| 2026年06月30日(火) |
雑文・ワールドカップのブラジル戦を観て思ったこと |
ワールドカップで代表チームがブラジルに完敗して日本サッカー界の総括と今後の展望がトレンドのようだから、ここで私も。 日本サッカー界は上昇気流に乗っていて、今もその流れは続いている。日本の中高生の五大スポーツはバスケ、サッカー、テニス、卓球、バドミントンの順で、競技人口でサッカーはバスケに負けているわけだが、男子のスポーツとしてはダントツだ。もちろん若年層人口減に伴い若年層のサッカーの競技人口も減っているわけだが、育成の充実がそれを上回っている状況だ。私の「専門ジャンル」は育成年代だから、個の能力、技術、戦術、体格、身体能力とも伸びていることは分かっている。 育成について。私は近年後発J3ユースを熱心に追っている。
J3の歴史を挙げておこう。
13年(初年度) グルージャ盛岡 ブラウブリッツ秋田 福島ユナイテッド 町田ゼルビア YS横浜 SC相模原 長野パルセイロ ツエーゲン金沢 藤枝MYFC ガイナーレ鳥取 FC琉球
14年 カターレ富山(J2から降格) レノファ山口(JFLから昇格)
15年 大分トリニータ(J2から降格) 栃木SC(J2から降格) 鹿児島ユナイテッド(JFLから昇格)
16年 ギラヴァンツ北九州(J2から降格) アスルクラロ沼津(JFLから昇格)
17年 ザスパクサツ群馬(J2から降格)
18年 ロアッソ熊本(J2から降格) カマタマーレ讃岐(J2から降格) ヴァンラーレ八戸(JFLから昇格)
19年 鹿児島ユナイテッド(J2から降格) FC岐阜(J2から降格) FC今治(JFLから昇格)
20年 テゲバジャーロ宮崎(JFLから昇格)
21年 SC相模原(J2から降格) 愛媛FC(J2から降格) ギラヴァンツ北九州(J2から降格) 松本山雅(J2から降格) いわきFC(JFLから昇格)
22年 FC琉球(J2から降格) 岩手グルージャ盛岡(J2から降格) 奈良クラブ(JFLから昇格) FC大阪(JFLから昇格)
23年 大宮アルディージャ(J2から降格) ツエーゲン金沢(J2から降格)
24年 栃木SC(J2から降格) 鹿児島ユナイテッド(J2から降格) ザスパクサツ群馬(J2から降格) 栃木シティ(JFLから昇格) 高知ユナイテッド(JFLから昇格)
25年 ロアッソ熊本(J2から降格) レノファ山口(J2から降格) 愛媛FC(J2から降格) レイラック滋賀(JFLから昇格)
Jリーグ加盟がJ3からだったクラブは
グルージャ盛岡 ブラウブリッツ秋田 福島ユナイテッド YS横浜 SC相模原 長野パルセイロ ツエーゲン金沢 藤枝MYFC FC琉球 レノファ山口 鹿児島ユナイテッド アスルクラロ沼津 ヴァンラーレ八戸 FC今治 テゲバジャーロ宮崎 いわきFC 奈良クラブ FC大阪 栃木シティ 高知ユナイテッド レイラック滋賀
の21クラブが純正のJ3時代のクラブと言える。 この中でプリンスリーグ経験があるのは 秋田、長野、金沢、琉球、山口、今治 の6クラブ。 黎明期に降格してきた富山、栃木SC,北九州を加えて考えてもよいかもしれない。 何を考えるかというとユースについてだ。J3時代のユースは真剣に強化していないと思われるクラブやユース自体存在しないクラブがある。プリンスリーグ在籍経験があるクラブは真剣に強化していると言えるだろう。富山と栃木SCはプリンスリーグだ。
上記プリンスリーグ所属クラブの中で生観戦経験があるのは 栃木SC、長野、富山、金沢、山口、今治の6クラブだ。ここを仮の物差しとしよう。
世の中には高体連もクラブも本質は変わらないと主張する人もいる。よほどフットボールの本質を悟っている人かもしれないし、プロのライターはあちこちにパイプを築かないとならないから必ずそう主張するだろう。高体連をユースより劣ると主張できるライターなどいるとは思えない。しかし私の目には大多数の高体連とユースとではまるで別物だと感じる。つまりユースは技術重視でチームとしても「作るサッカー」であって「壊すサッカー」じゃない。個のクオリティはタレントを集められる高体連があるが、チームとしてのクオリティにはたいていの場合、差があるのだ。
上記6クラブは少なくとも大都会にはない。「地方Jユース」に分類できるクラブだ。しかしビルドアップ能力があるのだ。これを仮に同じ地元の高体連、矢板中央、上田西、富山第一、星稜、高川学園、今治東中等教育学校と比べてみよう。一つでもビルドアップ能力で同等と言える高体連があるだろうか?私はプリンスリーグ北信越でツエーゲン金沢対星稜を観戦したこともあるが、星稜の選手たちが「支配されることは分かっているだろう」を声をかけながら味方を励ましているのを見たこともあった。
ワールドカップの日本対ブラジル戦では前半には日本が回せる時間もあったが、後半は守備に追われて全く前進できなかった。重要なことは現在の代表チームは10年前、15年前の育成年代の結果だ。しかし育成年代はとっくに変わっている。今はユースは多くの場合ビルドアップ能力が段違いなのだ。後発J3ユースですらそうなのだ。10年後、15年後の代表チームはビルドアップ能力が格段に上がる。全国トップレベルのユースだけではないのだ。全国にビルドアップの流れは広がっている。この点はユースと高体連の決定的な違いだ。高体連も前橋育英のように頑張っているチームもあるが、高体連は経営サイドから「結果」を強く求められる。短期的に結果が出にくいビルドアップには取り組めない。流経大柏に転任した当初の本田先生は「私学は結果です。全国制覇してください」と要求され、ビルドアップを捨てた。興国でプロを大量に輩出した内野前監督も「結果」を求められて監督を退任(事実上解任)した。前橋育英の山田先生がビルドアップを許されるのは、高校の経営サイドというか校長という立場になっていたからだろう。
ワールドカップでブラジルはクロスの雨を降らせた。つまり日本との体格差を突いた。私はプロのキーパーとセンターバックは185センチほしいと思っている。これは女子サッカーにも言えて、女子ならば170センチほしいと思っている。身長の偏差値でいえば男子の185センチと女子の170センチは同じくらいだが、競技人口の少ない女子はもう少し妥協が必要だろう。さて、代表チームの話をするならば、キーパーとセンターバックには190センチ前後ほしい。もちろん、戦術眼、対人守備、身体能力、技術、人間性も妥協できない。これも私は可能だと思っている。私は観戦記には可能な限り体格データを入れている。この体格が伸びているのだ。晩成型の長身選手の育成が各クラブ上手くなっている。大学も高校も育成は分からないが、体格が大きくなっている。育成年代の大型化が進んでいるのだから、未来の代表チームの大型化も進む。
育成年代は未来を先取りしている。いろいろと予測できることはあるが、ここではこれ以上は触れないでおこう。とりあえず
�� 技術と戦術に支えられたビルドアップ �� 体格
は今後大きく伸びる、ということは言える。15年前の代表、例えば2010年南アフリカワールドカップ代表選手が今の代表選手の個の力に舌を巻くように、15,16年後の代表選手に今の代表選手は舌を巻くだろう。これはまだ見ぬ未来に逃避しているのではない。確実に顕現する現実の話をしているのだ。現実ということを知るために育成年代をじっくりと観てみなさい、なんてことは言わないが。
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