2009年01月09日(金) |
判官びいきとはちょっと違うか。 |
年末に読もうと思って買った『図書館猫デューイ』と『実録死体農場』を読み終わったので、次は何を読もうかと思って。 本屋でしばらく物色して、遅ればせながら『のぼうの城』を買ってきて今ちまちま読んでいます。 読もうと思えば1時間あれば読める厚さだけど、なんか勿体無いので仕事の帰りの電車の中でだけ読むことにしてる。
まだ三分の一ほど読み残しているので感想とかではないのですが、読んでてふと思ったのは、私はこういう展開の話が好きなんだなあということ。
奥州三部作と共通するものがあるよ。
多数対少数、権力対庶民、支配するもの対虐げられるもの。 なんていうかこう、最終的にはたぶん負けて、歴史には残らないだろう人たちなんだけど、でも自分たちの正義に恥じることなく最後まで力一杯戦ったぜ!的な話が好きなんだと思うの、私。 あと、大将のことを周りが好きなことも(笑) アテルイも経清さんも泰衡さんも政実さんもそうだし、『のぼうの城』ののぼう様こと長親さんも。 っていうか、のぼう様なんかホント人望だけで戦やってるよ。 農民に、あの人俺らがいないと何も出来ないくせに戦って馬鹿じゃないの、仕方ないから手伝ってやるよ、とか言われてるお侍(笑)
私、本当はハッピーエンドのお話が好きなんですよね。死にオチとか悲しい終わりは好きじゃない。読み終わってどんより重苦しい気分になる話は嫌い。 でも奥州三部作は必ずしもハッピーエンドじゃない、どころか、主人公たちは負けました、処刑されて死にました、おしまい。みたいな終わりなんだけど。 そしてまだ読み進めてないので分かりませんが、たぶんのぼう様たちも負けて終わるんだと思うんだ。 ハッピーエンドじゃないけど読み終わってなんだか爽やかな気分になるのは、お話の主人公たちがその結末に満足しているからなのかなあ。
歴史の表舞台で華々しく活躍して、って人よりは、その華々しさの陰で精一杯生きた人の方が好き。 しかし『のぼう』を読んでるとちょっとだけみっちゃん(石田三成)に同情するよ。 ちょっと潔癖すぎるきらいはありますが、官吏としてならものすごい有能で、それにだけ集中すればきっと自分も周りも満足な生き方が出来たんだろうに、時代が戦国時代だったばっかりに…。 金勘定しか出来ないのこずるいの何の言われちゃって…本当は戦というのは補給と戦費の確保が一番重要で一番難しいことなので、そこを怠ってはどんな名将も勝てないんだから、三成みたいなデスクワーク方面でこそ才能を発揮する人は大事にしなくちゃいけないんだけど、あの時代、武功を揚げなきゃ意味はねえみたいな時代だったからなあ…。焦っちゃったんだねえ。
さて、この連休中に読み終わっちゃおうっと。
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