永久という名の瞬間
2004年01月20日(火) 廊下の突き当たりの部屋

 以前大切だった場所に、私はもう、行ってはいけない。
 大分前からそこは、私の居場所ではなくなっていた。
 だからたとえそこにいる人に、「来てもいいよ」とやさしい言葉をかけられても、私は甘えてはいけないのだ。・・・だって、そこから去るって決めたのは、私自身なんだから。


 今日、そこに置いていた荷物を、撤収しました。
 なぜかその荷物を持ち帰ることは、最後の繋がりが切れることを意味しているような感じがして、今まで置きっぱなしにしていた荷物です。
 その部屋に人がいないことを窓の外から伺い、こそこそと、顔見知りに逢わぬようにしました。なんだか泥棒のような気分でした。
 さあ、これで私はそこに行くきっかけを全て失いました。

 一方、このおかげで何かが吹っ切れて、肩の荷がおりた感じもして。
・・・人の好意にすがるのは、実は結構、胸が詰まる行為だとしみじみ感じます。

 私は誰にも聞こえない声で、さよならをいった。
 悲しいけれど、人に届かない言葉ほど、空しいものは無い。

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photo by 東雲