サッカー観戦日記

2025年04月29日(火) プリンスリーグ中国 岡山学芸館−瀬戸内 玉野光南−広島皆実

高校生の中国リーグ、プリンスリーグ中国は第1回から観ている。第1回は美作サッカー場まで頑張って登って行った記憶がある。近年岡山学芸館瀬戸内グラウンドで観ることが多い。大阪からは鈍行というか姫路まで快速(朝早くて新快速はまだ走っていない)でそこから鈍行なのだが、とにかく向かう。第1試合は会場が岡山県瀬戸内市の瀬戸内グラウンドで広島県の瀬戸内高校を迎えて行われる。

プリンスリーグ中国
岡山学芸館−瀬戸内
4月29日 11時 岡山学芸館サッカー場 人工芝 晴

岡山学芸館
GK 17
DF 23
    5
    6
    3
MF 10
   15
    7
   20
FW 11
    9

瀬戸内
GK  1
DF  3
    5
    4
   28
MF 25
    6
    8
   10
FW  9
   20

岡山学芸館
九番十一
二十七番十五十番
三番六番五番二三
十七

瀬戸内
二十九番
十番八番六番二五
二八四番五番三番
一番



2分、岡山学芸館の左シュートが流れて10が蹴り込む。1−0。立ち上がり、双方繋ぐチームだが、岡山学芸館の前からの激しいプレッシングがはまる。瀬戸内は前進ルートが見つけられず、ミドルパスも乱れてしまう。精神的に受け身になってしまった。岡山学芸館でまず目につくのは右ハーフ10。レフティでカットインが得意。タテもあるが、スピードに乗った中への突進が素晴らしい。セットプレーも蹴る。エースだ。右センターバック5もパワフルで運べる。両校ともセンターバック陣は逞しいし潰せる。身長以上に鍛えている印象。左ハーフ20は速い。9のポストプレーはパワー不足というか、瀬戸内のセンターバックが強いのだから、もう少し工夫が欲しい。
瀬戸内は左センターバック4と左サイドバック28がレフティだが、精度はイマイチ。ボランチコンビは同じ高さだが、随時下がっても瀬戸内センターバック陣は認知がイマイチなので見つけられない。8番は運ぶ意識があるが運べてない。10泊ライフターン得意。20は高い。
30分、岡山学芸館、放り込みを拾った10がコントロールシュート左隅。2−0。37分、岡山学芸館11→10→11のワンツーで裏に抜けて3−0。さらに岡山学芸館10が仕掛けて瀬戸内9が倒し警告。前半3−0。
前半は瀬戸内が精神的に立て直せなかった。今の時期完成度が低くてパスコースを作れないが、チームとして弱いとは言えない。個人能力は高い。ただ蹴るというのはチームのポリシー、シーズン通したチーム作りのポリシーに反するだろう。ピッチ内にリーダーが欲しかった。ハーフタイムまでにピッチ内で立て直せないようでは苦しい。こればかりはシーズン通して解決できないことだから。たぶん技術的なポテンシャルは両校あまり差がない。岡山学芸館は全国制覇した年に大ベテランの平先生が東海大福岡から赴任したが、瀬戸内はどうだろうと思った。

後半から瀬戸内が右ハーフに11が入ってる。さらに17がボランチ、10がフォワードに。なんとか瀬戸内は立て直した。とはいえフォアチェックに優る岡山学芸館ペースは変わらない。後半アディショナルタイム、ゴール前ターンから決めて4−0。結局岡山学芸館が勝利した。

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第2試合は岡山県の玉野光南と広島皆実のカードである。玉野光南は昔は作陽に次ぐ岡山県ナンバー2であり、県立高ながら体育科があり環境がよかった。玉野市というとピンとこない人が多いと思うが、かつて本州と四国を結んでいた鉄道連絡船の宇高航路、つまり宇野と高松を結ぶ連絡船の宇野がある街である。つまりかつては交通の要衝であった。対する広島皆実は全国制覇経験がある強豪。単位制の県立高こちらも環境は整っている。かつては広島皆実・広島観音・瀬戸内は広島3強だった。ただし今期のプリンスリーグは開幕戦で惨敗し、その後も低迷するなど、何が起こっているのか分からない。それを確認したかった。


プリンスリーグ中国
玉野光南高校−広島皆実
4月29日 13時半 岡山学芸館サッカー場 人工芝 晴



玉野光南
二九七番二一
八番五番
六番二番十九四番三番
十七


広島皆実
十八十番
十六十四七番八番
二番六番四番五番
十二





さて試合が始まってみると第1試合の岡山学芸館対瀬戸内を比べると個人能力では落ちる。玉野光南はまだアスリート性はしっかりしているが、広島皆実は上手さでは玉野光南を上回るが、フィジカルでは落ちる。

玉野光南は7番が左足フリーキック、8番が右足フリーキック担当。センターフォワード7番は大きくないのに広島皆実は潰せない。2番の右足フィードはなかなか良い。19番のカバーが光る。キャプテン3番のアップダウンもなかなか。
対する広島皆実はそもそもバランスがおかしくしょっちゅうコケる。コンタクトプレーに弱い。キャプテン10番は特に上手い。右足フリーキック担当。徹底的に繋ぐチーム。理想は高い。
27分、玉野光南19番のフィードを左寄り21番が空中でダイレクトで落とし29番がボレーで決めて1−0。空中で綺麗につながった。まるでセットプレーのようだった。玉野光南は5−2−3プレッシングがはまり、自在にカウンターを繰り出し続ける。前半は1−0。

後半も玉野光南ペースが続く。しかしポゼッションにこだわる広島皆実はスペースが生まれてくると回せるようになってくる。そして玉野光南が疲れた後半20分過ぎからは圧倒的な支配になる。そして選手交代して5番を前線に上げる勝負に出た。フォーメーションは↓の通り。

十番五番
十九十八七番六番二三
二番四番二二
十二

3−5−2だが、必ずしもパワープレーでもなく、回し続ける。しかし一方的支配も実らず、1−0で玉野光南が逃げ切る。


広島皆実は生で観て連戦連敗の崩れたチームなどではないことが分かった。確かにタレントでは苦戦しているが、きっちり繋ぐ理想で、それを実践するだけの技術とスタミナと選手層を見せた。しっかり教えられたチームということは分かった。チームが完成すれば前半からある程度回せるようになるだろう。
玉野光南も限られたタレントで運動量とパワー重視でカウンターで勝つ戦略でチームを作っている。岡山学芸館には苦戦するだろうが、勝機もあるだろう。健闘を期待している。


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T.K. [MAIL]