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2005年09月02日(金) レッスン(バッハ、ベートーベン、ブラームス)

ソナタのレッスン。昨日はこのことを考えると緊張と興奮が入り混じってなんとなく気持ちが落ち着かず、眠りにつくのも遅くなってしまいました。たかがレッスン、されどレッスン。私はレッスンも聴衆(この場合は聴衆=先生)を前にした演奏と捕らえているので、初めての曲を弾くときにはとくに多少の緊張感があります。ある意味では演奏会前の緊張を体感できる機会でもあるので、それは悪いことではないと自分に言い聞かせています。

さて、レッスンは9時半から。昨晩は腕に痛みがあったので、いつもならば1時間くらい前からウォームアップ、練習などを始めるのですが、今日は9時に学校に着き、楽器に触れるのは30分だけにしておきました。

ピアニストは遠くに住んでいることもあり、交通渋滞が読めないので、少し遅れていました。なのでその間少しだけバッハ(無伴奏ソナタ)を聴いていただきました。今回、とくに気をつけたのは音色。私にとっては神への祈りともいえる音楽を表現するために選ぶ音色、数小節弾いただけで先生が「この間よりもずっと良いですね」と微笑んで言ってくださいました。嬉しい…。「音色はそれでよいので、今度は弓の都合で余計な時間をとったりしないように」というアドバイスを頂きました。

無伴奏ソナタを演奏する上で、必ず問題になるのは弓づかい。バッハのManuscriptは残っていても、その専門分野の方々、つまり、古楽器を使用した演奏を聴いても、どなたも原典通りの弓づかいは使用していません。初めてバッハを勉強したとき、私は原典とおりの弓使いを使用しましたが、今回は、

Joel Lester - Bach's works for solo violin: style, structure, performance. 1999, Oxford University Press

を参考に、また以前に演奏させていただいた古楽器奏者のマスタークラスでのアドバイスを念頭に、基本的にはバッハの原典を、ただし、大きなCadenceと大切なアライバルポイントはダウンボウで表現できるように、自分の音楽性のもとに調整する、という風に取り組んでいます。

さて、今日のレッスンのメインであるソナタはというと、ベートーベン(1番1楽章)ではアンサンブルがまだTightでない部分が少々、フレーズがクリアでない部分が少々、”brio"のキャラクターをもっともっと出すこと、ブラームスではまずピアニストがまずもう少しComfortableに弾けること(今日のレッスンは朝早かったからか、彼女の調子がいまひとつだったのです…)、などが課題として挙げられました。

とても充実したレッスンを受けられ、またクリアな指針ができて、すがすがしい気持ちでレッスンを終えました。

その後、ピアニストと一緒にゆっくりランチにでかけました。レッスンのことを振り返ったりはしませんでしたが、気分転換にいろいろなことを話せてとても楽しい時間を過ごすことができました。

帰宅する頃になると、また腕が痛みはじめました。とにかく、今日はもう弾かず、アイスで冷やすことに。


けい |MAIL

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