ぶつぶつ日記
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イスラエル政府はヤセール・アラファトパレスチナ自治政府代表と、 断絶することを決定した。 いわく、アラファトにはテロ反乱分子を抑える力はない。 それでは、イスラエル政府は今後誰と中東和平を話し合うのか。 そんな人物は、誰もいない。 そんな大きな組織はどこにもない。
もともとアラファトの指導力を弱めていったのはイスラエル政府だ。 そして今回も、パレスチナ自治政府に 過激派取締りの強化を求めながら、 そういった分子を取り締まるべきパレスチナ自治政府の 警察署関係などに攻撃を加えていた。 これは一体どういうことだろう? 警察署などが攻撃され混乱すれば、 不穏分子取締りどころの話しではなくなるだろう。 普通、テロリストと言うものは、 そう言う混乱に乗じて事を起こすものだ。 そして、実際にイスラエルのバスが襲撃された。 これを口実にイスラエルはアラファトとの断絶を決定。 日本の「欧米報道の記事直訳の」報道は、 全ての原因が「アラブ、パレスチナ、イスラム」に あるような記事を相変わらず載せつづけているが、 一連のイスラエルの行動には「影のシナリオ」があると思ってしまう私が、 アラブ・イスラムに思考を犯されている、 おろかな人間なのだろうか?
パレスチナと正面に向かい合っている入植地に住んでいるのは、 「豊かな恵まれた」イスラエル一級市民達ではない。 彼らの多くは、「遅れてきたユダヤ人」である。 出生率がイスラエル人よりも上回るパレスチナ人に人口で負けないために、 イスラエル政府によりロシアやアフリカから呼び集められた、 「いい生活」を夢見てやってきた、 まだイスラエルでの生活基盤がしっかりしていない人たちが多いという。 彼らは入植地からどこかに移ることは難しい。 彼らもそこにしがみつかなくてはならない理由がある。 そして彼らの住宅を守る有刺鉄線のむこうには、 彼らよりも行くべき所のないパレスチナ人たちがひしめきあっている。
どこかで誰かが、生きている人間を単なる駒として利用している。 誰が死んでも、胸の痛まない誰かが、 「影のシナリオ」を書きつづけている。 それを書き換えることは、不可能なのだろうか?
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