自分が何をしたらいいのか分からない人によく 「やりたいことがあって、それに向かって頑張っていてすごいね」 と言われる。 別に全然すごくないし、何か勘違いしているような気がする。 やりたいことが分からないから何をやっていいか分からず、 結局あんまり頑張れない、と彼らは言う。 でも誰もやりたいことだけをやっている人なんていない。 常に自分の欲求が満たされて、満足している人なんていない。 やりたくないことでもとにかく頑張ってみる、それが大事だと思う。 たとえ、やりたい仕事をやっていないとしても、 その仕事を辞めたら、お金を手に入れる手段がなくなる、 だからその仕事を続ける。 ここに何ら後ろめたい気持ちが隠れる隙間はない。 仕事を辞めたら世間体が悪い。 ここに何ら汚れた理由はない。 人はどんな理由であれ、自分がもっとも守らなければならないものを 失わないために、どんなにやりたくないことでもやらざるをえないのだ。 やりたいことがないと言って、何もしないでいる人は、 ただやりたくないことをやりたくないから、何もしないでいると 言った方が正しいと思う。 やりたいことではなくても、 必要に迫られて、やりたくないことをやらなければならないのが常なのだ。 だれも、やらなくていいなら、ただ寝て遊んで生きていく。 でもそんな風に生きていけない、ただ生きていくためにも 必要とするものがある、それはやりたくないことをやってでも 手にしておかなければならない、そしてそれをやる。 そんなものなんじゃないのだろうか。
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