が、とても淋しく思えた。 独り座り込んで煙草を吸う彼の姿は、痛々しくて、 声をかけることも阻まれた。
忘れられないその姿。
同じようなことがもしわたしの身に起こったら、すぐわかるんだよって。 「あんたはさー、すぐ顔に出るからそんぐらいわかるんだよ。」 じゃあ、あの時のわたしはどんな顔をしていたんだろう。 あの時、あんたはわたしを見るなり二人きりになりなり、 「何かあったでしょ。」 って聞いてきた。 でも、わたしもあんたに何かあったとき、すぐわかる。 あんたは態度に出るからね。 「話くらい聞いてあげるからさ。」 その言葉が、ものすごく嬉しかった。 わたしみたいなことが起きなければいいねって。 疲れた顔して笑わなくていいから。
二人してあんたのベッドに寝っ転がって、 ぽつりぽつりと話す。 思い返してみれば、あの時もそうだったような気がしない? でも今回は、話せる仲間は二人っきりじゃないからね。 旦那もYさんも聞いてくれる。 男と女の友情って、いいねー。 友情は、成立すると心から思えます。
昨日の言葉が忘れられないんだよ。 一度気になったら、ずっと気にするタイプらしい。 ずっと頭から離れない。 わたしは何事も考えすぎなのかな。 それとも考えなさすぎなのかな。
帰ったら、話をきいて。 わたしもあんたの話を聞くよ。
明日は髪を切りに行こう。 今日はこれから本を買いに行こう。
前々からずっと読みたかった、 村山由佳著、翼を。 長くのびすぎた髪の毛を、 少し切って量をすいて前髪も少し切って。
明日の夕方、寮に帰ろう。
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