『マーリン』を読んでしまったので、カドフェルシリーズ『ハルイン修道士の告白』を読んでいるのですが、このシリーズ、シリーズ自体の時代背景は12世紀イギリス、ウェールズなんですけど、主人公のカドフェルにかつて十字軍に参加しエルサレムに赴き、実はそこで(カドフェルも知らなかった)子供まで残していたという過去があったりするので、お話の中に時々十字軍云々ってくだりがあるのですよね。 ちなみに今読んでる『ハルイン〜』は、若い修道士が実は俗世にいた頃、仕えていた屋敷の娘と恋に落ち子を為しました、でも一緒になることは許されず…という告解で始まるのですが、そこでも『仕えていた家の主は十字軍に出ていたので実質的に屋敷は奥方が仕切っていました』みたいな描写が。
この間『天国の王国』見たのでちょっと十字軍気になってパラパラ資料集を斜め読みしてみたり。 カドフェルが行っていたのが第2回からまさに映画に出てきたサラディンや、獅子王リチャードの出た第3回十字軍あたりですかね。 『天国の王国』もあの辺がベースなのでしょうけど。 インノケンティウス3世が出てきて第4回の遠征が始まるとヴェネツィア証人が出てきて『聖地奪還』は建前、十字軍が本来持つべき宗教性はほとんど失われるものねえ。 まあ、それがあったから東西の文化の交流、中世から近世への移行ってのが始まったとも言えるので、コインの表と裏みたいなものなんですけど。 サラディンが「あなたに私の医者を送りましょう」って言うシーンが映画にあるけど、確かにあの時代、ヨーロッパよりイスラム世界の方が医療技術は優れてたわけだしね。十字軍側が「治らないから切る」っつって切り落としたのと同じ傷を、イスラム側では綺麗に縫合して化膿を抑えて治せた、って話はよくありますし。
個人的に十字軍は法王と欧州各国の王侯貴族のいらない虚栄心の産物だと思うのであれなのですけど、そもそも日本人の感覚で『聖地』とか分からないような気がする。 宗教関連は下手に首突っ込むと後々怖いのでやめますが、エルサレム奪還とかああいうのは、神様は一人だけ、崇めるものは一つだけ、って信仰だから成立する理念と信義であって、もともと八百万の神様がおわして何かとりあえずめでたそうな行事は持ってきて祝っておこうって日本人の宗教概念とは沿わないんだろうなあ、と、思いました。 イメージとか、知識としては分かる、でも本質的な理解はきっと出来ないもの。私も分かんないし。 でも『何かを信じる』ってそういうものかもしれないね。
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