菱養和SC巣鴨ジュニアユース)182/72 13 久保田大智(3年・深川)172/62 MF 7 山浦公裕(3年・FCトリプレッタ)174/66 8 山崎侑輝(3年・深川)168/66 17 大貫彰悟(3年・横河武蔵野FCユース) 24 梅内和麿(2年・むさし)177/62 25 江口貴俊(1年・むさし)164/61 29 平出涼(2年・フォルトゥナSC)176/72 FW 10 岩淵良太(3年・深川)172/59


Jユースの中でも特にセレクション倍率の高いチーム。技術だけでなく、高い身体能力を備えた好素材が揃う。クラセン優勝の東京は現時点でトップ昇格発表選手はなし。右SB廣木がU−16代表でいない。名古屋はクラセン準々決勝で東京に4−8と敗れた。磯村の昇格が発表されている。第1試合であまり取れなかったメモを丹念に取ると決意して望む。両者登録と全然ポジションが違う。

東京の山浦は右サイドハーフが得意。U16代表時代も主戦場は右だった。しかしこの日はFWでトップに入ったりサイドに流れたり、下がったりと自由に動く。しかし窮屈そうだ。

11分、東京・梅内が左から切れ込み狙うもシュートは正面。初シュート。15分、東京・江口が左へいい展開、梅内が切り返しシュート、名古屋ブロックも山浦がこぼれをシュート、外す。立ち上がりは両者大人しい。しかし名古屋は奥村が素晴らしいスピードから左サイドを突破するなど動きのよさを見せる。23分、名古屋・アルベスの右クロスを奥村がトラップ、シュートは外れる。26分、名古屋・西部がミス、こぼれを東京・岩淵が奪いGKと1対1、しかし岩田好セーブ。決定機。その右CKでDFのオウンゴールになりかけるがクリア。33分、東京・阿部が狙うが上に外れる。41分、名古屋・奥村がドリブルで中央突破、しかし最後は味方にパスし逸機。44分、東京は山崎が相手クリアをカット、岩淵に出し、フリーで狙い済ましたシュート、右ポストをかすめる。ロスタイム、名古屋は岸寛が突破、シュートはそれる。前半はスコアレスで終了。シュート数は2対6。東京が押していた印象はないが、名古屋のミスによく付け込んだ。名古屋では奥村の切れが素晴らしく、中でも外でも突破を見せていた。名古屋の左クロスは5本、右クロスは2本。これに対し東京にはクロスらしいクロスはなかった。

後半開始。序盤から激しい攻め合いとなる。4分、名古屋・浮き球をアルベスが落とし、岸寛シュートも左に外れる。5分、アルベスが左に開き、中の奥村へ、狙い済ましたシュートは右に外れる。決定機。東京も6分、ゴールキックが左の岩淵へ、切れ込んでシュートDFに当たりサイドネットに外れる。その左CKで山浦のキックが大外の畑尾へ、上に外れる。8分、名古屋、左で矢田が奪い揺さぶってから中の岸寛へ、シュートを打つが、やや無謀だった。13分、東京・梅内→9山村(3年・深川)169/67。東京のスーパーサブというべき選手。FWに入り、前半から窮屈そうにプレーしていた山浦が左のハーフに入る。名古屋の磯村は前半はイマイチだったが、後半少しずつスペースが出来ると、スピードを生かした突破を見せ始め、トップ昇格が伊達ではないことを証明する。東京の平出は思い切った守備が持ち味だが、時として大胆すぎる。こういう選手は伸びるだろうが、Jユースの指導者が嫌いそうなプレーもみせる。17分、名古屋・磯村が右を豪快に突破、折り返しに岸寛スルーもアルベス反応できず。さらにカウンターから奥村にスルーパス、素晴らしいスピードで飛び出すGKより先に触り左クロスもブロックされる。22分に名古屋・本多が左のスペースをドリブルで進み強シュート、右に外れる。この時間帯は名古屋ペース。この時間帯に得点できなければ流れが変わる、と思っていた。そして24分、名古屋の右CKで矢田が左足で入れたボールをアルベスがドンピシャヘッド。ついに名古屋先制。26分、東京・久保田→19三田尚央(2年・足利両毛ユナイテッドFC)175/65。山崎がRBで、三田がRH。27分、山浦の右FKを右外でヘッド、セーブするも詰めてゴール……と思いきやオフサイドでノーゴール。30分、名古屋・小幡ドリブルで左を突破し左クロス、磯村届かず。30分、名古屋・金編がタテ突破からシュート、サイドネットに外れる。32分、東京・江口→12須藤隆平(3年・深川)179/68。FW。布陣はこうなる。

−−−三田−−須藤−−− 
−−−岩淵−−山村−−−
阿部−−−大貫−−−山浦 
−−平出−畑尾−山崎−− 
−−−−−井上−−−−−

ボランチは若干岩淵が引き気味。三田と須藤の高さを生かすパワープレー。というか名古屋の流れを変えたいところ。34分、名古屋・左CKで岸寛から磯村へ、ヘッド上に外れる。この後東京が強引に攻める。しかし得点にはいたらず。ロスタイムに名古屋・矢田→24三浦俊希(2年・長崎レインボーSC)171/62、少し後にアルベス→11鈴木崇弘(3年)181/65。鈴木の右クロスを受けた奥村が左へ。三浦中にドリブルからシュート。2−0。その後タイムアップ。

名古屋は会心の勝利。後半は圧倒的だった。シュート数9対7という数字以上に押していた。全体的に粒揃いで、どこからでも突破が出来るし、つなぎは安定しているし、守備も隙がないし、いいチームだ。このチームがまさか決勝で9失点するとはこのときには夢にも思わなかった。東海地区、というか愛知での名古屋の立ち位置はG大阪に似ている。圧倒的に強く、タレントを集めやすい。もっとも名古屋の場合は重要なタレントを中京大中京に抜かれているが。しかし経験豊富な朴才鉉に鍛えられ、持ち味を伸ばした選手が多い。いったん選手を輩出し始めると、圧倒的に育成成果を伸ばしそうな気がする。この日は奥村がMOMだろう。進路は分からないが、小柄ながら大学経由でのプロ行きも期待できる。他の選手も将来性はありそうだ。愛知の場合、中京大も全国レベルの力があるし、力を伸ばせるのではないだろうか。

夏は磐石だった東京だが、傑出したタレントがいない分苦戦した。こちらも粒揃いの好チームだが、奥村のような絶好調な選手はいなかったし、廣木がいればサイドをある程度抑えられただろう。東京は育成実績も十分だし、毎年いい結果を残せる下地はある。Jユースでも優勝候補だと思う。


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T.K. [MAIL]