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2003年10月31日(金) |
演奏会(Orchestra) 1日目:Walker、Barber、Tchaikovsky |
どんなに不安でも、体調がよくなくても、演奏会はやってくる。
午前中はラヴェルのコーチングで先生にお目にかかった。ラヴェルはとても上手くいっているけれど、昨日、先生の奥様にベートーベンのコーチングを受けたときに「とてもストレスを感じています…」とお話してしまったので、その話は私の先生にも伝わり、先生、ちょっと心配して下さっていたみたい。(感謝)「演奏会の成功が全部あなたの肩にかかっているわけではないんですよ、そんな風に考えないようにね」わかっているけれど、やはり実際にそういう言葉を聞くと少しは安心する。「まだ咳もしているし、今日の午後のクラスには来ないで家に帰って休みなさい。これは命令ですよ」先生はいつもお優しい。
出かける2時間くらい前からCDと一緒に軽く弾くような作業をして、会場へ。その作業をしているときに、ふと過去に聞いたオーケストラ奏者の演奏を思い出した。(正確な音程と美しい音、でもそれだけ。)でも彼らがそのように弾くのはオーケストラの演奏ではそのようなものが求められているからなのではないか…?オーケストラの演奏で求められるのは単純にヴァイオリンという楽器の音でそれ以上でも以下でもないのかもしれない…。ふとそんなことを思い、今日はちょっと軽めに弾くことにした。
プログラム: Walker − Lyrics for Strings Barber − Violin Concerto Tchaikofusky − Symphony No.4
演奏中はものすごくよく集中できて、自分でも驚いた。軽めに弾いたので、楽だったし、これでいいのかもしれない。バーバーの協奏曲のソリストはかなりの経験のある素晴らしい演奏者だけれど、今日はアクシデントがあった。3楽章でいきなり爆走し、オーケストラとは全くあっていなかった。オケも自分たちがどこにいるのかよくわからず一人二人と弾くのをやめていく…。指揮者に助けられて、オケはトゥッティで立てなおしなんとか持ちなおした。私もその瞬間、とっさに入ったので弦もそこからしっかり持ちなおした。止まらなかったし、あの立てなおしはよかったと思う。チャイコフスキーでもブラスがスポーンと抜けてしまった個所があったので、全体としてはいまひとつの演奏だったけれど、私自身はとても気持ちよくよく集中して弾けた。あんなに心配していたのに…。明日もこの調子なら大丈夫。演奏会が終わったら本当にほっとした。
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