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2006年04月15日(土) 音楽家とは… 気づき

今日はがんばりました。夕食後、もう疲れていたのでそのままテレビでもみながらゆっくりとくつろぎたいという気持ちが一杯だったけれど、練習に戻ったのです。録音をして、本当に自分の意図通りのかたちを提示できているか確認します。昨日はいくつか大きく音をはずしたり、走ってしまったり、と自分でもがっかりしてしまうようなことがいくつかありましたが、今日はそれを肝に銘じて練習をしたせいか、きちんと自分のスタンダードラインをあげることができていました。まだまだですが、こうして一日一日すこしでも良くなっていることを自覚できるのは良いことです。あと数日でどこまでいけるかはわかりませんが、健康で、こういう機会を利用し前進したいという気力を持ち続けていられること、こういう機会に挑戦できること、は本当にありがたいことだと思います。

今日、ひとつ成功したことは、やはりこのテンポで弾きたい、という設定をあまりがんじがらめに考えないこと。夕食後はもうかなり疲れていましたし、ウォームアップも満足いく状態でしたわけではなかったので、感覚的にしんどかったのです。そういうときには、少しゆっくりでもよし。無理にテンポを変えようとしたり、そのときの感覚にあわないテンポで弾かないこと。これは大切なことのような気がしました。

ヨーロッパでご一緒したシンガーの方と少しお話する機会があったのですが、そのときに「疲れているときに歌うのは大変ではないですか?」というような質問をしたところ、「疲れているときには疲れているときの歌い方があるから。あなたもそうでしょう?」とのこと。長くなるので、これはまた別の機会に続けようと思いますが、今日の気づきはこのシンガーの方の言葉と私の内ではかなり重なって感じられることです。

ところで、以前は、学校を終えさえすればオーディションや演奏の機会に集中でき、常に余裕をもってその場に立つことができるようになるのだろう、と思っていました。でも、どうやら実際はそうでもなさそうです。幸いに私の場合は演奏の仕事をいただいているから、ということもありますが、演奏の仕事をこなしながら、生徒を教えながら、オーディションや演奏の機会への準備をするのはものすごく大変なことです。でも、実際に演奏の場に立っていないと育たない感覚も間違えなくありますし、そういった意味では、どんなに大変でも、やはり私は幸いなのだという気がしています。

楽器の演奏についてもそうです。いつの日か考えずにも楽に演奏できる日がくることを想像していましたが、やはり練習や勉強、日々の積み重ねなくして、「楽」になるということはなさそうです。ある程度「楽」に感じられることというのは、やはりその下準備をきちんとしたからこそでてくるもののようで、そういうことなく「楽」に演奏する、ということは多分これからもないような気がしてきました。(笑)

芸術というものは、あるようなないような「完璧」を追求し続ける作業なのかもしれません。ですから、一生こうして、ああでもない、こうでもない、もっとこうしたらよくなるかも、もっとああしたらよりPersuasiveなかたちになるのかも…と思考錯誤を続けていくのでしょう。それはある意味、決して満足を得られない苦行を重ねているかのようにもみえ、なんだかとんでもないところに足を踏み入れてしまったな…と思わないわけでもありません。

だからこそ、常に前向きに、ポジティブに生きていかなければいけないような気がします。自分を知り、自分にできること、できないことを知り…、克服できたことを喜び、常に新たな目標があることを感謝し…

こういうことがわかればわかるほど、気分転換の重要性を強く感じます。最近、私はやはりおいしいものを食べることがすき、ということに気がつき、今後は以前よりももう少し、食べることを積極的にたのしむようにしようかな、ともくろんでいます。(笑)

今日はまた久しぶりにコーヒーを丁寧に入れてみました。やはりこのほうが断然おいしい。(笑)忙しいからとインスタントコーヒーを飲むことが多かったのですが、ここ数日、それをいただくと胃の調子が悪くなる感覚があったので、今日はコーヒーメーカーを使ってみました。すると、やはりインスタントよりずっとずっと香りを楽しめますし、胃もなんともない。

教えていてあまり時間がなかったので、食事は朝、昼ともコーヒーにブリーチーズとフランスパンを少しづつつまむ程度でしたが、夜は少し疲れた胃を休ませるためにも、野菜たっぷり鮭入り雑炊と海草もつかったサラダ、デザートにいちごのアイスクリーム添えをいただきました。雑炊はとにかく胃にもやさしく、満足感もあり、少し元気がでてきたような気がします。


けい |MAIL

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