| 2008年03月05日(水) |
くまくん代筆:白い日。 |
このえちゃんは最近、スーパーで貰ってきた段ボールに新聞紙や雑誌を詰めてテープでぐるぐる巻いた台を使って、踏み台昇降の真似事をしている。 「こないだ職場で体重計に乗ったら見るも恐ろしい数値が出たのよ!」 それで慌てて運動をはじめたらしい。 よく分からないけど、踏み台昇降運動は有酸素運動だからダイエットにいいんだってさ。 部屋の中で出来るし、お金もかからないから、ものぐさなこのえちゃんにはちょうどいいかもね。 僕らはぬいぐるみなので、丸くてもいい、むしろ丸めの方が可愛いけど、このえちゃんは人間なのであまり丸いと見苦しい。 「っていうか、鏡で自分を見た時にあまりの醜さに愕然とするのよね…」
今日もとろとろ台を降りたり昇ったりしているところに、チャイムが鳴った。 黒猫の宅急便の人だ。 はーい、今出ますー。
荷物は母さまからだった。何だろう、いい匂いがするよ。
開けてみると、中には何だかいろいろなものが詰まっていた。 執事のリーフレット?みたいのに、紅茶の葉とジャムと、ホワイトデー限定らしいマシュマロ。 母さまお手製の焼き菓子に、入浴剤(しかもちゃんとこのえちゃんの趣味に沿って、はちみつものばかりだ)。それから、薔薇の香りのするサシェ。 わあ、いっぱい。 「おいしそうだねー」 そりゃ母さまのお菓子と執事の紅茶とお菓子だもん、おいしいよ。 『でも、このえはダイエット中ですよ』 『甘いものは食べちゃダメなんだよ、ダイエットの敵だもん!』 そういえば。ペーターとピアスの言うとおり。 せっかく少しだけ(ホントに少しだけ)体重減ったのに、これ食べたら元通りじゃない? 『安心しろよ、俺らがこのえの分までちゃーんと食べてやるからさ』 そうだね、せっかくこのえちゃんが頑張って減量しようとしてるんだから、それを応援するのも僕たちの仕g… 「あげません全部私のです」 …ダイエットじゃないの? 「ダイエットは明日から〜。母さまのお菓子は私のもの〜」 …都合のいい。だから冬の間に冬眠もしないのに無駄なお肉を蓄えるんだよ。いくらクマが好きでもこのえちゃんはクマじゃないんだからさ、冬眠前の貯蓄なんていらないの。 『というか、クマも冬眠明けには痩せますよね』 『蓄えた脂肪、冬眠中の生命維持に使うもんな』 …このえちゃんは、冬の間に蓄えたものそのまま春に持ち越そうとしてるね。ダメじゃない? 『余計なものは捨てないとダメだよ。お菓子は俺が食べてあげる!』 「う、うわああああん、いじわるーっ!!」 あ、逃げた。 まあね、僕らも鬼じゃないからね(くまとうさぎとねずみだからね) 食べた分動くとか、自分でちゃんと出来るんなら食べればいいと思うんだけど。 せっかくの母さまの気遣いだもん、少しくらい体重戻ってもおいしく食べた方が母さまも喜ぶし、このえちゃんもおいしいお菓子でいい気分。
…で、なんで母さま、お菓子とか送ってくれたの? 「少し早いホワイトデーだって。バレンタインにチョコとか京都のお土産とか送ったから」 エビで鯛が釣れてよかったね。 ありがとうございました、母さま。お菓子は僕らとこのえちゃんでおいしくいただきます。
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