Out of Blue
dabaya



 H技能試験2回目

この日も俺はいつものように朝5時に目覚めた。
Hの本試験2回目に本人以上に緊張していたからだろうか・・・。

Hに願う事は、本番での目視確認作業を忘れずに試験官に分る形でやってもらう事とブレーキ最初の一発を冷静にかつ慌てずに慎重に踏んでくれる事。

それできれば後は絶対リズムに乗れるはずなのだから。

本試験はH一人で行かせて俺は寮のアパートでお留守番しようと当初は思っていた。本人は俺が来ようが来まいが関係ないと言うかもしれんが・・・。
俺はHにとって変なプレッシャーを与える要因に違いないと思った。
だが受かった時にその場で感動を分かち合えないのはやはり悔しいので。

試験開始するまで隠れてHの走りを見学することにした。
Hは走行を終えるまで、俺が見てるのか見てないのか確信が持てないまま試験をするのだ。どうかのびのび走ってくれ!

午後の1時半にいよいよHの技能試験が開始。
俺は試験場建物の3階に行き窓からHの乗るいすず曙3号車がコースに出てくるのを息を潜めて待った。

数分後、いよいよ場内課題をスタートした3号車がコースに姿を現した。
どうやら縦列に入るらしい・・・つまり一回目に落ちたAコースである。
逆に考えれば同じAコースだったのはある意味ラッキーだったかもしれないと思った。

縦列を無事に成功し鋭角コースに爆進中の曙3号車!

俺は3階から祈るような気持ちでHのバスの動きを観察していた。
縦列もなんとかスムーズにクリアしたようだ・・・多分。
(この場所からじゃ遠くて確信もてんのよ・・・)

 
教習所の社長の息子でもある指導員のEさんもプラットホームでは見えない場所に移動しながらHの走りを心配そうに見守るのを3階上空から確認w!右は鋭角コースを無事クリアしホームに帰還するのみのHの勇姿。3階窓から慌ててシャッターを切ったのでもうちょいで隠れるとこだった。><ふ〜あぶない。

一応プラットホームまで無事に帰ってきた。ってことは試験が続行されるかされないかが問題だ。しばらくするとバスは路上コースに向け無事に発進した。
とりあえず第一段階クリアと「ホッ」する俺。

路上に出てからまた試験場に戻ってくるまでの所要時間は大体の目安で15分前後。

時計で時間を確かめてHが早々に帰ってこない事を祈る。
10分以上戻ってこなければ少なくてもコース全部は走って帰ってこれるだろうなと思ってた俺の心配をよそにH君無事完走。でかした!H。

Hがバスから降りてからしばらく経った後で俺はHに姿を現した。
Hはどこかで見てるんじゃないかな〜と思ってたらしい・・・。(バレてたか)
Hの話では試験官の指導表及びアドバイスの度合いから受かる自信は
あるらしいのが伺えた。その言動だけで俺は合格を確信。

いよいよ合格発表の瞬間。
受験番号は701番。


 アリマシタヨ。ななひゃくいちばん!!

この時になって初めて俺も合格の喜びが湧き出してきた。
やっぱ二人でずっと協力してきた甲斐を分かち合えた瞬間だからな。
とにかくめでたしめでたし。









2003年07月08日(火)
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