| 2026年09月15日(火) |
インナーパンツは下着か? |
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女性が下着のパンティの上に重ねてはく「インナーパンツ」は法律上の下着か否か? このようなどうでもいい問題が盗撮事件をめぐる裁判で争われたのである。9月14日、東京地裁(大野洋裁判長)は「インナーパンツは下着にあたる」という判断を下した。盗撮事件を合計7件、不同意わいせつ事件を2件起こしていた杉原翔太被告は懲役3年を言い渡された。
盗撮などを取り締まる「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」は令和5年6月16日に制定された比較的新しい法律である。名称が長いので省略して「盗撮処罰法」などと呼ばれることもある。盗撮行為や撮影データの提供は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、不特定多数への提供は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金または併科、保管は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が科されるとある。
この東京地裁での裁判で争われたのは、被告が盗撮したものの中に映っていたインナーパンツが果たして下着にあたるのか否かということであった。被告側の弁護士は「インナパンツは下着ではないので盗撮にはあたらない。」という主張を行ったが、検察側は「被害者のインナーパンツは丈が太ももの付け根までしかない薄手のもので、人に見える状態では着けない」と指摘し「下着である」と主張した。
おそらく盗撮者はパンティを盗撮したかったのに、インナーパンツが着用されていて見えない状態だったので「くそっ!隠しやがって,見えないじゃないか」という気持ちを率直に主張し、「インナーパンツは下着じゃないから盗撮未遂である」と言いたかったのではとオレは思うのである。
さて。盗撮処罰法の規定では盗撮の対象物についてはこのようになっている。
「通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるもの」
条文を文脈通りに解釈すればパンティやブラジャーがこれに相当するわけである。
弁護側はインナーパンツの役割を「下にはいたパンティを隠すもの」だと検察側に反論し、人に見られないパンティとは別物であると主張した。パンティが見えないようにするためにはく「インナーパンツ」はパンティを隠すためのものであり、それは下着ではないということである。オレも実はそうだと思っている。もしも「インナーパンツまでも下着」ということになれば、インナーパンツを隠すための新たな衣服が必要となるわけで、それは「アウターパンツ」とでも呼べばいいのだろうか。下着の範囲を拡張すればどんどん広がっていくわけで、最後は全ての衣服が下着に定義されてしまう恐れがあるのだ。だからオレはここでは被告側の主張を全面的に支持したいのである。
だったらこの被告は無罪かというとそういうわけではない。下着まで盗撮した事件や、不同意わいせつ事件まで起こしている以上、やはりこの被告には罰を受けてもらわないといけないわけで、判決そのものには正当性があるとオレは感じるのである。
この裁判では被害者側が「インナーパンツは下着と同様のものだと認識しており、その上に何も着用せず外出することは想定していなかった」と説明した点が重視されている。この被害者の主張が今回認められて「インナーパンツは下着」という見解が判決に採用されたのである。もしも世間で「インナーパンツだけを着用して外出する人たち」が増えればこの解釈は変化するだろうとオレは思っている。インナーパンツは下着か否か? オレはしっかりと「インナーパンツは下着じゃない」(「ステテコも下着じゃない」)とこれからも主張して行きたい。
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