日々あんだら
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2004年01月14日(水)

2週続けて帰省しておいてなんだけど、旅に出たいなぁ、と思う。
できれば一人旅がいい。
自分とペースが全く一緒で、全然気を遣わなくていい友人となら一緒に行ってもいいけど、
そんな友人の数は片手でも余る。
彼らと長い休みが合うなんて奇跡的なことは、まずない。

一人旅は車で出かけるのが好きだ。
ガイドブックは持って行くけど、どうしても立ち寄るところを数箇所だけ決めて、
後はその時々の気分で行先を変える。
山形から秋田を目指すつもりが、ふと気付くと仙台にいたり。
疲れがたまっている時にたまたま牧場を見つけ、そこの木陰で昼寝をしたり。
地図に道を見つけ、抜け道だと思って入り込んだら40km以上続く未舗装路で、
2時間もの間、延々と続く砂利道の不快な振動に耐えたこともあった。
そうやって、その道筋に綺麗な景色や興味を引くものを見つけたら車を停めてカメラを向ける。
なんとなく入った道で素晴らしい光景に出会うと、嬉しくてたまらなくなる。

一人旅のいいところは気楽なところもそうなんだけれど、一番は「孤独」なことだと思う。
普通に生活をしていて、本当の孤独というものを感じることはほとんどないんじゃないだろうか。
1週間くらいの一人旅をしていると、必ず1回は「死ぬほど寂しい」時がある。
一昨年の夏、東北一周旅行をした時に、秋田の鹿角市で初めてそれが来た。
東北の寂れた片田舎の街で(鹿角の方、ごめんなさい)、ちょうど夕暮れ時。
そこでふいに訪れた感情を「寂しさ」の一言では片付られない。

世界中の全ての人が、自分とは無関係な「他人」だということ。
世界が、自分とは関係のないところで動いているということ。
世界のどこにも、自分の本当の居場所などないということ。
そのまま自分が居なくなっても、きっとなにも変わらない。

その時、何かにすがるようにいろんな人の顔を思い浮かべてみた。
家族、仲のいい友達、その頃好きだった人。
でも、その内の誰に電話しても、例え誰かが隣にいたとしても、この孤独感は埋まらないだろうと思った。
大げさに言うなら、「人は誰もが孤独なんだ」という言い古された言葉の意味を、
生まれて初めて実感したのかもしれない。
(多分、その孤独を感じている間はカメラには触れなかったと思う)

もちろんその時はその孤独感が嫌で嫌で仕方なかったし、
たまたま昼間に買っていた2冊の文庫本が無かったら、その夜を越えることは難しかったかもしれない。
でも、その旅から帰って来てしばらくすると、その絶望的な孤独感を時々懐かしく思い出す。


もしかしたら…
僕は、孤独を感じるために旅に出るのかもしれない。


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