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2004年01月04日(日) ■ |
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「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー |
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「長いお別れ」ハヤカワ文庫 レイモンド・チャンドラー 清水俊二訳 いわずと知れたハードボイルドミステリーの古典である。ミステリーとは限らない、いろんな小説や映画の一人称で語る主人公はフィリップ・マーロウ私立探偵のプロトタイプである(らしい)。今回初めて「実物」を読んだ。マーロウは今まで読んだハードボイルドの主人公たちの誰にでも似ているようで、実に男臭く、クレバーで、似ていなかった。
この文章に接して、この文体にかぶれなかったら、本好きではない。マーロウの粋なセリフをいつか自分も呟いてみたいと思わなければ、男の資格はない。日本のどこかの評論家が「チャンドラーの小説は優れた独身中年小説だ」といっていたが、肯べなるかな。 42歳。いい女に「結婚に反対する理由がなにかあるの」といい寄られて彼はいう。「100人のうち2人にとっては素晴らしいことさ。あとの98人にとっては形式に過ぎないんだ。」かっこいい。こんなセリフを吐いてみたいものだ。むりだけど。
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