電話かけて、出なかったとしても、 それで折り返し電話がこなくても、 後悔しないこと。 せめて、1週間は我慢。
そんなわけのわからない覚悟をして、タクくんに電話をかけた。
仕事中かもしれないから、出なくてもそれほど気にしなかった。
ふと、気になってケータイを見たら電車に乗ってた時に彼からかかってきてた。 何で気付かないの! バイブにしてたのに! 私のばか! まだ電車に乗らなくてはならず、すぐに電話できなかったけど、 駅からの帰りに我慢しきれずに電話。 今度は出てくれた。 彼はもう家に帰ってて、後ろから何か音楽っぽいのが聞えてくる。
サーフィンの話。 仕事の話。 誕生日の話。
「まだ家に着かない?」
「もうちょっと」
「じゃあ着くまで喋っててやるよ」
「えー。いいよ、今すぐ切る」
「ああ、いいよ。バイバイ」
「嘘! ヤダ」
「冗談だよ(笑)」
それでも、いずれは家に着いてしまい…。 玄関の前って言うと、切るよってなって、思わず「やだ。だめ」って。 けど、「じゃあもう少し」なんて甘い言葉はなく「俺だって風呂とか入らなきゃいけないし」って。 社会人になると変なトコで現実主義というか…。 学生だったら、どうだったの? と言われても困るけど…。 けど、次いつ会う? とか言い出して、話せる時間をのばす自分。 必死です。 そんな小手先の小細工、彼にもバレバレだろうな。 彼はお互いが予定を入れて、その上で時間が合ったらって気持ちみたい。 だから私にも予定入れていいよって。 私だって彼のために全部空けられるわけじゃない。
良いニュースと悪いニュースがあるから、今度会った時話すねと言った。 そしたら、やっぱり気にされちゃって…。 良いニュースは良いだろうけど、悪いのはどう悪いか気になるって。
そして、その場で言うつもりはなかったんだけど、
その前から、 「引かない?」 「嫌いにならない?」 「イヤにならない?」 って何度も聞いて…。 でも、ちゃんと言って良かった。 「引いた」「嫌いになった」「元々嫌いだった」って、いじめられたけど。 冗談キツイね、って彼も言って、私もキツイって素直に言った。 だけど、彼的には、私に散々訂正されたからクセがついちゃったって。 でもね。 嘘よりは本当のことを言った方が良いって思ったから。 前よりも今の方が嬉しいもん。 ホント、でも嫌われたり幻滅されてないか心配。
「じゃあ、引いてなかったら、今度会った時抱き締めてくれる?」
甘えモード発動! 言ってることと思ってることが違うね。 何で甘えちゃうんだろ。 ダメになるって分かってんのにな。
「いいよ。良いけど、りうちゃん、抱き締めた後は何するかわかんないよ?」
「えー。平気だよ。大丈夫」
何が平気なのか分からないけど、努めて平静な態度で言ったら、 「平気って…」って言われてしまった。 何を根拠にって感じなんだろうね。 だから。
「だってさー。この前、"変なことしないなら会わない"って言うからー…」
と言い訳がましく言ってみた。 わりと、そういうことは気にする性質なので。
「りうちゃんがそういうことしたいなら会おうかなって」
「えー」
「したくないの?」
「したいよ。そんなの言わさないでよ! ばか!(笑)」
という変な会話に。 まあそれもこれも全部、冗談ですけどね。
でも、「本気で好きになりそうだからしないで」って思うんだよね。 それで断れないかなあ?(笑) 火のついた野獣には無理か。
無情にも電話は終わってしまった。 だけど、今回、分かったことがある。 電話をかければ、ちゃんと応えてくれるってこと。 それって、幸せなことだと思う。
今頃になって、というか何と言うか、ワイン男からメールがきた。 どうやら彼は私と遊ぶっぽい。 ん〜英語話す練習になればいいかなあ。 私の気持ちはもう、タクくんでいっぱいだからね。 (あ。言い切った)
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