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毎年、夏になると、とくに7月を過ぎると、 バケーションのためレッスンをお休みする生徒も続々でてくる。 Aくんもその一人。お父様の国、シンガポールへ行く予定で、 今日からレッスンをお休みしている。
2時を過ぎ、生徒たちのレッスンに一区切りつくと、 昼食の準備にキッチンへ立った。 すると、ドンドンドンドン! とドアを叩く音。 今の時間、生徒はないはずなのだけれど、誰だろう…。 とふとキッチンの小窓からドアの外を眺めると見慣れた私の生徒の顔が。
「あれ?どうしたの?」 「先生、また家の庭で桃がとれたよ。ちょっとあざがあるけど、もらって!」 と紙袋を差し出す。中をみてみると、直径3センチくらいの小さな桃たち、 そして、大ぶりのレモンが3つ、ごろごろと入っていた。 「あら…、どうもありがとう。嬉しいな。シンガポールはいつから?」 「明日だよ」 「じゃあ、素敵な旅行をね。帰ってきたら電話してね」 「うん」
そう言うと彼は元気良く走って、お母様の待つ車へ戻っていった。
早速、洗って食べてみると、 それはなんともよく熟れて、やさしい甘さに溢れていた。 おいしい…
とっても素敵なお裾分けでした。
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