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■ 深い森
今は深い森。 ぎっしりと緑で満たされた葉の間から、細い光が差し込む。
あの時、足に絡みついたいばらの傷はもうすっかり癒えて、 ひととき、のどかな林道を歩いてきた。
今は深い森。 見たこともない大きな木々が、私を圧倒する。 聞いたこともない鳥の鳴き声が、何かを訴えかけてくる。 やんわりとした空気とは対照的に、自然の大きさは私を不安にさせる。
この森を抜けられるだけのすべを持っているのだろうか。 それとも耳を済ませば、森は優しく私を導いてくれるのだろうか。
信じる。信じられない。 それだけのこと。
静寂の心が、動きを感じとる。 私が向かうのは、心の静寂。
この森を抜けたら、澄んだ湖があらわれる。 それは知っていること。 水面は、真実の姿を映し出し、私はただライアーを奏でる。
2007年11月27日(火)
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