2007年04月28日(土) ヒーローになりたい。

そいつは辛そうだった。

お互いに1年に一回くらいしか顔を合わさないから、
だからお互いに「元気している」と信じている。

だけど、実際そうじゃないこと、俺にもあるし、
彼にもきっとあったんだろうなと、今更ながら気づく。


彼は悩みを人に話すことを躊躇した。
自分はまわりから嫌われているんじゃないかって恐れてる。

そんな風に思うきっかけは何だったのか。
いつからそうだったのか。
もしや、俺が知らなかっただけなのか。

今にも零れ落ちそうな涙をどうにかこらえて、
湯気のたちのぼるカフェオレの向こうで彼は、

涙を飲むように言った。

「俺は、必要とされていない気がするんです」

すまない、笑ってしまったよ。

「俺じゃなくても、いい気がするんです」

すまない、笑ってしまったよ。

「なんで笑うんすか(笑)」

「なんでお前今笑ってんだよ(笑)」

「わかんないっす(笑)」


自分が本当にここにいていいのか、俺も悩む。

歯車のように付け替えができるんじゃないかって、
俺よりもっとうまく働けるヤツがいるんじゃないかって

不安になる。


失敗して、何度も同じ失敗して、
次はこんな失敗絶対しない!って誓った1時間後に、
また同じ失敗してしまうこと、俺にもある。

あるよ。

何度も何度も失敗していい。
分からないなら分かるまで分からないのは仕方ないことだ。

でも、だからこそ、何度失敗しても、向かうべきだ。

その向こうに何かがあると信じることがきっとできるはず。

これまでだって、いくつもの壁を越えてきた。

決して一人で越えてきたなんておこがましいことは言えないが、
なんとか支えられて、生きてきた。

そういう意味で俺は、
「困難があると喜んでしまう自分がいる」って表現をした。

きっとこれは、また俺が成長する為の「種」なんだと。

辛いことでも、元気よく「ハイ」といえる勇気を、
ギリギリもててるぜ。

辛いのは、仕方ない。
生きる意味わからねーこと、ようけあるぜ。
考えることさえ諦めちまったやつらも、たくさんいる。
そんな中、お前考えられてんじゃん。悪くねぇよそれってよ。

立ち向かうからこそ、心が辛いんだ。


俺はカッコよくなりたいんだ。
どんなヒーローだって、一発逆転するときはやっぱ辛いんだ。
これまでの練習や修行がその時に生きるんだと思う。

ヒーローは楽じゃない。
いつまでも勝ち続けることの難しさ、
俺知ってるもん。辛いぜきっと。

でも、カッコいいのは、そりゃやっぱりヒーローだから。
がんばってるからだぜ。

ヒーローになろうぜなんて言うてんじゃない。
情けないこと言うなって言いたいわけでもない。

お前がカッコイイと思える道を、進めばいいと思う。

お前が今、カッコ悪いって思うなら、
やっぱりよくねーぜ。

カッコよく生きてくれ。

少なくとも、自分が信じられる道を。




 past    will


sk6 [手紙] [Ai to U]

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