初日 最新 目次 MAIL HOME


読書・映画・旅ノート(毎日更新目指す)
くま
MAIL
HOME

My追加

2004年01月23日(金)
「中世倭人伝」岩波新書 村井章介

「中世倭人伝」岩波新書 村井章介
私のこの本の読み方は少々いびつである。14Cから16Cにかけての対馬と釜山等との港の関係、日本と朝鮮の関係、果ては中国との関係、そこで活躍する「倭人」と呼ばれた日本人とも朝鮮人ともいえない「マージナル・マン」たちの活躍。そういう世界を描いているのではあるが、私はそこに遠く1000年以上昔の弥生時代の倭人たちの朝鮮半島、北九州、山陰、中国沿岸に渡って情報交換しながら自分たちの文化を育んでいく姿をダブらせていた。航海技術は中世の倭人たちとは全然違うかもしれないが、弥生時代の倭人たちももし文献に残っていれば、支配の目を潜りながらしたたかに自分たちの住むところを確保していったのだろうな、と想像させるに充分なだけの当時の第一次資料(「朝鮮王朝実録」)が詳しく紹介されてある。
今度釜山に行った時には、倭館の在ったところに行き、600年前の私たちの祖先たちのしたたかさに想いを馳せたいと思う。