ぶつぶつ日記
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2002年01月05日(土) |
ブランド価値としての日本人 |
久しぶりにエジプトで「観光客」をしてきて改めて思った。 「日本人(の特に女性)」って言うのは、 世界に名だたる「ブランド」なんだと言うことを。 同じアジア人だとしても、申し訳ないが他のアジアの国よりも、 日本に対する興味はダントツであった。 エジプト人だけではない。 エジプトで出会った様々な国籍の人が(特にこちらが女性なので男性が多い)、 「君は日本人?」と声をかけてきた。
それは多分、車とか電気製品とか、ヒロシマとかヤマトナデシコとか、 日本には彼らにもわかりやすいイメージがあるからだと思われる。 中国や韓国もがんばって輸出をしているが、 今一つそれが大きなイメージにはなっていないらしかった。
私は声をかけられて下心があまりなさそうだなあと思うと、 エジプト人でも外国人でも、 とりあえず話をしてみることにしている。 彼らがどんなことに興味があるのか、 こちらも興味があるからだ。 今回もルクソールの空港で飛行機を待っている間、 国籍不明なルックスのアルジェリア人観光客と色々話したし、 土産物屋の正直そうな若いにーちゃんとも、 お茶を飲みながら世間話をした。
しかしそれと同時に、誰かが私の好意を持っていると言う風な時、 その人は果たして「私」に好意を持っているのか、 「日本人」の私に好意を持っているのか、 意地悪く考えてしまう自分がいる。
その国に長く滞在していていたり、 仕事や友だちのつながりで誰かと出会った場合、 多分最初はその人が「日本人」の私に興味を持っていたとしても、 段々「私」個人に興味を持ってもらえるだろう。 日本人だからこう、ではなく、 私だからそうなんだ、という風に…。 しかし、とても意地悪なようだが、 旅行中に出会うエジプト人が日本人女性に声をかけるのは、 十中八九、「日本人」だということに興味を持ったに過ぎない。 それは個人的な魅力を認められたと言うことでは、 ほとんどないと思う。 だから、あまり声をかけられても、私はうれしくない。
最近、エジプトの新聞にこういう記事が出たそうだ。 「エジプト経済がますます低迷している中、 チャンスを物にしようと、手当たり次第外国人女性に 声をかけているエジプト人の若者が大変増えている。」
外国人女性をゲットすること、 それイコールエジプトからの脱出のチャンスを意味する。
別に旅先で知り合った人との縁を、全く否定するつもりはない。 それで幸せになれる人もいるだろう。 しかし少なくとも相手のバックボーンにある色々な状況を、 冷静に見つめられるシビアさは、旅行中にも必要ではないだろうか。 特にブランド価値ある国に生まれたからには、 それを利用しようと狙う人がたくさんいると言うことは、 頭の片隅に入れておいても、無駄にはならないはずだ。
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