サッカー観戦日記

2025年06月01日(日) 高校総体滋賀県大会準々決勝 近江−綾羽

滋賀県は総体・選手権ともに平日開催日が1日ある。木曜日。総体については長年準決勝が平日開催日だったが、総体後だった近畿大会が春先というか晩冬に移って総体の日程が後ろにずれたためか、総体の平日開催日が準々決勝にずれていた。がそれが今年から再度準決勝の日になった。会場は東近江・布引である。近江鉄道の大学前駅から上り坂を登る。芝はなかなか良い状態。東近江と言えば、レイラック滋賀というかMI−Oへの理解が深く、出資したりビジョンなどスタジアムにも投資してくれるのはありがたいが、滋賀からJリーグ、となるとここの交通事情では観客は集められず、ホームタウンを変えるしかない。難しいしがらみができてしまったなあ、と思っていた。が彦根をメイン会場に開催することになった。社長も運営も変わったタイミングでレイラックが動いた。彦根もサッカーへの理解があまりない街だが、国体陸上競技場の国体後の活用から彦根市サイドが熱心に動いたのである。

さて当日、JRで近江八幡駅まで来て、近江鉄道で八日市乗り換え。この数日前に八日市駅に併設されている鉄道ミュージアムが再オープンしたので楽しむ。鉄道ファンが大好きな幕回しもできる。その後本数の少ない近江本線、何らかの愛称があったが、に乗って大学前まで行く。この駅から会場まで店は何一つない。「大学」とはびわこ学院大学である。

第1試合のカードは近江対綾羽。近江は彦根の高校。2年前の高校選手権全国準優勝。強化し始めたのは最近だが、あっという間に滋賀県のナンバーワンに立った。鳥人間コンテスト会場近くに人工芝の練習場がある。対する綾羽は草津の高校。草津の山の方に人工芝グラウンドがある。ここも強化してあっという間に強くなったが、ボトムアップ理論を導入してから結果はイマイチでなくなった。ボトムアップ理論には生徒の質と指導者のずば抜けたさじ加減が必要だろうから、勝つ、という意味ではなかなか難しいと思う。人間教育としてどうかは現場の人間じゃないから分からないが、学校経営者サイドは結果が出なくても理解があるのだろうか?

高校総体滋賀県大会準々決勝
近江高校−綾羽高校 
6月1日 11時 布引陸上競技場 ピッチ良 曇り


近江
十一九番
二十八番二四
二二二番五番三番六番
一番

綾羽
十番十一
十四六番十六九番
二十四番五番七番
十二

近江は5バックだがいつもの5−2−3ではなく2トップだ。慎重なのはいつも通りだが攻めが薄い。そして例年ならバックラインから持ち上がる選手がいるのだが、今年はサイド以外上がらない。確実にボールを回すが、迫力がない。11番が右足セットプレー担当。9番は特にポスト役じゃない。8番は運べる。キーパーソン。今年の基本は無難に、無難に、だろうか?勇気を欠く印象もある。少なくとも自信は欠いているように見える。
対する綾羽は全体に緩い。デュエルにまるで迫力がない。ファウルは全くない。フェアなのは間違いない。しかし闘志が伝わってこないのだ。懸命にデュエルしたうえでのノーファウルならフェアプレーと言えるが、踏み込んだ守備をしないチームのノーファウルというのは価値が落ちる。こういう状況では近江が回し続ける展開になる。まるで指導碁みたいだな、と思って観ていた。20分、近江、左コーナー11番のキックに密集でだれか決めて先制。1−0。近江は右アウトサイドに18が入った。その後も近江が回し続けて前半は1−0で終わった。

後半立ち上がりにラッシュをかける強豪校のサッカーを見せた近江は1分、左アウトサイド8番が左を破り決めて2−0。その後も押し続け、後半半ばに右裏に出たパスに11番合わせそこなうが、キーパーのタイミングを外したシュートが左ポストに当たりゴールイン。3−0。そのまま試合が進む。終了間際、綾羽が闘争心を思い出したようにフォアチェックで相手を削り警告をもらったプレーは良かった。ノーファウルのフェアプレーもいいが、警告までなら闘争心を出していい。結局近江が3−0で勝ち準決勝進出を決めた。


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T.K. [MAIL]