paranoia kiss
    

今までの人生で最大に落ちていた時。
何をどうやっても這い上がれなくて、
ただひたすらにアルコール摂取に勤しみ、
昼夜問わずに布団に包まっていた。

思考するのにも疲れて、
耳をふさぎ、頭を抱え、小さくなっていた。
所詮、昼といってもこの国だけのお話。
よその国では夜だったりするんだ。
そんな言い訳をしながらずっともぐりこんでいた。

止まない雨はない。という人がいたけれど、
そのときの自分は到底そんな言葉は信じられずに、
長い長い終わりのない闇に放り込まれた気でいた。

何をどうやって這い出たのかさっぱりわからないけど、
気づけば陽の当たるところに出ていた。

多分、それだけの時間が過ぎたんだろう。

今となっては、あの人の顔さえうまく思い出せない。
人間、結構都合のいいようにできている。
忘れる。という能力も備わっていた。

案外、神様も冷たいらしい。

2007年08月07日(火)



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